参院選が終わって、新聞の開票速報を見ながら「国会議員って何なんだ」と思うことがある。選挙期間中は集票マシーン、国会では投票マシーン、政界の荒波を乗り越えて当選回数を重ねると運良く行けば大臣、副大臣、政務官、党の役職などの役職がついてくる。
当選の可能性があるのかどうか分からないが、多くの候補者は落選すると600万円という供託金を没収される。党から出るのだろうが、維新の会の候補者が当選の可能性がなくなり、選挙後は供託金の600万円の借金が残ることを嫌って立候補を辞退した例も出て来た。
各党ともに手っ取り早く集票出来るように、タレント、スポーツ選手、テレビ番組のコメンテーターなど知名度のある候補者をたてるが、本当に彼らに年間1億円以上の報酬を支払う価値があるのかどうかは分からない。票数を獲得でき人寄せパンダの訳詞か出来ない人材でも党にとっては利用価値があるのだろう。
選挙期間中には、党公認の候補者は、党を政策をオーム返しするしかない。自分の政策、考えは隠すので本当に何を考えているのかは分からない。
それに反して、無所属は持論をぶって元気が良い。当選するかどうかは草の根運動にかかっている。「脱原発」などは打って付けテーマだろう。
投票する候補者は、テレビなどの党首討論で党の政策を確認し、選挙区の選挙公報で党公認の候補者の公約を確認することになる。
運良く当選し、国会へ登壇できても自分の思うようには出来ないようだ。党所属の国会議員全員で十分に議論することなどなさそうだ。
民主党・野田政権の時、予算委員会で質問に立った民主党議員が「党内でも十分に議論されていない」と、消費税増税反対をぶっていた。
国会議員だからすべての政策の議論の場に参加できると思っていたが、実際はそうではないらしい。だとしたら、地元に帰って自分の専門でない政策について質問されたらどうするのか。
各種委員会、国会本会議での賛成か反対かは党議拘束がかかり、自分の判断で自由に投票は出来ないらしい。処分問題に発展し新聞を賑わすので、国民の顰蹙を買うことがほとんどだ。
又、国会議員は選挙で選ばれた全国民の代表者で、全国民のことを考えて判断すべきであるが、どうしても選挙区の事情に影響されやすい。
党議拘束もかからず、自分の考えで行動、判断できる民主政治が出来る日は来るのか。
そして今、国会議員には国会改革、政治改革の重いテーマを背負わされているが、直接我が身に関することなので、身を削る改革など一向に進まない。
安倍政権が推し進めようとする成長戦略も規制改革を必要とするが、巨大組織の官僚の利権と対峙するために不安視されている。
膨大な情報と行政力を持つ官僚組織と対抗できる能力を養ってほしいと思うが、政治資金の確保、地元対策に忙しければそれもままならない。
「国会議員って何だろう」と思っている国民も多いのではないだろうか。
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