日銀と政府の合意文書の 内容骨格を報じる 読売新聞 2013.1.19 |
安倍政権と日銀のデフレ脱却に向けた合意文書の骨格が分かってきた。昨年10月の日銀と野田政権で取り交わされた合意文書とは、2%の物価目標明記が違うだけだ。これで市場は好感を抱き、円安、株高に続いて企業収益改善、賃金上昇、雇用拡大のデフレ脱却シナリオが進むのか。
衆院選以来、安倍総理の口先政策だけで円安、株高基調が続くが、行き過ぎた円安、海外からの「通貨安競争」の批判が出てきた。
次は国内企業の収益改善、設備投資、消費が上向くかどうかだ。
ところで、今回の自民党政権との合意文書と昨年10月に取り交わした民主党政権との「デフレ脱却に向けた取り組みについて」とどう違うのか。
大きな違いは、昨年、日銀は「引き続き1%を目指して、強力に金融緩和を推進していく」としていたのが、今回の合意文書では、安倍総理の強い要望もあり2%目標を明記するらしい。
でも、日銀も「中長期的な物価安定の目途」としては2%に言及している。
昨年10月30日の野田政権と 日銀との合意文書 |
日銀白川総裁に言わせれば、「インフレーション・ターゲッティング」とは「フレキシブル・インフレーション・ターゲッテイング」と同義で目途と目標を分ける意味はなくなっているというのだ。
ならば、日銀は目途の拘らず、目標にすれば良いのではないか。政権だって何故か目標に拘っているのではないか。
達成時期だって、明記されず「中期的」という。長期が抜けた分、早く結果を出そうとしているのか。
政府の役目も官僚が作成するのだから政策名称の違いはあっても、内容に違いはなのではないか。白川総裁は規制改革、構造改革の必要性を説くが政府の動きは鈍い。
官僚の抵抗に遭っているのではないか。これこそ安倍総理のリーダー・シップだ。
説明責任も要求されている。
昨年の合意文書では、「デフレ脱却など経済状況検討会議」において定期的に点検するとなっていたが、今回は復活した経済財政諮問会議で検証するらしい。
こう考えて来ると、野田政権での合意文書と大きくは変わらない。
それでも安倍総理に大きな期待がかかっているのは、「やる気」と強い政権のイメージがあるからではないか。
市場はすでに織り込み済みで動いているので、共同声明が発表されても大きな動きはないのではないか。
今後の国会審議に注目したい。
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