米朝会談でトランプ大統領には期待できない：彼にとって大事なのは「金委員長とのいい関係」だけ

２回目の米朝会談が報じられているが、「非核化」でトランプ大統領には期待できない。トランプ大統領が大事なのは「金委員長とのいい関係」だけだ。１回目の会談では、その後の両国の主要閣僚の発言にも見られるように何ら成果はなく、かえって制裁を曖昧にした傾向もある。

それでも２回目の会談に期待するのか。トランプ大統領は２７，２８日にベトナムだという。

新聞報道ではトランプ大統領が人道支援で譲歩する可能性を論じているが、それが本当なら北の金委員長の願ってもないことだ。何もしないのに見返りだけ得ることが出来るのだ。

特に「非核化」に向けての工程は難しい。北は核実験場の破壊などを報じたが、実体は核、ミサイル開発を温存しているようだ。北は絶体に「核、ミサイルを放棄しない」と見るべきだろう。

朝日新聞（２０１９．２．７）に国連専門家パネルの報告書で「北朝鮮の核・ミサイル開発は無傷」「制裁に反して外貨を稼ぐ」と制裁の無力化を報じた。

これらの情報はトランプ大統領が会談しなくても世界は得ることが出来るのだ。さらにトランプー金会談で事態が進展することも考えられないのだ。

トランプ大統領の最低限の成果は「アメリカにミサイルが飛んでこないこと」、会談は進展しなくても「金委員長とのいい関係」を築けば良いだけなのだ。金委員長との関係を「すばらしいもの」と自画自賛しているではないか。

安倍総理は米朝会談が決まったことで、早速北への「拉致問題」で口添えを頼んでいる。今度はアメリカに何を貢ぐのか。トランプ大統領が「金委員長に言っておいたよ」と言えば数千億円の兵器を購入することになるのか。

北は終戦宣言、経済制裁の緩和だろう。でも制裁は無力化している。中国や韓国が絡む「瀬とり」の横行、他にも外貨稼ぎの手口があるらしい。

韓国の文大統領は北との接近御執心でかえって米国の反感を買っているが、文大統領に取っては南北統一、融和は喫緊の課題だ。北出身者であることを考えれば当然の話だ。

トランプ大統領に北の問題解決に期待することは無理だ。ただミサイルが日本の上空を飛んでこないことだけが成果だ。

しかし、会談の全てが失敗し、北の要求である経済制裁緩和が出来なかったとき、金委員長はミサイル発射を企てるだろう。一段と性能がアップしている事を目の当たりにすることだろう。