2014年7月7日月曜日

道草:子どもにとって大切な「遊び場」か

子どもの頃、学校帰りの道草は今から思えば楽しい経験だったが、今、孫を保育園に送り迎えしている時にも子どもにとって道草は大切な経験、遊びの場なのだと感じる。自転車だと10分ほどで行ける保育園だが、急ぐ用事もないので健康のことも考えて歩くことにしている。

お兄ちゃんが1年生の時にかぶった黄色の帽子をかぶっていると「かわいいね」と声がかかる。保育園に行くと「あらッ ちっちゃな1年生ね」と保育園の先生が笑う。

犬が好きだ。犬を連れて散歩している人に会うと「ワンワン ワンワン」と言って近寄ると、飼い主が止まって触らせてくれる。すると「いくつ」と見知らぬ人と会話が始まる。

一戸建ての家の玄関先には動物の瀬戸物が置かれている。ライオン、らくだ、犬、猫、ニワトリ、フクロウと種類が多いが、どこの家に何が置かれているか知っていて、必ず触って声をかけていく。通り過ぎると「戻る」という。

砂利敷きの駐車場に水溜まりが出来ていると「料理をする」といって聞かない。

何をするのかとみていると、水溜まりに傘を突っ込んでかき回すと泥水になる。味噌汁を作っている様だ。その後小石を投げ入れて料理が終わる。保育園でのままごと遊びの延長なのだろう。

生け垣に赤い実のなる植木が植えてある。実を取ってくれと言うので取って渡すと、保育園の近くの公園で「鳥の餌」として置くという。帰りに赤い実がなくなっていると「鳥さんが食べたんだね」と言って、又明日やるという。

メダカを飼っている家がある。覗くと小さなメダカが泳いでいる。「メダカさん メダカさん」と孫が声をかけていると、中から年配の女性が出て来て、「メダカが見えるかい」と言って餌をまいてくれる。

メダカなんて子どもの頃は一杯いたが、今は絶滅危惧種で店から買って飼育し、突然変異でも出てくれば高く売れるらしい。趣味にしている人も多いようだ。

途中に中学校がある。運動場で生徒が遊んでいるとフェンスの上って「お兄ちゃんは お姉ちゃんは」と言って探す。「お兄ちゃんやお姉ちゃんは小学校だからここには居ないよ」と言うが、理解できないらしく、「お兄ちゃんは お姉ちゃんは」と探し続ける。

季節毎に植え込みへの瀬戸物の飾りを変える家庭もある。クリスマスが近づくとサンタさんや、サンタの服装をした動物が飾られる。「サンタさん サンタさん」といいながら一つ一つ触る。

クリスマスが過ぎると居なくなる。孫は「どうしたの どうしたの」と聞く。「来年のクリスマスまでおねんねだよ」というと「そうか」と納得する。

交通安全の教育も大事だ。

動物を見ると走り出すが、四つ角の手前では「止まれ」、交差点では信号を確認させる。「青で渡れ」というと、じいちゃん「緑だよ」という。「青なんだ」と言って聞かせる。

雨の日は歩くのも楽しいらしい。黄色の子供用の傘とカッパを着せるが思う様に傘がさせないようだ。カッパが濡れるのを見て、おじいちゃんの大きい傘に替えてくれと言う。当然重いのでフラフラする。傘の先を支えてやらなければならず大変だ。

都会だから道草も限度があるが、これが田舎だと無限に遊びが広がる。でも今は通学路の安全確保でボランテイアの人たちの監視の下だから道草も食えない。


子どもにとっても遊びにくい時代になったものだ。孫の送り迎えで「道草」の大切さを知った。

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