2013年7月2日火曜日

自民か野党か、参院選への難しい選択

選挙ポスターを待つ掲示板
東京・大田区久が原にて
2013.7.3
自民か野党か。参院選への難しい選択が迫っている。経済政策なら自民党だろうが、賃上げ、雇用、設備投資に実感が湧かず、一方「アベノミクス」の副作用が気になれば野党だろうが、どの政党を選ぶか。世論調査(読売新聞2013.7.1)での投票先設問では、自民党が圧倒的に強く42%だが、野党は民主党が9%がやっとで、公明党が6%、他の党はそれ以下のありさまだ。

優先政策も景気と雇用が86%、社会保障83%、復興82%が高率を占めるので安倍政権の経済政策に期待がかかるのはわかるし、内閣支持率もいまだ高い率を維持している。

でも、「評価される」のは経済政策、外交までで、賃金・雇用、消費税、原発政策は「評価しない」の方が率が高い(朝日新聞世論調査2013.7.2)。

「アベノミクス」効果も6月の日銀短観では、大企業には明るさが見えてきたが、中小企業、小規模事業者には程遠いようだ。経営者は異口同音に「どこの話だ」と不快感を示す。

そんなことは安倍政権もわかっているのだろう。地方産業競争力協議会を設置して対策を打ち出すという。

安倍総理も、麻生財務相も「今度は民間の番だ」と、政府は今までやるべきことはやった。これからは民間の出番だと民間に期待するが、「政府笛吹けど民踊らず」の構図だ。

設備投資は増えず、雇用改善も進まず、失業率も大きな変化はなく、給料も伸びない。一方で7月から円安による輸入品の値上げで食料品、電気代などの値上げが続く。

参院選に向け、自民党への攻撃材料はあるのだが、野党は攻めあぐねている格好だ。野党同士で違いを出そうと競争している。

しかし、野党は所詮野党なのだ。注目度は低い。やっぱり政権与党の影響が強いのだ。民主党政権時、野党の自民党も消費税10%を掲げていたが、党内抗争もあって政権党の民主党は大打撃を受けたが、自民党は無傷だった。

ところで、民主党政権が続いていたら経済対策どうなっているか。

日銀は、ゼロ金利政策、物価目標(?)も「とりあえず1%をめざし、その上を考える」ということだった。2%という数値は頭にあったはずだ。

マネタリーベースでは、白川元総裁は「対GDP比では、先進国一高い比率で市場にはカネがだぶついている」という見解だった。

民主党・野田政権末期には、日銀と共同文書を交わし、政府、日銀が一体となってデフレ脱却に努力することを誓っていた。マネタリーベースで他の先進国に比べ通貨流通量が少ないことは政権も強調していたのだ。

でも、安倍総裁(当時)ほど強烈に大胆な金融政策をゴリ押しすることはしなかったのだ。白川総裁の意見が強かったのだ。しかし、その白川総裁も最後は折れる結果になった。

その後の円安、株高は、安倍総理率いるリフレ派の勝利に映ったが、株高はすでに欧州からその傾向が出ていたのだ。

野田政権のままでも、株高は出たかもしれない。それに従って円安にも動いたかもしれないのだ。

しかし、残念ながら経済は実験ができない。

経済政策で自民党に投票するか、アベノミクスの副作用を重視し、野党に投票するか。悩むところだが、ギャンブル政治はもうよそう。

組織としてしっかりしている政党、党の代表に大きく左右される政党に多大な期待は禁物だ。今のように自民党が圧倒的な支持を得ている状態では、「ねじれ国会」の存在も自公政権の暴走を食い止めるには大切な政治体制だ。

しっかり悩んで、悔いのない投票をしたい。そのためには投票率を70%以上に上げることだ。












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