江ノ電 鎌倉高校前 2011.10.30撮影 |
江ノ電が土木学会の土木遺産選奨に決まったという。でも164カ所にのぼる「勝手踏切」が「安全対策」か「日常生活、津波対策」かで会社側と住民側で論争になっている。1902年(明治35年)に竣工した江ノ電も当時は住宅と道路の間に線路が敷設されたのだ。
土木遺産としては、歴史的土木構造物の保存が目的のようでダム、砂防堤、水門、トンネル、地下鉄、用水施設などが選奨され、鉄道施設では平成19年に最も勾配のきつい山岳を走る粘着式鉄道として箱根登山鉄道が指定された。
今回の江ノ電は、明治期の日本における鉄道聡明期の雰囲気を今に伝え地域密着型軌道として湘南の風景の一部になっているというのが理由だ。
ところが、大きな問題も抱えているのだ。所謂「勝手踏切」だ。
踏切らしくない線路を渡れば玄関先 2011.10.30 撮影 |
踏切施設もなく線路を跨いで玄関先、庭先に至る住宅が多く禁止されると日常生活、津波対策で大きな支障を来すというのだ。その勝手踏切の廃止が稲村ヶ崎駅近辺で始まり社会問題化している。
会社側は「安全対策」を掲げるが住民側は生活への支障、そして最近は津波時の避難経路確保を訴えている。ここは14mの津波が到達すると予測されている。
以前、TBSの「噂の東京マガジン」でも放送していたが、線路を敷くに当たっては庭先を提供したりした経緯があるようだ。それなのに急に「ダメ」では話が違うと言う。
民家の間を走る 2008.12.14 撮影 |
私も江ノ電沿線を歩いたことがあるが、民家の間をスレスレに近い状況で走ったり、踏切のようでそうではない線路を跨いでの民家の玄関先、喫茶店、街を横断する路面電車の様相には何故か哀愁を感じる。そういう風景に鎌倉の良さを感じている観光客は多いのではないか。
線路が先か、住宅が先か。
町中を横断する江ノ電 2008.12.14 撮影 |
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