市場関係者も経団連でも「金融政策の正常化」を望み、覚悟しているのに日銀だけは賃上げ、物価高の好循環を見極めたいと大規模緩和の継続を決めた。
記者会見で「チャレンジング」と言ったのは何だったのかと聞かれ、「気を引き締めて慎重に」ということらしい。市場が出口戦略の向けて果敢に挑戦すると思っていたら、間違っていたのだ。
どうも日銀の植田総裁が慎重になるのは速水総裁の時の利上げがトラウマとなっているのではないか。あの時、金融政策の正常化に向け、政府の反対を押し切って利上げに踏み切ったが、案の定、景気は後退局面になり、再び緩和にかじきりしたことがある。政府は「それ見たことか」と日銀を批判した。
今はどうか。賃上げ→物価高の日銀が狙う好循環も見極めがつかないらしい。もう一回賃上げを見てみたいという。
市場関係や経団連でも金融政策の正常化を願っているのだからチャンスと思うのだが、見直しとなるとメリットデメリットが各分野で出てくる。何を優先し、何を犠牲にするかを日銀は国民に丁寧に説明すべきだ。
預金金利が上がれば国民は助かる。金利差での輸入品の物価高も改善でき国民の生活は助かる。でも企業は金利が上がれば投資に影響するが、今内部留保は550兆円にもなる。少々の犠牲は何とかなるだろうが、投資できるものがあれば借金してでも投資するのが企業ではないか。
円高、株安に動くか。富裕層にはデメリットでも国民にとってはメリットか。政府は国債の償還費が上がり、財政に影響するのは確かだ。
日銀が政府の顔色を見ているのであればいつまでたっても緩和見直しはできない。
0 件のコメント:
コメントを投稿