米の量的緩和縮小懸念で市場は動揺:量的緩和は開始する時より止める時のほうが難しい?。量的緩和縮小に向け、市場もFRB・バーナンキ議長も動揺している。誰が言ったか忘れたが、「開始するときより止める時のタイミングが難しい」といった中央銀行関係者がいたが、その通りになった。
バーナンキ議長は、先に「今年の秋口から緩和縮小をはじめ、来年半ばまでに終了する」という見解を明らかにしたが、今、その修正発言をしている。
メディアの報道によると、「量的緩和は米国経済にとって未だ必要なのだ」と言い、市場の動揺の鎮静化に向かったというのだ。
大量の資金が市場、新興国に流れ、新興国の経済成長に貢献する政策に慣れ親しんだ今、それを止めることへの抵抗は各方面で強い。
米国も、雇用の改善を重視している。
就業者数を20万人にして、19万人を超えたから縮小を始めると言ったが、これでは回復力は弱いのだ。
クルーグマン教授は、クルーグマン・コラム(朝日新聞)で、20万人を目標に、19万人を超えたから縮小を始めてはダメで、30万人を目指すべきだとバーナンキ議長を批判した。
米国の失業率は一時9%あったが、今は7.5%ぐらいだろう。これを7%まで落とすというが、ほとんど無理ではないかとみている専門家もいる。確か6.5%を目指すといったこともあったのではなかろうか。
これが、「緩和策の縮小は景気回復の状況を見てから」と方針変更になったのではないか。ということはしばらくは量的緩和を継続するということだ。
そのうちに、バーナンキ議長の任期問題が出てくる。
確かに開始する時より、止める時のタイミングが難しい。
わが国でも先の国会で「2%物価目標」に対して、野党議員から「止める時は、2%を超えた時か、超える可能性が見えてきた時か」と質問した。安倍総理は「専門家に任せる」とは言ったが、「過去の日銀は早々と止めて、成果が出なかったことがあった」と日銀をけん制していた。
過去に金利上げに踏み切って失敗したときのことを言っているのだろう。
わが国も量的緩和縮小ではひと悶着あるだろう。慣れ親しんだ政策を変更するのであるから当然なのだが、政策を開始する時は止める時の条件をしっかり決めておくことも必要だ。そして政策がブレないことだ。
早く、金融政策も正常な状態に戻してほしいものだ。
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