パレートの「80:20の法則」と言うのがある。イタリアだったと思うが、納税の状況を調べて見ると、税収の80%を20%の納税者が納めていることが分かったのだ。それから人間の集団では、80%の仕事をするには20%の人間が必要で、残り20%の仕事を80%の人間がやっているというのだ。
それがアリの社会でも言えるという記事を以前読んだことがある。全部のアリが一生懸命働くと大変なことになると言うことだったと思う。
ところで、たまたまネットで「働きアリ:2割程度は「働かず」、集団維持の仕組みか」(毎日新聞 2012.12.29)という北大の長谷川准教授の研究報告に関する記事が目にとまった。
それによると、アリの集団の中には常に2割程度の働かないアリがいて、働くアリだけのグループを作っても2割の働かないアリが出るというのだ。逆に働かないアリだけ集めると、うち8割は働くアリになったという。
だから、「仕事の効率は悪いが、集団を維持するための巧妙な仕組みがあるのではないか」と指摘し、働かないアリがどのように集団維持に貢献しているのかを明らかにしたいという。
人間の社会では、20%の人が働く割合で、割合がアリの社会とは逆になっているだけで同じことが言えるのだ。
今、企業は社内浪人を抱えているのは常態化しており、大企業でも経営が悪化するとリストラの嵐が吹き荒れる。
仕事がなくなれば、「首だ」と言われるのは残酷であるが、「働きが悪いから」と首を宣告されるのは可笑しい。「働きの悪い人間」だけ集めると「働く」グループが出てくるのだ。
20%の人間が良く働き、残り80%の人間は社会集団を維持するために必要な人間なのだ。
企業にあって、安全や環境のようなスタッフ部門は人員削減の対象になりやすいが、そうやって行くと重大な事故を起こしかねない。笹子トンネルの吊し天井落下事故も安全の維持管理を怠った結果ではなかったのか。
巣から出入りするアリの列を見ていると、餌をくわえたアリもいれば手ぶら(?)のアリもいる。全部のアリが餌をくわえて巣に入れば大変なことになる。何か他の役目をしているのだろう。
国会議員が480人いるが、他国に比べても多すぎる。定員削減が課題になっているが、なかなか進まない。
私たちの選んだ議員がどんな仕事をしているのか。中には政策の審議に加われないと不満を言う議員もいれば、国会へも出ずに金集めに走っている議員もいるのだろう。全議員が一生懸命働くと予算がいくらあっても切りがないという人もいた。
80%の国政を20%の国会議員がして、残り20%の国政を残り80%の国会議員がする状態なのだろう。でも、その20%の議員だけのグループにすると、余り働かない80%の議員が出来てくるのだ。
その80%の議員がいれば、何かが起こった時に直ぐ対応できると言うことなのだろうが、国会議員の定数削減は是非やるべきだ。
「みんな請われて生まれてきたのだ」と言ったのは、マザー・テレサだったと思うが、それぞれ役目を負っているのだ。
横行する大企業の安易なリストラには賛成できない。
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