2023年3月11日土曜日

日銀・黒田総裁の10年:支え続けた財政ファイナンス、政策を転換するタイミングを失うか

 「2%、2年」の目標を栗田総裁は続けたが、状況の判断ができず、政策転換のタイミングを失ったのか、それとも異次元の量的緩和を強力に進めようとする安倍総理に日銀の主体性を失い忖度したのか。

結果は政権の財政出動を維持する財政ファイナンスを続け、その結果出口戦略の苦しい50%の国債保有、36兆円ともいわれるETFの買い占めに走り売却時の市場の急変に多9機な課題を残した。

アベノミクスも当初は85円の円高から137円の円安、株価も1万②3907円から2万7447えんへと成果が出ているように思えるが、既に欧州市場ではその傾向が出ていてそれに載るタイミングだったのだ。安倍政権は当初手腕が評価されたが、それも束の間でその後は成果なし。むしろ黒田日銀は多くの課題を残した。

途中、リフレ派を後押しした浜田さんさえ、雇用が改善したのだからいいだろうと言い出した。

黒田総裁は最後に成果としてデフレ脱却、雇用の創生、ベア復活を上げた。

そんな時、追われた前日銀総裁の白川さんが「この10年の金融緩和は壮大な実験」「効果は控えめだった」と批判した。当初から正統派経済学者も「検証されていない非伝統的金融政策」として批判していたのだ。

特に国の経済力である潜在成長率は0.3%で民主党政権時の0.8%より悪い。低金利の言慣れた企業家、低賃金に慣らされた労働者、国民の犠牲の上に成り立っていた日本経済なのだ。

しかし、少子高齢化、人口減と先進国に先駆けて社会問題を抱えている。日本経済は構造的問題を抱えているのだ。もう成長経済など期待できない、成熟社会をどう生き抜くかだ。


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