新幹線の「7分清掃」が脚光を浴びているらしい。短時間に作業を簡潔することは、品質管理の基本(手本)だ。同じ理由でラブホテルが品質管理に役立つと言われたことがある。もう40年も前の話だ。
私も新幹線通勤していたので清掃員の姿、仕事を見ていたことがある。
列車が到着する前に、乗降口付近に7人ぐらいの作業員が清掃道具を持って並んでいる。降車が終わると車両に乗り込み、ドアーには「清掃中」の看板が吊される。車内ではシートを回転させながらカバーをはがし、窓や床に残されたカンやゴミを回収し、床を拭く。カーテンも元の位置に結ぶ。これを1~2人でやるのだから手際は良い。
ずっと以前に比べると、清掃の質は上がっている。今ではお客が手に持ったゴミを降車時に受け取ることもしている。
「何で今、新幹線の清掃か」と思ったら、米CNNで「7分間の奇跡」で世界に紹介されたらしい。日本では当然と思うサービスに世界は驚いているというのだ。(讀賣新聞2013.1.15)。
これと関連して、ラブホテルの清掃が話題になったことがある(利用したことはないが)。
品質管理の良い手本だというのだ。
ラブホテルでお客さんが退室した後、「一番最初にする仕事は何か」。クイズのようだが、正解は「部屋と浴室の換気」だそうだ。熱気、湯気の換気に一番時間をかけるらしい。
そしてシーツ替えだ。ベッドとの間にモノが挟まっていないかどうか、ベッドの下に何か落ちていないかも確認するらしい。
そして、バスルーム、洗面所の清掃だ。湯気でガラスや壁が曇っているのを払う。
最後に窓を閉め、最終確認して清掃は終了し、次のお客さんを待つのだそうだ。1人作業だが何分で終わるかは忘れた。お客の回転をよくするためには清掃時間も重要なのだ。
群馬県安中市にあるラブホテル(今は名前が変わっている)には、近県のラブホテル経営者が見学に来るほどだったという。
「ラブホテルの清掃が品質管理の手本になる」と当時の経済書が記事にしていた。
清掃という仕事は蔑まされていたが、今は重要な経営の基本なのだ。
清掃と言う仕事を社員にやらせて経営改善した話も聞くし、今デパートで一番きれいなところはトイレだ。矢祭町では経費削減のために役場の職員がトイレ掃除をするようになり職員の意識改善に役だったという。そして東京駅近くの高層ビルでは周辺の街並みが見渡せる場所にトイレを作った。
「清掃は下請け作業」のセンスは、昔のことだ。今は、改善提案で「サービスの向上」にも役立ち、それがビジネスにも繫がるというのだ。
これは、日本人が最も得意とする分野の一つではないか。
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