「2%物価安定目標」に向け、日銀は強気の読みをするが本当はどうなんだ。黒田総裁、岩田副総裁の辞任回避狙いか。民間エコノミストはほとんどが不可能とみている。同じ目の前の経済、経済指標でありながら何故、エコノミストによって見方が異なるのか。
過去の経済指標の見方、経験から将来予測を引っ張り出すのだろうが、でもこうも見方が違うと頭が痛くなる。
高名な経済学者が「何故、経済学を学んだか」と問われ、「経済学者に騙されないためだ」と答えたと言うが、その経済学者はあのケインズの高弟だった。経済学者が10人いれば10の見方があるといわれたものだ。
日銀の今の日本経済の見方は、消費税引き上げの需要の反動があるが基調的には「穏やかな回復」を続けているという。
先進国は回復している。輸出は横ばい、設備投資は緩やかに増加、公共投資は高い水準で横ばい、個人消費は駆け込みによる反動が見られ、雇用/所得は改善、物価は1%台前半であるが全体的には上昇しているとみている。
海外事情によるリスク要因はあるが、必要は時点まで「量的、質的金融緩和」を継続する姿勢だ。
でも、この日銀の政策決定会合でも金融政策運営については多数決で決まったものの全員が一致しているわけではない。表現において異論が出ている。
日銀は、2%物価安定の目標達成を目指し安定的に持続するために必要は時点まで「量的、質的金融緩和」を継続し、上下双方向のリスク要因を点検し必要な調整を行うと言う。これに対して政策委員の1人が、日銀は中長期的に2%の物価安定の目標を目指すその上で、「量的、質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置づけ、その後柔軟に見直すべきだと議案変更の提出がされた(5月20,21日政策決定会合議事要旨)。
多数決で否決されたが、この異次元の金融緩和は当初「2年間で2%の物価安定目標」を達成すると言うことだったのではないか。2年間で達成出来なければ日銀総裁、岩田副総裁は責任を取ると言うことだったと思う。
それが日銀の政策運営では「2年間」という期間が省かれているのだ。
黒田総裁、岩田副総裁は責任逃れをしようと考えているのか。2年間で2%の物価上昇が未達なら約束通り辞めるべきだ。
ただ「好ましい成長」でなければならない。好ましからざる成長は期待されていない。
7月14,15日の金融政策決定会合では日銀は2%に揺るぎがないという。
2014年 1.3%、2015年 1.9%、2016年 2.1%と見ている。でも日銀が発表する予測値は9人の「中央値」であり、たとえば2015年の1.9%は、1.0~2.1%の間なのだ。
民間エコノミストは今秋、1%を割ると見ているが黒田総裁は「その可能性はない」と否定した。
日銀の言うことを心底信用は出来ない。政府と一体になって都合の良い経済指標に誘導していくこともある。
安倍総理は、その経済政策アベノミクスの評価に株価をあげている。
ところが今、株価は15000円台前半で右往左往している。安倍総理にとっては不満だろう。株価が下落すると日銀はETE購入で介入に入り、株価は戻ることを繰り返す。
更に今まで御法度だった年金積み立て金を株価操作に投入しようとしている。どこまでバカな総理なのか。
その総理に何の抵抗もなく追随(?)する日銀に一抹の不安を感じないか。
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