政権はそんなにテレビ番組で政権の意の反する内容についてクレームをつけているのか。それでテレビ局が委縮し事実の真意に反する報道をしなくなるとどうなるのか。それこそ国会でしっかり議論すべきではないのか。
逆に言えば、政権は民意に反する政策を実施していると意識しているのだろうか。
以前、NHKの会長を任期切れでやめた会長が、質問に答え「一番気を付けたのは政治家との関係」と言っていたのを覚えている。ある会長は「政治家からのクレームは私が引き受ける」と発言したこともある。それだけ政治家からのクレームは大きいのか。
過去に学生だった時、TBSの報道でキャスターの田さんが米国のベトナム攻撃で現場では多くの犠牲者が出ていると報道したのを覚えているが、しばらくして田さんはテレビ画面から去っていった。
後で、米国からクレームがついたためにキャスターを外されたというのだ。確かに事実を報道すると米国の攻撃を批判しベトナム寄りの報道とも思える。しかしそれに対して米国側の正当性を合わせた報道すべきだったのか。それは誰が考えても無理だった。
今、国会で「政治的公平」が問題になっている。安倍政権時、日本統治時代の台湾など描いたNHKスペシャル「JAPANデビュー」を明らかにおかしい、どこでバランスをとっているのかと安倍総理自ら発言したらしい。また、首相補佐官の一人が「サンデーモーニングでコメンテーター全員が同じことを述べている」と指摘したらしい。私は実際に「JAPANデビュー」を見ていないので何とも言えない。
官邸内でも首相補佐官の中には「メデイアとの関係で官邸にプラスになる話ではない」と反発したというが、安倍さんは「「政治的公平」の観点からみても明らかにおかしいものもあり現状は正すべきだ」と番組規制に前向きだったという。
時の政権、保守的政治家は「政治的公平」を求めている。放送法を盾に圧力をかけやすいのだ、基本的には番組全体で判断するというが、極端な事例であれば政治的公平性に抵触するというのだ。
要するに政治的テーマの番組を制作する時は、「賛成、反対両方の考えを反映さ、視聴者に間違った判断をされるのを避けろ」ということなのだろう。しかし今は多くの情報が流れている。政府が間違っている判断だってできる。
反対に、政権はどこで政治的公平を維持しているのか。政策の真意は黙り込む。国会で野党が質問しても重要な点は避ける。政策が煮詰まる前に多数決で決めてしまう。
だからメデイアは真実を報道しようとする。どうしても政権の意に沿わない報道になるのだ。責任は政権、政治家にある。
当時の総務省の記録文書が公表され、高市さんがかかわる文書について「捏造」と否定している。政治家は自分の発言に責任が持てないのだろう。それこそ「政治的公平」に反しないか。
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