2013年1月1日火曜日

2013年は万機公論に決せ:まず、慣習にとらわれない国会審議から


2013年こそ万機公論に決すべきだ。慣習にとらわれない国会審議が出来ないか。社会保障と税の一体改革、原発の是非を含む新エネルギー政策、TPP,デフレ脱却での日銀とのアコード締結、財政規律と財政出動そして経済成長戦略、安全外交など国を二分する政策が控え、2013年の国会審議は慣習を打つ破り、新しい姿で議論してほしい。

特に民主党政権から自民党政権に交代し、その政策が180度変わろうとしているものもあれば、選挙選後自民党安倍総理の政策に対するニュアンスが変わってきている政策もある。

そんな時、いままでのような国会審議をし、「審議時間が○○時間に達したから十分議論した」では、国民を馬鹿にした話だ。

NHKの国会中継を時間の許す限り聞くことにしているが、質問者は自分の考えを開陳し、質問、答弁する閣僚は役人が作成したペーパーの棒読み、議論はいつも平行線で一方通行。それもそうだろう、質問者は何とか点数を稼ごうとするが、閣僚は失点のない答弁に終始する。失言や意見の不一致は致命傷になるのだ。

それを恐れてか、メデイアの報道によると安倍政権は発足当初、閣内不一致を防止しようと官房長官が「不用意な発言は慎むように」と釘を刺したようだ。

最近新聞で新閣僚とのインタビュー記事が目に付くが、民主党政権と政策が変わってきている。

恐らく通常国会では、民主党を始め野党が相違点を突いて来るだろう。

経済再生を喫緊の課題とする安倍総裁は、大胆な金融政策で激しく日銀を揺すった。物価上昇率2%は、専門家の間でも意見が分かれており国会で激しい質疑が予想されるが、最近の安倍総理や閣僚の発言では日銀への攻勢が弱まっている感じだ。

民主党も3年の政権の座にあったために多くの行政上の情報を掴んでおり、来年7月の参院選を睨んでの失地回復を目論んでいるはずだ。

国会審議を改革するためには、まず閣僚のペーパー棒読み答弁を何とかしなくてはならない。

それで思い出すのは民主党政権時の柳田法務大臣の「2つのフレーズ」発言だ。柳田さんは国会軽視と批判され辞任に追い込まれたが、本当は「もう一歩踏み込んだ答弁が出来ないものか」と、従来の閣僚答弁を問題視していたのだ。

メデイアは面白がって偏った報道をしたために、問題提起が可笑しな方向に向いてしまったのは残念である。

内容に乏しい国会審議で、「時間がないので次に行きます」と質問を途中で打ち切ったり、「○○くんが後で関連質問をします」と同じような質問を繰り返すのにどんな意味があるのか。

自分の考えを長々と開陳した後で、簡単に質問し、その答弁がペーパーの棒読みでは、新しい妥協点など見いだせるはずがない。

さらに質問者は国会中継を意識してか、フリップを用意し質問するので内容は良く理解できるが、閣僚の答弁、日銀総裁などの参考人の答弁は資料がないので、どういう根拠かはっきりせず国会中継を聞く興味も半減する。

「政治とカネ」も政治資金規正法に関わるスキャンダルの質問もある。質問者は週刊誌の記事に基づき質問するが、関係閣僚は顔色を変えて「事実ではない」と反論する。執拗な質問に予算委員長が「当予算委員会は、週刊誌の記事での質問をしない」という申し合わせが出来ていると質問者に注意することもあった。

こんな内容の国会審議でも、「○○時間審議したのだから」と言うだけの理由で審議を打ち切り、強行採決後、国会に提案し採決される。おまけに官僚の悪巧みで、委員会審議した内容に官僚が手を加えて規制内容が骨抜きにされたことも過去にはあった。いわゆる接続詞を加えただけだと抗弁していたのだ。

こんな国会審議で、山積する難題に対応することは危険である。

2013年は万機公論に徹すべしだ。議論することにより問題点を際立たせ、どう解決しているか、どう妥協点を見いだすか、国民の前に示すべきだ。

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