2014年10月1日水曜日

かみ合わぬ代表質問:アベノミクス評価で経済指標の共有を

かみ合わぬ代表質問、アベノミクス評価では経済指標の共有化を。29日の安倍総理所信表明演説に続き30日代表質問が始まった。喫緊の課題である増税、安倍カラーと言われる憲法改正、安保法制等は影もなく、地方創生、成長戦略が主要テーマになってきたがアベノミクスの成果を経済指標でPRし、経済再生と財政再建を両立させ「経済の好循環」を確かなものにするという。

円安、株高効果で企業の業績も上向き有効求人数は1.10倍の高水準、平均2%の賃上げなど都市では成果らしく見える一方で、アベノミクスが波及していないこともあり、全国津々浦々まで景気回復の実感を届けるという。

しかし、政府がアベノミクスの成果を吹聴すればするほど消費税増税も絡んで消費は落ち込み円安による物価高と「経済の悪循環」の様相を呈している。

30日のテレビ朝日「報道ステーション」によると、代表質問で民主党の海江田代表は実質賃金指数を取り上げ昨年7月から一貫して対前年比でマイナスで7月にはマイナス1.7%だと、安倍総理に説明を求めた。

これに対して、安倍総理は今年の賃上げは過去15年間で最高となり、一人あたりの名目賃金に雇用者数を乗じた所得賃金である雇用者所得は昨年4月以降上昇基調であると反論した。

私たちの実感は海江田さんの言うとおりだが、総理は他の経済指標を使って応じた。

恐らく、安倍総理も海江田代表が言うように実質賃金はマイナスであることを知っているはずだが、自分の経済政策を肯定するためにプラスの成果となる経済指標を持ちだしたのだ。

こんなわけだから質疑はかみ合わない。

きちんとアベノミクスの成果を議論するには、経済指標を共有化する必要がある。

物価上昇分を差し引いた経済指標と賃上げを強調した経済指標では結果は異なる。それでいいと判断されては国民は困るのだ。

しかし、「今の物価上昇により、賃上げの上昇を実感しづらい環境にあること」まで否定はしなかった。

今後消費税増税10%に向け今の景気をどう見るかは重要な判断材料であるが消費税増税の決断は国会終了後となることに疑問がある。

安倍総理は、10%引き上げでは冷静な経済分析を行った上で、経済状況などを総合的に勘案しながら適切に判断すると言うが、政府、与野党ともに議論する場合は指標を共有化すべきではないか。






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