2014年10月5日日曜日

日銀の円安容認?:「悪い経済循環」でも2%物価目標が達成出来ればいいというのか

日銀は今の円安傾向を容認すれば、「経済の悪循環」の様相を呈しても目標である「2%物価上昇を達成出来れば良い」と考えているのか。そんな勘ぐりも出来る3日の予算委員会での民主党・前原さんと日銀・黒田総裁の質疑だった。

新聞の報道によると、前原さんが今の1ドル110円台を付ける等、円安で推移している事に関しての質問に黒田総裁は「大企業の製造業では大きなプラス、非製造業ではマイナスと影響は異なるが実態と合った形で円安になれば全体としてはプラスだろう」という意味の円安容認発言だ。

中小企業、一般の国民にとってはマイナスになっても、大企業、富裕層などにプラスで有れば良いというのだ。

日銀の9月短観でも製造業の業況判断もプラス13で1ポイント改善されているが、非製造業ではプラス13だが6ポイント低下し、景気回復の動きは鈍い。

今のような円安による物価上昇は「経済の悪循環」と見られるが、物価が上昇し2%物価目標が達成出来れば良いとも聞こえる。

日銀は、今の物価上昇を単なる円安によるものではなく、量的・質的金融政策によるものと説明しており、あくまで「前向きな循環システム」を維持しているという。

15年の2%物価目標しか頭にないのだ。

更なる消費税増税の必要性も説き、景気後退の恐れがある場合は「何でもやる」となりふり構わない。

為替、株価は米国経済の動向で動きやすい。労働の質は分からないが労働統計では新規雇用者数が24万人を超え失業率も5.8%で6%を切った。量的緩和は終了し金融政策の正常化に向け利上げのタイミングを計っている。

どうしてもドル高、円安の傾向だ。

日銀もマネタリーベースは245兆円ぐらいで、目標の270兆円が近い。年間6070兆円の量的緩和を何時縮小していくのか。「出口戦略」が重要なテーマになるが、日銀に言わせると時期尚早なのだ。

経済界や購買力平価では105107円というが、このレベルは超えてしまった。可能性があるとすれば欧州経済の危機再来、イスラム過激派組織vs米国の激化による地政学リスクの高まりなどで日本が再び安全資産と思われるときだ。

でも、海外ファンドも信用できない。景気がどうあれ儲けを最大限にするために行動するだけで世界経済を混乱させる元凶なのだ。


政府は消費税増税で信用を落とし、日銀は、物価上昇、出口戦略で信用を落としては国民はたまったものではない。

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