2013年6月27日木曜日

後3年、「アベノミクス」頼みの政治が続くのか

参院選が終われば、後3年、「アベノミクス」頼みの政治が続くのか。通常国会閉会を受けて首相官邸での会見で、安倍総理は「デフレ脱却は大事業、3年間は基本的にそこに集中する」という。今政権も有権者も「アベノミクス」に期待した行動をし、都議会議員選挙では自民党の圧勝に終わった。

「アベノミクス」で日本経済を成長路線に持って行き、雇用は増加し家計は潤う。税収増で財政再建も軌道に乗せることが出来、国債の信用も保てる。うまくいけば万々歳の安倍総理の経済政策だ。

しかし今、「アベノミクス」の評価も二分する結果になっている。

経済学者間でも「低金利下でインフレターゲットは効果が無い」と見られていたが、安倍総理の大胆な金融政策に呼応する黒田・日銀総裁の「2年で2%物価目標」「2年でマネタリーベース2倍」の金融政策は、意外性もあって円高/株安から円安/株高基調へと変わった。

リフレ派は「それ見たことか」とデフレ派を見下したことだろう。しかし、各国の中央銀行の量的緩和で市場にダブついた資金は、バブルへ走った。

ところが、急激な株高の反動なのか、連日乱高下を繰り返し、量的緩和で押さえ込んだはずの長期金利も上昇をたどり国債の信用下落を招き結果になった。

円安は輸入品の値上げで食料品などの値上げで日常生活に影響が出始めた。長期金利の上昇は住宅ローンなどの金利の上昇に繫がる。株高は企業収益、家計収入にプラスになり、高級品などの購入が増えたという。

その一方で、「実感が湧かない」、「アベノミクスの効果が実感出来ない」人たちも多い。安倍総理の街頭演説を聴いたが、この点に必ず触れて、「もう少し待てば実感出来るようになる」と説得する。

しかし、プラスの実感を持てる人は、ほんの一握りで、大方の人は実感なしか、マイナスの実感だろう。

政府や一部経済学者は、「調整局面」と表向きは意に介さない姿勢であるが、「アベノミクスの副作用」という声も多くなってきた。

参院選に向けて自民党と違いを出そうとすれば、「アベノミクスの副作用」を訴えるしかないが、「アベノミクス」への期待がまだ大きいだけに、攻めにくい面がある。

不思議なことに、安倍総理はデフレ脱却で日銀に対しては「出来るだけ早い内に達成を」と要求するが、自分は「3年」かけるという。次の衆院選までに結果が出れば良いと思っているのか。

思い出してみよう。安倍総理と民主党・前原さんの衆院予算委員会で質疑を。

前原さんが「インフレ目標を2%においた理由」を質問したとき、安倍総理は「2~3%といろんな意見があったが、達成しやすい数値として2%とした」と言うのだ。これを受けて前原さんは「特段2%という数値に思い入れがあったわけではないのだ」と質問を閉めた。

第1の矢・大胆な金融政策、第2の矢・財政出動、第3の矢・経済成長をひっくるめて「アベノミクス」と言うが、何かそれらしき言葉に迷わされているような気がしないか。

国際部隊のG8でも高い評価を受けたというが、問題は内容だ。

消費税増税は中途半端な成長段階で腰砕けにならないか。、民間企業の国内での投資促進が要求されるが投資したい新規事業があるのか。70%以上の法人が法人税を払っていないというのに法人税減税が効果があるのか。設備投資減税というが生産設備の国内回帰ができるのか。更に、新規事業に誘う規制改革ができるのか。利権者、官僚機構の反対を抑えて規制改革の閣議決定ができるのか。

総花的政策の羅列から実行へ、工程を示せないか。










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