2013年7月3日水曜日

ネット選挙解禁:若者を政治に取り込み、投票率を上げることが出来るか

参議院議員通常選挙(選挙区)投票率
総務省選挙部 平成24年3月
ネット選挙解禁で本当に若者が政治を身近に感じ、投票所に行き投票率を上げることが出来るか。ネットでの行動と政治への参加とは別ではないかと思う。ネットで候補者の公約を確認し、質問や感想を記入するまでは良いが、懸念されている誹謗中傷は避けられず、ゴタゴタは続き後味の悪い結果に終わりそうだ。

ネットでの民意が獲得票には結びつかないのだ。過去の都知事選でネット上の民意を信じて立候補したが、思うような票が取れず落選した候補者が、ネットの民意は鵜呑みに出来ないと反省していた。

ところで、最近の衆参の議員選挙での投票率が低い印象があったので調べてみた。

総務省選挙部の平成24年3月の資料によると、衆院選では昭和~平成2年までは、投票率が70%を切ったのは4回あったが、それでも71~77%の投票率だ。それが平成5年からは60%を切ることもあったが60~70%の間だ。

それが、参院選ではもっと低い。昭和22年~平成元年までは60%を切ること3回あったが、61~75%だ。ところが平成4年からは55~60%で、平成7年には45%を切った。

衆議院議員総選挙(小選挙区)
総務省選挙部 平成24年3月
参議院選の方が、衆議院選に比べて投票率は10%低い。

年代別に平成22年の参院選の投票率を見ると、20~24歳で33%、25~29歳38%、30~34歳45%、35~39歳52%、45歳を過ぎると60%になり、65~69歳で最高の77%だった。

何故、若者の投票率が低いのか。

私自身も投票所に行くようになったのは就職し、結婚して26歳ぐらいからだ。それまでは政治には興味があったので新聞は取っていたし、学生時代は京都で知事は唯一の革新系知事の蜷川虎三さんだ。国に陳情などしたことがないと言っていたし、京都は共産党系の議員が多かった気がする。

仕事で赴任した群馬は、旧群馬3区で福田、中曽根、小渕の自民党総理経験者、社会党での委員長経験者がいた。当然のことながら興味は湧いた。中曽根さんは総理を目指していたとき、人気は今ひとつだった。候補者が集まる公開討論会では、「私が今、小渕さんに負けると、目がないんです」と聴衆に哀願していたのを思い出す。

その後、選挙区の調整で、今までとは異なる生活圏の町に併合されたために国会議員、候補者も一変した。自民党、共産党の候補者は出るが、他の党の候補者はそろわない。

当然に、選挙からは足が遠ざかった。選挙区割りは人数合わせだけではないのだ。

ところで、以前、新聞が若者を対象に調査したことがある。その時、「政治に参加したいが機会が無い」という意見が多かった。政治に参加する手段は投票することだが、平素からの参加する機会が狭いというのだ。

確かに、政治を志そうとすれば国会議員の事務所で仕事を手伝うことが良いのだろうが、それは一部の人間だ。「平素から政治に参加するにはどうすれば良いのか」ということになる。

それにしても今、政治は昔とは大きく違っている。

参院選は「政権選択の選挙ではない」とよく聞く。そして衆議院選の落選者、衆議院からの鞍替えなど政治家自身が参議院の価値を落としているのではないか。これでは投票率も上がらない。

そして、選挙予測の正確になってきた。選挙戦前の予測が結構合っているのだ。落選と見られていた候補者は必ず落選する。これでは、「もう決まっているんだから投票に行くことはない」と考える人もいるはずだ。

又、候補者にも事欠く状況らしい。手っ取り早く名の知れたタレント、芸能人、スポーツ選手、キャスターなどが候補に挙がる。握手をして名前を覚えてもらうことが第一なのだ。

格好良いことを言っても選挙区で「どぶ板選挙」をやらなければ当選しないのだ。

これが、ネット選挙に変わることが出来るのか。選対本部も大変だろうと想像は付く。

兎に角、投票率を70%以上に上げることだ。記したい候補者がいなければ、「白紙」で良い。「該当者が見当たらず」の意思表示にもなる。


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