日本を、取り戻す。 自民党重点政策2012 |
進む円安、株高基調。ここまでは安倍総裁の口先政策、これからは実体経済に影響を与える政策、組織、法整備が必要になってくる。安倍総理のリーダーシップが問われるのだ。
自民党は危機的状況にかかった日本経済を5年間で立て直すという(日本を、取り戻す。重点政策2012 自民党)。
市場は、安倍総裁の大胆な金融政策、物価上昇2%目標設定、日銀との連携強化の仕組み作りなどの提案に反応し、円安、株高基調が続き、円は85円台、株は10300円に迫っているが、長期金利は上昇気味だ。
自民党・石破幹事長は、為替水準に関して85~90円とまで口にしている。今後85円を割り込むことがあると為替介入でもするのだろうか。
自民党のデフレ、円高対策は物価目標2%の設定、日銀と連携した大胆な金融緩和、財務省と日銀による「官民協調外債ファンド」を設立して外債を購入するなどの方策が示されている。
これらの政策は、民主党政権の時は日銀が抵抗していた政策で、日銀が言うことを聞かない時は、安倍総理は日銀法の改正を念頭に置いて脅しをかけている。
今の経済状況では不可能と思われる物価上昇率2%の目標制定であるが、多くのエコノミストも指摘しているように、行き過ぎたインフレ、物価は上がったが給料は上がらず、雇用も増えない経済状況になることも考えられる。
このような望まぬ状態になる前に、政府は対応策を考えているのか。どのくらいのインフレになったらどうする、企業が雇用も増やさず、給料を上げない時はどうするのだ。
そして昨日の記者会見でも、大型補正予算、新年度予算で絶え間ない経済政策を打ち出すと言うが、国債発行額の上限44兆円については記者の質問にも答えなかった。麻生財務大臣は「公共投資は悪者ではない」という意味の発言をしたり、「44兆円には拘らない」という経済担当大臣もいる。バラマキ予算、無駄遣いは良くないが、しっかり国会で審議すべきだ。
このほかに、5年間で雇用と所得が拡大する国、世界で一番企業が活動しやすい国作りなど「日本経済の新しい姿」を示し、産業投資立国、貿易立国の双発型エンジンで「ハイブリッド経済利国」を目指すというのだ。
自民党政権時代から言われていたことであるが達成した政権はなく、本当に今回の安倍政権で突き進むことの出来る政策なのか。
組織的には「産業競争会議」を設置し、成長産業の育成、コア技術への集中投資、制度改革を一気に進めるという。そして、大胆な規制緩和として、戦略分野毎に「国際先端テスト」を導入し、国際比較した上で、規制などの国内の制度的障害を撤廃するらしい。
規制緩和は、時の政権も、経済界からも要求されていたことであるが、どの程度進んでいるのか情報がなかった。民主党政権では財務省などの抵抗で出来ないのではないかと思っていた。
TPPも含めて規制緩和は、利権者との戦いになる。本当の意味で国民の信任を得た安定政権でないと出来ない。中央集権機構の打破も必要になるだろう。安倍政権が他の野党と組んでも進められるか。
法整備の必要なものもある。世界で勝ち抜く製造業の復活に向けて「日本経済再生・産業競争力強化法」のような法を制定し、企業の海外流出防止で法人税の大胆な引き下げを行うことも考えているようだ。
これらの経済政策がどういう発想で出てきたか。ブレーンとなる学者がいるはずだが、民主党政権とは違った政策なら何でも言い訳ではない。
安倍総理は、参院選に向け結果を出し国民の信頼を勝ち取りたいと意気込むが、短期間に結果が出るものでもないが、期待が大きいだけに逆の場合の失望も大きい。
これからは実体経済への影響を考えた政策推進が要求される。
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