今、必要なのは「財政出動から民間出動ではないか」と麻生財務相が言う。麻生財務相は時々良いことを言うのでテレビに映ると気をつけて聞いているのだが、25日夜の民間テレビニュースで「財政出動から民間出動へ」の重要性を主張していた。番組の前後がどうなってこう言う発言になったか、編集の意図は定かではないが聞くに値する発言だ。
確か、25日の株価も17,880円と300円以上の値上げになったが18000円を割り込んでいるし、FRBのイエレン議長は年内に利上げを考えている。と言うことは日本経済も景気の停滞と言うことになる。
そこで、景気対策と言うことになるのだが麻生財務相は「補正は考えていない。2014年度補正、15年度予算で好循環を生むことが大事」と例のごとくふんぞり返っての記者会見だった。
消費税10%への増税時の負担緩和策で財務省提案に対して公明党が軽減税率を求め対立、安倍総理も財務省案には拘らないと発言したことから麻生財務相にとっても大変な立場に置かれている。
消費者物価指数もマイナスになれば景気下支えで政府は財政出動を考えるだろうと思うのだが、麻生財務相は特段の予算化は考えていないようだ。
麻生財務相に言わせれば財政出動より民間出動、企業が投資行動に出ることが必要だと言うのだ。正論ではないか。
麻生財務相は更に、「法人税を安くしろ」というから下げたが企業の内部留保は356兆円になっているという。この前260兆円と言われていたのがもう100兆円も積み上がっているのだ。
日銀は量的緩和を続けるので長期金利は低水準を維持し、企業がカネを借りやすい状況にはあるが、内部留保が巨額なので借金してまで設備投資する必要はいはずだ。
それなりの需要があれば企業は投資するが、その需要が見あたらないというのだ。金利が安いから投資をするという考えは間違っている。
麻生財務相は以前、経済財政諮問会議でも量的緩和をするがカネは日銀の当座預金口座に貯まってそこから外に出ないのが問題である事を指摘していた。その時、民間議員が「その点もしっかり議論しましょう」と応えていたのを議事録から読んだことを覚えている。
必要以上に補正予算など組んで予算化すればそれは即、国の借金なのだ。少しは企業の業績も良くなり税収も増えているが、16年度予算は100兆円を超えている。
アベノミクスの「旧3本の矢」も成長戦略の面で折れかかり、今アベノミクスの第2ステージとして「新3本の矢」を放ち安倍総理は国民の目をそらそうとしているが「3本の矢」の言葉に惑わされてはいけない。
財政政策と成長戦略、国の借金1050兆円、対GDP比230%の実体経済を直視することだ。
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