2014年10月4日土曜日

安倍総理の「民主党政権批判」:総理としての「器が小さい」のだ

安倍総理の「器の小ささ」は過去の答弁でも分かっていたが、3日の衆院予算委員会で民主党の前原さんの質問に「民主党政権時はどうだった・・」と反論し、前原さんからそういう発言は「小さく見える。余り言わない方が良い」とクギを刺されたようだ(産経ニュース 2014.10.3)。

安倍総理は民主党の議員の質問に、よく民主党政権時のことに言及し自らの政策を肯定したり民主党を挑発している。

安倍総理再登板になって最初の予算委員会で前原さんがインフレターゲット、量的緩和について質問したときに「何故、民主党政権でやらなかったのか」と言う意味の答弁をしていたのを覚えている。

前原さんの肩を持つわけではないが、野田政権の末期、前原さんも政府を代表して日銀の政策決定会合などに出席し日銀にインフレターゲットの設定などを要求していたのだが、日銀は採用しなかった経緯がある。

産経ニュースによると、今回も安倍総理が経済政策を批判されたことに憤慨して発言したようだ。前原さんは民主党政権時、経済が腰折れしそうになった時に足を引っ張ったのは、当時野党だった自公両党だと反論したが、「もうお互いに止めよう」と言った。

読売新聞(2014.10.4)によると、前原さんはアベノミクスがうまく行っていない五つの大きな誤算を追求している。「円安でも輸出が伸びない」、「金融緩和をしても企業は内部留保に回す」、「実質賃金は減少している」、そして「もし消費税を上げなかったらアベノミクスはうまく行かなかったことになるのではないか」という。

安倍総理はこれに対して「円高基調が自民党が政権を取り戻すまで長い間続いたから、多くの企業は製造拠点を海外に移した」とか、「多くの企業が収益を上げているので賃金に転嫁されるようにしたい」という。

更に「経済は生き物なのでアベノミクスの失敗とか成功とは関係ない」とアベノミクスの評価に直接触れなかった。

代表質問、予算委員会あるいは党首討論でも総理は野党質問をうまく(?)かわしている。これは民主党が政権についていたときもそうだ。
野田総理(当時)と谷垣総裁(当時)との党首討論で野田総理にうまくかわされ、谷垣さんは質問に立ち往生、自民党席から「もっと突っ込め」と野次が飛んだこともある。

野党議員は国民に替わって質問し、総理は国民に直接説明する場ではないのか。それが一方通行の議論で平行線をたどり、逆に「民主党政権ではどうだったのか」と反論されてはたまったものではない。

安倍総理も批判されると敵対心丸出しの「器の小ささ」では長期政権は望めないし、野党の民主党も3年数ヶ月の政権を担った経験からその責を追求されることは仕方ないことだ。

お互いに「非は非として」活発な国会審議をやってほしいものだ。


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