参院選は、安倍・自民党政権以外の選択肢があるのかと疑うほどの圧倒的強さをメデイアは報道している。今日20日、選挙戦最終日1日で番狂わせが起きる可能性はほとんどない。
「強い日本経済を取り戻すこと」、「脱デフレ」は喫緊の課題であったが、デフレ派変わって経済学では主流でないリフレ派が台頭し、大胆な金融政策、2%物価目標設定で円高、株安から円安、株高に転換し、一見アベノミクスの効果が出たように見える。
しかし、アベノミクスの副作用とも言える「ただの物価高」の様相も見え始めた。実感が見えない有権者に対して「実感をその手に」と期待を持たせる。
冷静に考えてみれば、「アベノミクス」と言って何か違った経済政策のように見せているが、従来の経済政策と何ら変わらないのだ。先の国会で民主党議員から「民主党政権時も考えは同じだ」と言う意味の質問をされた安倍総理は「では、何故やらなかったのか」と反撃していたが、民主党政権ももう一歩と言うところだったのだろう。
脱デフレの最大のテーマは「賃上げ、雇用の創出」だろう。企業と家計の間での「所得の再分配」が出来ず、長いデフレから脱却出来ていないことは、前川レポート、21世紀版前川レポートでも分かることだ。
IMFやノーベル経済学賞受賞経済学者の指摘を待たず、「所得の再分配」が重要なことは分かるが、「アベノミクス」の経済政策に欠けているのは「格差是正」「所得の再分配」だ。
安倍政権は、経済界に賃上げを要求するが、経営者は「賃上げより雇用の確保が第一」と言い、専門家も賃上げに効果が出るのは数年先と見ている。
公明党は「政労使で賃金配分のルール作りを進める」、民主党は「最低賃金上げで所得を増やす」、共産党は「内部留保を賃上げや非正規社員の正規化に活用する」、生活の党は「家計の可処分所得を10年間で1.5倍に引き上げる」、社民党は「最低賃金1000円の実現」、みどりの風は「初任給の引き上げ」などを公約に上げている(讀賣新聞2013.7.20)。
自民党の言う「実感をその手に」は、取り敢えずは大企業、高所得者層向けのキャッチフレーズなのだ。
又、選挙を間近に控えると政策も曖昧さが目立ってくる。憲法改正、TPP,原発再稼働問題では歯切れが悪い。野党は政権が取れるチャンスはないので大胆なことが言えるが政権与党はそうはいかない。
更にメデイアは「ねじれ国会」を解消し「決める政治」が出来るようになるかがポイントだという。
確かに、「決められる政治」、「前に進める政治」は民主党政権でも言われていたことだが、肝心なのは政権与党内が安定しているかどうか、政権を担う人材がいるかどうかだ。
連立政権を組めば良いではないかと言うが、考えの違う政党が政権に入りたい欲望から連立を組むことは御法度だ。何しろ訴える政策の内容が変わってきては有権者を裏切ったことになる。
自民、民主、公明、維新の会、みんな、共産、社民、生活、みどりの各党をみて「政策、政権運営を託せる政党はどの党か」を考えると、やっぱり自公と言うことになるのか。
安倍総理自身も政策を振り返り、第1次安倍政権では自分のやりたい政策を掲げて失敗したが、第2次安倍政権では政策を国民目線、国民がやってほしい政策に代えて成功したという。
参院選後の政策も「国民目線」を貫けるかどうかは疑問だろう。
圧倒的に優勢な自公連立政権を監視するためには「ねじれ国会」も最良の政治体制と思うのだが。
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