2019年8月31日土曜日

米中貿易摩擦の結末(2):トランプ破産逃れ、その代わりアメリカ破産か

米中貿易摩擦が泥沼化し世界経済に減速傾向が出てきたが、トランプ大統領はどんな戦術を持っているのか。大統領になる前の経営者として、そして大統領になった後もトランプ大統領の戦術は変わっていないことから結末は、トランプ大統領は破産せず、代わりにアメリカが破産するという見方も出てくるのだ。

トランプ大統領が貿易のアンバランス解消のために中国に高関税のこぶしを振り上げ、すでに第4弾も予定されているが、習主席も負けじと高関税で応じる泥沼状態だ。

アメリカの経済減速に対してトランプ大統領はFRBパウエル議長に「利下げ」を要求、「長期に1%」を強要する。再任しないと首まで言及する。

今、アメリカに必要なのは金融政策ではなく、米中首脳会議であり、あたらしい大統領を選ぶことだ。

トランプ大統領の常套手段はけん制し相手側の譲歩を引き出すことであるが、今回の米中貿易摩擦は中国側もしぶとく対応している。トランプ大統領の思い通りにはいかないだろう。

ところが、今、トランプ大統領の戦術が「経営者として、そして大統領になってからも変わっていない」という指摘がされているのだ(毎日新聞2019.8.31 「経済観測 トランプ大統領の破産戦略」東短リサーチ・チーフエコノミスト 加藤出氏)。

それはプリンストン大 スチーブン・コトキン教授のフォーリン・アフェアーズリポートから引用している。

それによると、トランプ大統領は経営者として3500件の訴訟を起こし和解に持ち込めめなければ破産申請をした。会社は破産させたが、自身は破産を逃れているという。

これから考えるとトランプ大統領は破産せず、その代わりアメリカを破産させる戦術も持っているそうだ。

トランプ大統領がメンツにかけても中国と貿易戦争を継続する限りアメリカは破産するが、トランプ大統領が失敗を認め政策の見直しをすればアメリカ、否世界が破産から逃れられるのだ。


進まぬ安倍自民の憲法改正:「議論すべき」と「憲法改正」は別問題では


安倍総理が執念を燃やす憲法改正、「9条に自衛隊明記」がなぜか進まない。世論調査では「議論することを期待する」が68%と多数を占めるが、必要と想われる国会の憲法審査会が開催されないのだ。

野党の立場も分かれているが本音は、安倍総理が信じられないのだ。議論しようと憲法審査会に参加するが、議論も詰まないままに何回か開催後に議席数に物を言わせて、安倍自民が両院に「憲法改正の発議」を強行採決することを恐れているのだ。

だから安倍総理の下では憲法改正の審議はできないということになる。

先の参院選で自民党は始めて憲法改正を前面に出し「憲法改正を議論する政党か、議論しない政党か」を選択する選挙だと言い出した。今までの選挙では野党が「憲法改正反対」を争点にに戦ってきたが、逆に自民党は争点を隠し勝利してきた。野党は肩透かしを食らっていたのだ。

選挙結果は2/3は確保できなかったが自民党が勝ったことで「憲法改正の議論を進めろ」と有権者は判断したという。

だから憲法審査会を開いて議論しようというのだ。野党がなかなか同意しないと下村自民党憲法改正推進本部本部長は「議論しないのは職務怠慢」と野党を批判したために硬化し、開催が遠のいた。安倍総理が推進に側近を就任させたことが裏目に出た。

自民党の憲法改正推進本部の陣容がすごい。総勢50人で名の知れた人が含まれているがいわゆる「憲法族」といわれた人はメインからはずされた。

本部長 下村さん 安倍総理の側近だ。

最高顧問 1人、特別顧問1人、顧問12人 二階さん、今まで憲法改正に携わってきた船田さん、石破さん、ポスト安倍に名前が上がっている岸田さん、加藤さんらだ。

本部長代行 中谷さん
 
特別参与 2人

本部長代理 2人 うち新藤さんは筆頭幹事 本部長補佐 萩生田さん

副本部長 13人

事務総長 平沢さん 事務局長 1人 事務局次長4人

幹事13人

以上の体制だ。これでは誰がどういう役目を担っているのか分からない。先ほど萩生田さんが」憲法改正やるのであれば議長も推進をする人に変える」発言をして顰蹙を買ったが、萩生田さんは自民党幹事長代行として発言したのか、憲法改正推進本部の本部長補佐として発言したのか。背後には入閣を希望してのことだったのか。

どういう内容の憲法改正になるのか分からないが、自民党案では自衛隊明記(新条分)、緊急事態対応(新条文)、号区解消、教育改革が挙げられている。

安倍総理が言うように憲法9条に自衛隊を明記すれば「自衛隊違憲論」はなくなるのか。以前の自民党案では国防軍の新設だった。自民党内で整合性されているのか。

さらに憲法学者が指摘していたが、9条に1,2項をのこしたまま自衛隊を明記する改正では法理論として後の法が前の法を駆逐するという考えがあるそうだ。

それによると、9条に自衛隊明記する条文ができると1,2項は効力をなくすことになるらしい。こうなると安倍総理の願ってもないことではないか。

憲法改正の世論調査では「議論することを期待する」68%、「期待しない」24%、「こたえない」8%(平成30年12月17日 読売新聞)。さらにやってほしい政策のトップは雇用や経済で憲法改正は順位が低い。

国民民主は「議論する環境づくり」を主張すれば安倍政権は野党切り崩しにかかる。公明は「急ぐ必要はない」「審査会を開いたからと言って一気に改憲に流れるわけではない」という。

自民党、政権は憲法改正やっていないのは日本だけで、インドは103回、ドイツは62回、アメリカ6回、フランス27回、イタリア15回というパンフレットを配布している。改正の多い国の憲法は「たいしたこともない内容」が含まれているため日本の現憲法はよくできているのだ。

さらにGHQに押し付けられた憲法、独自の憲法制定を主張するが、これにも異論がある。GHQが関与しなかったらこれほどの民主憲法は制定できなかったのだ。引き揚げ船の中で新憲法を見せられて涙した戦争経験者は多い。

現憲法9条戦争放棄も当時の幣原総理が直接マッカーサーに進言したのだ。終戦を迎えこれからの日本が世界によって立つ立場は戦争放棄、軍備の不所持しかなかったという。

ところで、安倍総理は世界に向かってどういう日本を作ろうとしているのか。「新しい国つくり」をしっかり国民に説明すべきである。岸、安倍家の問題ではないのだ。

2019年8月30日金曜日

ジョンソン新首相、英議会閉会:これが議会制民主政治の模範国か


EU離脱で揉める英議会を新しく就任したジョンソン首相が1か月も閉会にし野党の「合意なき離脱」阻止する行動を封じる手段に出た。これによりEU離脱に対する国会審議が出来なくなる。残り1カ月では野党の国会手続きも困難になるらしい。

議会制民主主義政治の模範ともいわれる英国議会は、国を二分するEU離脱で混乱を増している。

日本だって他人事ではない。安倍総理だって野党の要求する国会開催を拒否し、開会した途端に解散総選挙に打って出た。更には安倍政権下で憲法改正を目論んでいる。まずは国民投票だが国を二分する大きな課題だ。やり方、判定によっては英国と同じ状況になりかねない。しっかり検証すべきだ。

そもそものつまずきは、十分な情報も与えないでEU離脱の是非を決める国民投票を実施、確か51:49という僅差でEU離脱が決まった。国民投票の多数決判断は難しい。当時の新聞に「やってしまった」という国民のコメントが載っていたのを思い出す。

最近読売新聞の「経済学×現代」でケインズの「美人投票」が載っていた。

「自分は本当はAと言う人がいいと思うが、他の人はBと言う人だろうと考え、Bに投票する」という理論だ。これからすると、「本当はEU残留がいいと思うが、他の人はEU離脱だから、今回はEU離脱に賛成しよう」という考えだ。だから「やってしまった」と言うことになる。自分の考えをしっかり主張すべきだったのだ。

この議会封じのジョンソン首相の判断を英国の専門家は「違法ではないが異常で不適切」と評する。普通1週間ぐらいの警戒だが1か月は長すぎるのだ。議会活動を封じる危険な賭けに出たのだ。

ゴタゴタする英議会でメイ前首相は「これでもか これでもか」と対応策を議会に提出したが拒否されどうしだった。

議会もおかしい。たとえ反対だろうが一度EU離脱が決まればそれにそう動きをしなければならない。

広域圏での経済統合は出来ても政治面では自国の主体性が失われる危険がある。これは我慢が出来ないことだろう。今後もEU離脱は続くだろう。

間違っていないか メデイアの作る小泉進次郎という政治家像、本当に総理候補か


小泉進次郎と言う政治家は将来の総理候補に値するのか。若手で人気ナンバーワンの政治家だが、それはメデイアが勝手に作り上げた政治家像であって、本当は2世、3世議員のご多分にもれずミーハー政治家ではないのか。

自民党に対しても辛口批判、街頭演説では聴衆を集める人寄せパンダよろしくタレント並みの集客力だ。有名人の姿見たさか。各メデイアの世論調査で4人の名前が挙がると小泉さんは30%で断トツの支持を受ける。小泉さんの名前が挙がっていない時でも「この中にはいない」が30%で暗に小泉支持を臭わす。メデイアが誘導する質問と思っていても大したものだ。

何時から小泉さんがポスト安倍の名前に上がってきたのか知らないが、派閥の長でもなく、実績も乏しい人間が候補に挙がることに不思議な感がしていた。

一度、衆議院の予算委員会で質問に立った時のことをテレビで聞いたりや新聞で読んでみたがヨイショ発言で、切れ味鋭い質問とは程遠かったことを思い出す。メデイアも「ガス抜きしたのだろう」と評した。何をしゃべってもいい街頭では聴衆をひきつける話をするが、正式な場ではトーンが落ちる。

自民党も人気のある小泉さんを主要な仕事に着かせようとする。確か農林部会長の時、農協改革を取り上げたが何ら方針は出ず「農協自身で改革を」ということだったと思う。これじゃ誰がなったって変わらないではないかと思ったほどだ。

安倍総理とは距離を置き総裁選でも石破支持で有名だった。メデイアもその話を頻繁に流す。先の総裁選ではメデイアや石破グループでは小泉支持を期待するがなかなか表明しない。その理由に「自分が支持を表明すると若い人に影響が大きいから」と言うのだ。いかにも自分の発言、行動が大きく影響を与えると信じ切っていた。思い上がりだがメデイアの影響でその通りなのだ。

ところが最近、結婚したそうだ。おまけに妊娠しているという。巷で有名タレントが結婚記者会見を開くときに必ず「妊娠」の話がつく。「できちゃった婚」がはやるが小泉さんも同じなのだ。公的立場にある議員が「出来ちゃった婚」で恥ずかしくないのか。
それが驚いたことに官邸での記者会見となった。菅官房長官に報告したそうだ。

極秘裏に遊んでいたつもりだったが、官邸に事実を握られた。内閣調査室でも動いたのだろう。今まで安倍総理とは距離をとっていたが安倍、菅の軍門に下ったことになる。

小泉さんが官邸寄りになるとに安倍政権の人気も上がるというわけだ。御祝儀出入閣の噂もあるが本当か。

ところが週刊文春95日号で小泉さんの政治活動、私生活の暴露記事が出た。いわゆる「文春砲」だ。 内容を読むとほとんどが小泉さんにとってはマイナスイメージでメデイアに登場する姿から日夜政治に励んでいると思っていたが逆で、女子アナたちと合コンで遊ぶまくっていたのではないか。滝川クリステルさんとの結婚もその一環だったのだ。

2世、3世議員は親から引き継いだ強固な地盤、看板があるので何の心配もない。結婚発表の記者会見で「今まで鎧を着て寝ていたが、この人の前では鎧が脱げる」と言っていたが何のことか。国会銀は常在戦場で「何かあった時のことを考え常に戦闘態勢であった」が今後は「裸で寝れる」と言うことか。

週刊文春は噂通りの「文春砲」だ。なんとなく小泉人気に疑問を感じていたが「やっぱり」の感がする。大手全国紙にばかり頼っていると政治家の間違った人物像に行きあたる。メデイアも新聞を売るために何か売り物が必要なのだろうが、勝手は政治家像をつくってもらっては困る。

応援演説で聴衆が集まるのは有名人見たさだ。政権の人気取りではなく、しっかり政治に腰をおろし復興相あたりから勉強し実力をつけて総理の座を狙ってほしい。

メデイアがつくり上げた政治家像に酔っていてはだめだ。

2019年8月29日木曜日

今日の新聞を読んで(286):高齢者ドライバーにアクセル、ブレーキ操作など実技試験導入


望むところだ高齢ドライバーにアクセル、ブレーキの操作など実技試験の導入を警察庁が検討すると言う。運転技術を調べる実車試験でテストし課題があるドライバーには「限定免許」を与えると言うのだ。ドイツ、スイス、オランダでは導入されているが、日本でも21年度に創設すると言う。

願ってもないことだ。毎日酷い交通事故が発生死傷者まで出しているが、多くの場合高齢者による事故で「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と言う。

こういった事故が起きるたびに75歳以上の高齢者講習に疑問が出る。認知テストをやった後で点数により実技講習の値段が5000円と7000円にわかれる。

認知テストは一般の認知症患者のテストのように4枚ぐらいの紙に4種類別の物の名称が描かれているのを見せられる。たとえば家具―タンス、楽器ーバイオリン、野菜―キャベツと言う風に分類して覚える必要がある。

後で思い出すテストがあるが、その間に他の講義がある。一生懸命聞くとさっきの事を忘れるのだ。テストは分類ごとに品物の名称を書く。全部で16種類ぐらいか。普通の人だと9種類ぐらいは思い出すらしい。

野菜―キャベツなどを覚えていて何の役に立つのかと疑問に思う。

車の運転なんだから交通KYシートでどんな危険が潜んでいるか、摘出するテストの方がもっと効果があると思う。指摘数の少ない人は安全確認を怠っているのだ。

危険予知能力が落ちているのだ。間違った人には間違いを正すことが大事だ。

現行の実技試験もどうかと思う。路上のコースを指導員が何番と何番の間を右、左、車庫入れ、コンクリートの段差を乗り越えてすぐにブレーキをかけるなどがテストされる。

実際に酷い運転に遭遇した。信号無視、右側車線走行をやった。指導員は「右側を走っているぞ」と指摘すると運転者は「あがって何もできない」とぼやく。この人一体どうなたんだろうか。

新聞報道(日本経済新聞 2019.8.29電子版)によるとアクセル、ブレーキ操作など運転技術を調べるために実車テストを導入するらしい。路上テストは願ってもないが、コース上でのテストはどうなるのか。ほとんどはいろんな状況下で焦って判断を誤り操作ミスを起こすのだろうが、コース上ではどう設定するのか。

新聞報道では75歳以上は今、563万人、来年は600万人になるらしい。死亡事故は18年度460件、全体の約15%だと言う。

死亡事故原因は警察庁調べで
操作ミス、踏み込み間違い 34%
まんぜん運転       19%
安全不確認        15%
わき見           8%
判断誤り          7%

高齢者でなくても起きやすい原因だ。「高齢者、高齢者・・・」と言うから若者は大丈夫と勘違いしていないか。「あおり運転」だって一歩間違えれば重大事故だ。厳罰にできるよう法改正すると言う。加害者の言い訳は「運転の邪魔になる」と言うのがあるようだが、運転マナーの問題もある。

走行車線を走るのが基本で、追い越し車線は追い越す時に走るのだ。追い越し車線を走っていて後続車に本線側から追い越されるのに頭にくる運転者もいる。追い越し車線を走っていると後続車が右側のウインカーで「追い越すぞ」と警告する場合がある。私も高速道を走る時は後続車に注意するがいつの間にか急接近する車に遭遇する時がある。「どこから来たのか」と不思議に思う。

高速道では本線側走行が基本だ。渋滞している時は本線側を走る方が目的地に早く着くと言う実験データもあるし、標識に「渋滞は追い越し車線から始まる」とある。

全車が一定の速度で走っていれば渋滞は起きないが、追い越し車線のようにスピードを上げたり下げたりする乱暴な運転をすると、車間距離が縮んで危険を感じ後続車がブレーキを踏むとそれがさらに後続に伝わり渋滞が起きるのだ。

話はそれたが、何歳になったら免許返納などと言う意見もあるが、それでは生活に困ることもある。高齢者には操作ミスをテストする機会を増やして対応すべきではないか。認知テストの問題ではない。




どうなる9月の内閣改造、党人事:安倍政権の罪と罰、そして「安定かつ挑戦」とは


安倍政権の長期化は本当に良かったのか。お友達内閣と言われても麻生、菅、二階さんらがその基盤を築いたという。9月の内閣改造と党人事、安倍総理は「挑戦と安定」と言うがどんな政権ができるのか。

6年にわたる長期政権も不祥事発生でもメデイアに圧力をかけ威嚇し、官僚の忖度で切り抜けた。内閣人事制度の悪用が大きく貢献している。

一番の汚点は安倍総理夫妻による森友問題だ。憲政史上まれにみる疑惑事件だが、行くつく先は民主政治の根幹を揺るがす結果になり、未だ国民は総理の説明を信じていない。長年の親友が固い岩盤規制に風穴を空けるはずだった加計学園の新獣医学部問題も問題を残したまま開学した。

森友問題では国有地を格安で払い下げたり、交渉経過を保管するはずの財務省の公文書も捏造、廃棄し、関係する担当者は忖度し、公正公明な行政、民主政治の根幹を揺るがす事件に発展した。

その財務省にあって責任を取るべき麻生大臣は国会の答弁も担当局長にまかせたまま「我関せず」の姿勢だ。失言、上から目線の発言は顰蹙を買うが、本人は一向に反省せず。財務相の座に座り続けた。

今回の内閣改造は更迭のチャンスだ。副総理に祭り上げる手もある。

消費税増税は今のところ安倍総理は実施するだろう。景気後退もささやかれるが社会保障制度の維持には必要かもしれない。

強面で政権を揺さぶる不祥事が発生するとすかさず手を打つ官房長官のやり方は、国会での真相究明の障害になっているし、官邸記者クラブでのテレビ東京記者との確執は報道の自由、知る権利侵害にもあたる。メデイアに対する圧力は計り知れない。ニューヨークタイムズ紙も批判記事を掲載した。

政権の維持には必要だろうが国民にとっては首をかしげたくなる存在だ。政権のイメージチェンジには更迭だ。若手で安倍総理の信任も厚いと言われる萩生田さんも候補だろうが何か胡散臭い人材だ。

自民党の幹事長である二階さんはどうなるのか。長期化する安倍政権の礎を築く。安倍3選から安倍4選を言いだした。安定した政権を望んでいるのだろう。何かミエミエの感じだが、政府に対して言うべきことは言う人材だ。
東京都知事選では小池さんを推しているが、都連は独自候補を立てるつもりらしいが人材がいない。二階さんは80歳を超える年齢でもあるが、親中派だ。中国にしょっちゅう行っているが日中関係にどう影響しているのか。中国とは利権をともにした噂がある。

政調会長の岸田さんはポスト安倍で名前が挙がるが禅譲を狙っているようで果敢に総理の座を取りに行く姿が見えないとメデイアは評する。特に問題になっているのが先の参院選で自派の候補者4人が落選したことだ。その中に岸田派の重鎮がいた。広島選挙区は2人当選をねらい官邸がもう一人候補者をねじ込みその候補者が当選したのだ。岸田さんはメンツ丸つぶれの感じで「選挙の顔」ではないという評価につながった。

宏池会の再興を狙って麻生派との関係も大事だがどうなるか。こんな状態では岸田派と合流することにメリットを見いだせないと見られているかもしれない。それでも酷い保守政治の後だ。ここはリベラル政治で国民の信を取り戻すにはいいチャンスかもしれない。

岸田さんの幹事長狙いは本音かもしれない。

総理候補と自認はするが世論調査では期待されていない河野外相はどうか。1年のうち1か月を飛行機の中と言うほど外遊が多いが成果が上がっているとは思えない。おまけに外相専用機を要求するときた。無役の時は無駄使い排除に力を入れておいたが、入閣すると考えが変わってしまった。

外遊の多いことからスタンプラリーと揶揄されていたが成果が見えてこない。ここは更迭か。

茂木経済財政担当相の仕事が目立っている。勿論日米貿易交渉もあるし経済財政諮問会議での経済のかじ取りだ。政策の継続性を求めるなら国会審議を考えて茂木大臣は継投だろうが、そうもいかないのだ。

日米貿易交渉は次の国会で、その経緯を野党から追及される。交渉過程で公表したくないことはたくさんあるだろう。トランプ大統領が「原則合意」「ほぼ満足」と言っているのだから安倍総理は相当譲歩しているはずだ。トランプ大統領が喜んだトウモロコシの大量輸入も、中国が約束を破って輸入をしなかった分を日本が肩代わりしたのだ。

安倍総理は茂木さんを更迭することは考えられる。TPPのときにも国会審議では交渉に当たっていなかった石原さんを担当相にあて国会審議に対応した。案の定、野党の追及に「交渉事は相手のいることなので公表を差し控える」「提案したTPP案について質問してほしい」の1点張りで交渉経緯を隠し続けたこともある。

今回もすげ替えて詳細を説明しない方法をとるのではないか。

総務会長の加藤さんはどうか。注目を集めているが安倍さんとの出会いは、加藤六月さんの娘婿で義母が安倍さんの母上と懇意だった関係もあり「加藤をよろしく」とお願いされたのがきっかけで仕事の関係ではない。今は側近として重用されているがポスト安倍はどうか。本人はその気もあるらしいが派閥も違い。

小泉進次郎さんは若手のホープでメデイアも騒ぐので世論調査などではポスト安倍として30%の支持で他の人を圧倒しているが、本当に総理の器か。結婚を機に入閣のご祝儀もあると見られている。

そもそも官邸で結婚の報告をしたこと自体がおかしい。安倍総理、菅官房長官とは距離を置いた石破さん支持だったが、内閣調査室に妊娠、結婚の事実をつかまされ安倍官邸の軍門に下ったのではないか。

今までの発言を見てもどうでもいい事は国民目線で発言し自民党を批判し人気を得るが、憲法改正とかイージスアショアなど国を二分することには触れていない。今回の参院選でも秋田選挙区での応援も一言も触れず記者の質問も無視したようだ。

メデイアが言うほどポスト安倍ではない。永田町は世代交代に敏感だ。一気に若造などあり得ない。

女性登用でどんな人材が出てくるのか。

安倍政権は何時も女性でサプライズをやってのける(?)。将来の総理候補と言うが小渕さんでは失敗した。竹下派では候補者に不足し小淵さんの名前があげられる。でも小淵さんは大きなスキャンダルがあった。

政治資金で疑惑が出、現役の長野原町長が「姫は何も知らない。私が責任をとる」と言って辞職した。私もこの事件は群馬県政を揺るがす重大な疑惑事件になると思っていた。東京地検特捜部も事件発覚から1週間という異例の速さで家宅捜索に移ったが、証拠となるパソコンに保管されている資料はHDにドリルで穴をあけ廃棄され復元することが無理だった。

本人は「分からないことばかり」と議員を辞職したが、直後の衆院選で当選し禊を済ませた感じだ。重要閣僚として経済産業相に着いたこともあるが、国会審議は官僚の作製したペーパーの棒読みで自分の意見は言わなかった。その程度の人材だ。周りが騒ぎすぎる。特に女性総理と言うことになると騒がしくなる。

他の女性大臣も政治資金で責任をとり辞職した例が多い。今回は国会の内閣不信任案決議で野党を罵倒した反対演説をした三原じゅん子さんらの名前が挙がっているが大丈夫か。

厚生労働大臣の根本さんも更迭だろう。厚労省は不祥事が多すぎる。重要な政策を抱えながら旧態然としたやり方は問題だ。統計資料の使い方を誤って政策を立案するが、最終的には影響ないという。

安倍総理の最側近の一人である萩生田さんはどうなるか。先には憲法改正で推進するには大島議長を変えることも必要だと発言し顰蹙を買っていた。幹事長とか官房長官とかが考えられるが胡散臭い人材だ。

大臣待機組が60人いると聞いたことがある。当選回数で入閣できるらしいが、当選回数が11回でも入閣を拒む議員もいる。噂ではスキャンダルが公になることを回避しているらしい。身体検査でOKを確認するらしいが、派閥の実力者から強引に促されると身体検査不十分で入閣し、満足な答弁もできない者もいるし、小泉内閣では多額の献金団体が推す議員を法務大臣にしロクな答弁も出来ず政務官が変わって答弁した例もある。

長期政権になれば内閣改造を繰り返すことになるが、人材に事欠くのか、安倍総理との個人的関係で登用されない例もあるのだ。刃向かうと干されるのだ。それほど了見の狭い総理なのだ。

石破さんはポスト安倍で一番の人気だが、永田町では人気がない。一時自民党を離党した過去を問題にする人もいるがどうなるのか。地方では人気があると言われているが先の参院選では応援依頼が少なかったという。

安倍さんにとっては最後の内閣改造、党人事だ。「安定と挑戦」を謳っているが安倍総理の言うことは言動不一致で信用できない。挑戦する内閣など構築できようがない。


2019年8月28日水曜日

世界経済減速(2):今、アメリカに必要なのは金融政策ではなく新しい大統領だ

泥沼化していく米中貿易摩擦に起因する世界経済の減速に対応するために中央銀行の金融政策、「利下げ」「緩和への逆行」が要求されているが、今必要なのは金融政策ではなく、トランプ大統領の政策見直しあるいは新しい大統領を選ぶことではないか。

中央銀行の仕事は雇用と物価の安定を旨とする。今、アメリカの経済状況は好調で、だれが見てもFRBに「利下げ」を強要したり、FRBが「利下げ」に悩んだりする段階ではないと思うが、トランプ大統領の米中貿易摩擦での高関税の掛け合いがエスカレートし泥沼化だ。

トランプ大統領対中貿易大赤字解消に振り上げたこぶしをどこに下すのか、「自分の頭」か。一方の習主席はどうしていいかわからない状況下で「次の大統領選までの時間稼ぎ」か。

恐らく高関税の掛け合いは米中ばかりでなく、世界経済にも大きな影響がありうまくいくはずがないことはわかるはずだ。

そんな時朝日新聞(2019.8.28)「通商摩擦に悩むFRB 米経済の状況を2氏に聞く」という記事が目に留まった。

ジェイソン・ファーマン ハーバード大教授は、追加利下げも証拠に基づいて判断すべきで推測ではダメだ。FRBは独立性を維持し様子見を続けてはどうかという。金融性sカウには限界があり財政政策が大事だとも(オバマ政権の時の大統領経済諮問委員会委員長)。

もう一人のアラン・ブラインダー・プリンストン大教授は、7月の利下げは必要なかった。っタン景気後退のサインが出れば大幅な利下げをすべきだが今はその段階ではない。問題はトランプ大統領自身で通商摩擦で市場は知人でいる。良い方法は新しい大統領を選ぶことだという(元FRB副議長)。

今回の世界経済の減速の要因はトランプ大統領が打ち出した米中貿易摩擦だ。金融政策より米中首脳会談、新しい大統領を選ぶことではないか。

関連記事
2019.8.25掲載
米中経済戦争の結末?:トランプは振り上げたこぶしを「自分の頭」に、習主席は「時間稼ぎ」か
yamotojapan.blogspot.com/2019/08/blog-post_67.html

2019.8.24掲載
世界経済減速:トランプ大統領よ 追加利下げで対応する経済状況ではない
yamotojapan.blogspot.com/2019/08/blog-post_98.html

2019.8.5掲載
世界を混乱させる元凶トランプ大統領はいつ自覚するのか、大統領選に負けた時か
yamotojapan.blogspot.com/2019/08/blog-post_13.html


G7サミットの行方(2):来年のG7マイアミ・サミットが正念場か


今回のG7サミットはマクロン大統領の薄氷を踏む運営だったことがメデイアの報道で知ることができるが、その要因はトランプ大統領の「保護主義」「多国間から二国間」がはびこったがG7に対する否定的発言も見られた。来年のマイアミ・サミットでトランプ大統領が議長だ。

どのようにまとめようとしているのか。トランプ大統領のやり方によっては正念場になる。

それには、大統領選でのトランプ大統領の立場が関係するのではないか。サミット開催日と大統領選がどうからんでくるかだ。トランプ大統領が不利で民主党政権の可能性があればG7サミットは温存しなければならないが、トランプ大統領が有利であればG7潰しの可能性もある。

当事者不在、トランプ大統領の顔色をうかがいながらのG7サミット、ドイツのメルケル首相、イタリアの首相の求心力低下、「首脳宣言なし」と言いながらも最後は1枚だが宣言書を作成し議長国としてマクロン大統領は体裁を保った感じだ。

多くの問題を抱えながらトランプの「保護主義」「多国間交渉から二国間交渉」重用に振り回され個別会談が重視されサミットの全体会議の存在は希薄だ。

制裁を受けG7メンバーを外されたロシアをトランプ大統領は復活させようと提案したが、他国の首脳は反対した。時期尚早だが来年も提起するらしい。その背後には自らにかかった「ロシアンゲート事件」が一応の終結(?)を受けたことで大統領選で無実を主張したいためではないか。

今回のサミットで一番の重要課題は「米中貿易摩擦」だろうが首脳宣言にも何の記述もない。議論になればトランプ大統領は拒否するだろうし肝心の中国がメンバーではない。首脳会談でも実施されていれば様子も違ってくるだろうが「G20で」と言うことになるのか。

日本ではある程度詳細に報告されているが海外メデイアはどう報道しているのか。

日米貿易交渉に向けた首脳会談が注目だったが、「大筋合意」「頂点が見えてきた」と茂木さんは交渉過程でコメントしていたが、「原則合意」に終わったらしい。農産物、工業製品は一応まとまったらしいが、自動車に関しては「火種」を抱えたまま、今後もひと波乱あるようだ。トランプ大統領が「やると言えばやる」と言う。

メデイアはG7サミットの存在感の希薄さを記事にするが、来年はアメリカでのマイアミ・サミットだ。大統領選と関連しトランプ大統領の発言に注目だ。


2019年8月27日火曜日

G7の行方(1)?:ビアリッツG7サミットで何が議論されたのか


多国間で問題を共有し解決を目指すはずのG7サミットであるはずだったが、相変わらずトランプ大統領の「自国第一」に振り回され、世界が進むべき経済の「持続可能性」、政治課題の「多様性」に一歩でも踏み込んだのだろうか。

新聞報道では多国間交渉より二国間交渉を重んずるトランプ流外交は各国の個別会談を重視、全体会議での成果は期待できず「首脳宣言」も早々と議長国であるマクロン大統領は放棄したが、急遽たった1枚ではあるが「共同宣言」を作り上げた。

しかし全体に個別会談が目を引いた。日米貿易交渉ではトランプ大統領も原則論で満足したのかトランプ、安倍の共同記者会見までやってしまった。しかしその細部は9月の首脳会談まで継続審議なのだ。

今一番世界が注目する米中貿易摩擦では肝心の中国がメンバーでないために首脳会談も開かれず紛争はエスカレートするままだ。

今世界に共通する課題は、グローバリゼーションの見直し、アフリカ諸国、中南米諸国の独裁圧制政権による難民移民問題、そして何かあると米:ロシア、中国の構図は何の解決策にもならない。

グローバリゼーションは自由経済圏の構築、米国流経営が世界を席巻し巨大企業を生んだが、貿易の不均衡、格差拡大、政策に阻害されていた国民が立ち上がりポピュリズム政党の台頭となった。

トランプ大統領は対中貿易赤字で米国の利益を中国に持っていかれたという。米国民の格差拡大、失業、産業の衰退対策で中国に高関税をかける米中貿易摩擦を生み出した。中国も高関税に高関税で対応、米中関係は泥沼化し、いまや世界経済の減速をもたらす事態にまでなってきた。

各国も国内経済、景気減速リスクに対応するために中央銀行は「利下げ」、「金融緩和策」に逆行するが金融政策で今の経済に対応することは無理だ。

米中首脳会談が必要であるがG7には中国が入っていない。これでは解決の糸口は見えない。

グローバル化の代表的成果はEU圏の構築だろうが、貿易面はいいとしても政治面で問題をさらけ出した。加盟国自体の主体性が失われ、国内景気対策もままならず、財政出動もEUから財政再建を要求される。緊縮財政に対して国民の不満は高まった。

英国のEU離脱は国が主体性を失ったこと、統治の二重構造への国民の怒りだった。

そしてアフリカ諸国からの難民の受け入れにも加盟国の考えはまちまちでドイツのメルケル首相は連帯政権がうまくいかず求心力を失い辞任が近い。

また政策から阻害されてきた国民が立ち上がりポピュリズム政党の台頭は既成政党と連立政権を組むほどになったが、協調が崩れると連立政権も崩壊し首相が失脚する事態にもなる。イタリアの首相がそうだが、今回は出席していた。G7メンバー国では初めての事態だ。

英国の離脱は、それに続く加盟国も出てくる危険があり、マクロン大統領はEU改革を打ち出しているがマクロン大統領自身の支持率も下落しているという。

アフリカや中南米新興国での独裁政権による圧制は、国民を生活苦に追い込んでまで何を求めているのか。自国民が難民となって他国へ脱出する姿をどう見ているのか。

独裁政権に対抗する政治グループをアメリカが支援すると、それに対抗してロシア、中国が現政権に肩入れする。民主政治:共産主義の構図だ。これでは解決できない。

国連安保理常任理事国も国際紛争の解決ができないのは常に米:中国、ロシアの構図があり主導権争いをしているのだ。悪いことにクリミア問題はロシア、東シナ海、南シナ海での近隣諸国との争いは中国、紛争の当事者が常任理事国ではどうしようもない。

だから、先進国での協調路線をアメリカが乱すことは、そこの隙間をついて中国、ロシアが楔を打ち込むのだ。

ロシアはクリミア問題で経済制裁を受け、国内経済は停滞、プーチン大統領の任期も落ちているが、中国の習首席の人気は高く、カネに物を言わせての強引は経済援助は「債務のわな」問題になり、今回のサミットでも世界標準ルールの適用が話されている。

トランプ大統領は次回からロシアを復帰させようとしているが、むしろ中国が加わるべきではないか。中国抜きの世界の安全保障はありえない。

トランプ大統領も二国間交渉を優先するが、アメリカは従来「同盟国」の支持の上に主導権を行使できていたが、今は同盟国関係をなんとも思っていないのか。 

NATO、在日米軍、在韓米軍などへの軍事費の負担増を要求している。フランスのマクロン大統領は、欧州で独自の軍を作るといってトランプ大統領から批判を受けている。日本も年間多額の負担をしているがトランプ大統領は在日米軍の意義を誤解している。何も日本の安全保障のためだけに存在しているのではないのだ。アメリカにとっても意義は大きいのだ。

二国間交渉はデイールしやすく、けん制し、相手方から譲歩をえることは容易かもしれないがグローバル化を見直すといっても多国間での交渉は世界の問題を解決するには基本である。

トランプ大統領が何時、自分の考えが間違っていたかを悟るか。来年のG7マイアミ・サミットか。




2019年8月26日月曜日

何故、図に乗る金委員長の弾道ミサイル連続発射


何故、国連安保理決議違反と思われる弾道ミサイルの発射を金委員長は繰り返し、トランプ大統領は「短距離弾道弾ミサイルは話に乗っていない」「心配することはない」と平静をよそえるのか。

トランプ大統領こそ、北の「非核化」「核ミサイル開発放棄」などできるとは思っていないが、2人の関係だけ何とか維持しよう、2人の友好関係こそトランプ大統領の財産と思っているのではないか。

だから金委員長が無謀なことをやってもトランプ大統領は「美しい手紙をもらった」と言い続ける。2人だけに何か特別な約束事があるのか。

新聞報道によると、北はいろんな種類の弾道弾を開発し持っているようだ。

超大型ロケット砲、大口径操縦ロケット砲、短距離弾道ミサイル、戦略戦術兵器の開発、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は米国への挑発という。平気の内容がわかっていなくても、誰が見ても国連安保理決議違反と思えるのだがトランプ大統領は見方が違うのだ。

トランプ大統領にとっては米国に脅威とならない限り問題視しないのか。一方で、トランプ政権内では国連安保理決議違反とポンペオ国務大臣らは言及する。

こんなことでは、トランプ大統領に「非核化」「核ミサイル開発放棄」の交渉を任すことはできないのではないか。

トランプ大統領が一人、金委員長との仲を潰さないようにしているだけで、自分が一番の交渉相手、一番信頼されていると思っているのか。

トランプ大統領にとってはこのような状態が好ましいこともある。北が騒げば安部政権は北の脅威をあおる。すると米国の高額な兵器が売れる。米国の軍需産業が潤う。古い兵器を高額で日本に売り込み新しい兵器の開発をする。

日本の軍事費は5兆円を超えた。役に立つかどうかわからないイージス艦、イージスアショアは国内の設置場所でもめている。

日米韓による北の監視体制も勧告が日韓軍事情報包括保護協定GSOMIAを破棄し日本、韓国、アメリカがごたごたしてきたことで金委員長は高笑いだろう。今回のミサイル発射ではいち早く日本が発射事実を公表した。「何も韓国からの情報に頼っていない」と言いたげだが、一方で韓国も「日本からの重要な情報は今までなかった」と応じた。

日韓関係の「こじれ」は金委員長にしてみれば制裁破りのチャンスだ。アメリカ、IAEAの報告によると北は核開発を継続しているという。寧辺の核施設の破壊は世界へ対する「非核化」の一端をPRしただけで北の計画に微塵の狂いもないのだ。

米朝会談が思うように進まず、トランプ大統領が大統領選に負けるものならどういう展開が想像できるか。

来年はアメリカでG7サミット:トランプ大統領は議長国としてどう主導するのか


フランス・ビアリッツでのG7サミットが終わろうとしている。予想された通り米と欧州勢の溝は深く、トランプ大統領も従来の姿勢を変えず全体会議は成果が見られなかった。注目の米中貿易摩擦による世界経済減速でも財政出動には温度差もあり世界経済の安定、世界が抱える課題解決を図るG7の存在感は薄い。

ところが来年のG7はアメリカ開催だ。今までビジターとして好き勝手な振る舞いだったが、今度はホスト国としてかじ取りが必要になる。好き勝手なことをやっていてはいけない。難しい課題にどう対応していくか、その能力が確かめられる。

日米首脳会談など2国間の個別会談の内容は報道で分かるが、肝心の全体会議がどうだったのか、メデイアの報道から拾ってみた。

トランプ大統領はロシアのG7への復帰を望んでいたが、議論はするも結論は出なかったようだ。ウクライナ問題で経済制裁も受けている。時期尚早と言うことらしい。G7のメンバーが自ら紛争国の当事者になること自体が問題だ。

イランの核保有は認めないという。何やら急遽イランの外相が訪仏し会談したらしい。

問題の米中貿易摩擦での関税の掛け合いで世界経済が減速に向かうが景気対策として財政出動の考え方もあるが各国で温度差があるらしい。必要に応じて機能的且つ万全な対策を立てると通り一遍の内容だ。

トランプ大統領は「国家非常事態宣言」を考えていると言うからなにおかいわんやだ。

安倍総理との首脳会談でも説得したそうだがトランプ大統領の姿勢は変わらない。そうだろう、ここで考えを変えると大統領選にも影響するのだ。

ホルムズ海峡の安全保障も議題にならなかったという。アメリカ主導の「有志連合」への欧州勢の参加も期待できない。日本を含め別の形での対応になるらしい。

気候変動、格差拡大もマクロン大統領は議題にしたかっただろうが、トランプ大統領は「パリ協定」から離脱している。

アマゾンでの森林火災は大きな事件だ。どこの国も反対はないだろう。乱開発で世界に森林が減少し地球温暖化対策でも問題だ。

英のEU離脱は首脳会談で米国は支持したようだが、フランスやドイツにとってはEU崩壊は避けなければならない。おまけにEU委員長も参加している。

日米貿易交渉が問題になる安倍―トランプ首脳会談はどうだったのか。

2回も会談をやったと言うから、交渉も難しかったのだろうと想像したが本当は2回目の会談は合意文書の確認だったという。合意文書の確認をしなければならなかったということは、やっぱり大変だったのだ。

閣僚協議の通りで「原則合意」らしい。でも大統領選への動き次第ではトランプ大統領のことだから何を言い出すかわからない。米中でうまくいかなければ日米にとばっちりが来る。日本はなんでも言うことを聞くのだ。

農産物や工業製品では大筋合意だが自動車は「変更なし」らしいが数量規制が検討されると言う。牛肉、豚肉はTPP以上は譲歩せず、トウモロコシの輸入を増やすと言うが、中国が輸入しないので日本が売れ残りを買い入れることになったらしい。

会談内容の詳細は分かららず国会審議で明らかにされるだろうが、TPPの時は交渉過程については政府は説明を拒んだ。相手方のいることでノーコメントだった。提出したTPP案で質疑をするというのだった。

だから今回も詳細な交渉過程は分からないだろうが、日本政府は隠してもアメリカ政府、トランプ大統領のツイッタ―で暴露されるかもしれない。

さて、G7の存在感が薄れてきている状況下で、来年はアメリカでの開催だ。「出たくない。時間の無駄だ」と言っていたトランプ大統領がどう出てくるか。