2013年1月4日金曜日

読売新聞・衆院選追跡調査で衆院選を読み返す

読売新聞(2012.12.30)で衆院選・追跡調査結果が報告され、期待と懸念で自民党を注視していると言う。

私もこの調査から衆院選を考えてみた。

まず、「投票に行ったかどうか」だが、81%の人は「行った」と答えている。実際の投票率は60%台だったと思うがこの高率をどう思うか。

また、「投票に行かなかった理由」に、34%の人が「投票したかったが、都合がつかなかった」という。不在者投票もあったはずだが、行く予定が急にいけなくなったというのか。

「投票したい候補者、政党がなかった」と26%の人が答えていたが、政策が多様化し、政党も多党化しているにもかかわらず選ぶことができなかったということか。棄権よりも「白票」を投じ意思表示すべきだったのではないか。

投票を決めるに役立ったものとして「新聞やテレビの選挙報道」が43%でダントツだった。党首の街頭演説が毎日報道されるのだから当然だろう。今回インターネット情報が話題になり、認めてもいいんではないかという意見もあったが、7%という低率だ。安倍総理もIT関係の会合で検討すると約束していたが、どうなんだろう。

若者の政治に対する関心を湧く立たせようとする考えのようだが、ツイッターなどの「つぶやき情報」を重視する価値があるのか。

政見放送も21%となっているが、本当に政見放送が役立っているのか。NHKのニュースを見ようとしたが、政見放送に切り替わっていた。以前立会演説会が開催され、聞きに行ったことがある。動員がかかったためだが、聴衆が少なく廃止された。

今になって思えば、立会演説も面白いのではないかと思うが。

今回の選挙で自民党は政権を奪還したが国民はどう思っているのか。

安倍総理に54%の人が期待し、景気を回復し、政治を安定にしてくれる物と思っている。単独過半数で政権に復帰したことに50%の人が好ましいと判断している。

しかし、一方で不安も感じている。10年間で200兆円の国土強靭化を目指した公共投資をやるというが、無駄な公共事業が増えるのではないかと38%の人が心配し、原発の再稼働に30%が危惧している。日本経済、国民生活の安定を考えてのことだが難しい選択を強いられることになるのだ。

公共投資は、費用vs効果でしっかり検討することが必要だ。景気回復には財政出動が必要なのはわかるが、財政規律も考えなければならない。赤字国債のみ増加する不幸な結果は避けたいものだ。

「自民党は変わったか」の質問に、55%の人が「変わらない」というが、30%の人は「よくなった」という。先の自民党総裁選を見ると旧態然とした自民党の姿を見せてくれたが、選挙期間中は「自民党は変わった」ことを執拗にアピールしていた。

先日、石破幹事長が脱派閥などに関して提言していたことが新聞報道に出ていたが、これから変わろうとするのか。

一方、大惨敗した民主党は哀れだ。

2009年の政権交代を56%の人が評価していたが、3年3カ月の実勢気を問われると、42%の人が「余り評価せず」、23%の人が「全く評価せず」で全体の65%が評価しなかったことになる。

しかし、「ある程度評価する」も32%だ。野田総理の「決められる政治」、評価は下がっても自民党政権時のしりぬぐいをやっているこを評価したのか。

とにかく鳩山政権は大失敗だった。小沢さんは鳩山ブランド(?)を担いだのだろうが、ここは岡田さんでどうだったか。違った方向に向いたかもしれない。

第三極としての日本維新の会についても質問されていた。

政権に参加するより政策によって協力すべきだと51%が言う。不安点として43%が党内にまとまりがなく、43%が党がいつまで続くかわからないことを指摘している。

比例代表投票では、橋下代表代行に期待したのが53%で、石原代表に期待した17%を大きく引き離している。石原ブランド(?)の箔も落ちた。

ところで、政党を決める根拠は何だったのか。

「公約、マニフェスト」を挙げる人が34%、「政治を変えようとする姿勢」が39%、「党首の人柄、能力」23%で、「選挙の顔」の考えも改めなければならないのではないか。

民主党に投票した人も自民党が勝ちすぎないように44%の人が考えた。ねじれ国会が「決められない政治」の元凶のように言われているが、国民はバランスを考えた投票をしているのだ。





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