新聞報道によると、「改革委の提言をすべて受け入れるつもりはない」と理研の川合理事がインタビューに答えた。こんなことで皆が望んでいる理研の改革が本当にできるのか。歴史のある我が国有数の研究機関であると思っていた理研が、小保方さんの異例の採用から始まり、STAP細胞論文と言う疑惑だらけの論文を華々しく発表したことから多くの人たちの監視の目が張られ、次から次へと出てくる疑惑は理研という組織のガバナンス、コンプライアンスの欠陥の一気にさらけ出す結果になった。
理研は改革推進本部を設置し、外部識者も入れた改革委員会を立ち上げ、CDB解体、経営陣の辞任などを含む調査報告書も公表された。
これで理研の改革も進むかに見えたが、そうはいかないようだ。24日の読売新聞、毎日新聞WEB版に載った川合理事とのインタビュー記事を見て前途多難と感じた。
解体を提言されたCDBは残したいという。実績もあるし世界中から存続を希望されているというのだ。「改革委員会の提言をすべて受け入れるつもりはない」と言う。
チョット待った。改革委員会が「解体」を提言したのは、余りにも理研が問題意識を持っていなかったためではなかったのか。そんな考えでは改革はできないから「解体」を提言したのだ。
抵抗するのであれば、それに代わる改革案を示すべきだと思うが、川合理事は8月中に方向性を示し、年度内に全容を明らかにするという。
次々に出てくる論文の疑惑の予備調査も始めたという。改革委も要求していたことだ。最近では若山さんのマウスの出所についても疑惑が出てきた。以前に「それでも若山さんがコメントした結果には影響しない」と言っていたが本当にそうなのか。
小保方さんのSTAP細胞作製から若山さんのSTAP幹細胞作製マウス実験まで、疑惑だらけの論文と言うことになるのか。
一人の論文ではなく、複数の研究者が分担したことで責任もあいまいになり、なすりあいの結果になった。本当の責任著者がいないのだ。
そして、辞任を勧告されたトップの処分はどうなっているのか。自ら辞任したのは西川さん一人だ。竹市さんは本部と相談すると他人事のようなことを言っていた。
辞任を勧告された川合さんは、インタビューで辞任を拒否した。「理研の改革をやり遂げることが自分の責任」と言うが、誰が川合さんに改革を期待しているのか。
理研の運営に問題を抱えたままの理事が本当に改革にと取り組み新しい理研を立ち上げることができるとは思えない。川合さんがいなくなることが改革の一歩ではないのか。
野依理事長は自分の責任をどう思っているのか。ノーベル賞受賞の野依理事長に辞任を求める人間はいないだろうが、まずは野依理事長が自ら辞任することだ。
そうすれば、川合理事、竹内センター長、笹井副センター長なども辞任しなければならなくなるのではないか。
そして一番肝心な小保方さんも懲戒解雇ができるのだ。小保方さんだけ懲戒解雇では、弁護団も黙ってはいないだろう。ゴタゴタが長引く要因にもなる。
野依理事長が優柔不断だから理研の改革は進まない。
そして、小保方、若山、笹井さんで自ら自分たちの論文の再検証をすべきではないのか。理研の研究者らのアンケート調査でも実証実験より論文の検証が先と言う。
共著者と言ってもうまくいっている時の話だ。こうまでこじれてくると敵対関係にあるのだろう。
小保方さんは「反省しています」の一点張り、笹井さんは「今は、論文を整合性して論じることは困難」という意味のことを言うし、若山さんは自分のマウスの出所も疑惑が出てきた。
研究費に税金が使われていることを考えると、3人による再検証が必要と思うが、データ管理がずさんではそれも無理か。
川合さんが重要なことを言っている。調査するにも「理研内では委員になり手が皆無」というのだ。そりゃそうだろう他人の不祥事を検証しようとする研究者などいないはずだ。だから調査するにも外部の研究者の人選が必要なのだ。そうなるともっと大変になる。ただ弁護士は別だが、問題は科学なので弁護士だけではどうにもならない。。
一方、特定国家研究開発法人への指定の問題も残るだろう。しかしこのままでは理研は失格である。理研にお灸をすえるためにも除くべきである。野依理事長では文部科学相や科学担当相の考えに左右され、当初は否定していた小保方さんを検証実験に参加させた。
それによって、理研の改革、関係者への処分が先送りになった事は否めない。
理研としては、STAP細胞が存在していたことでの大きな利権に目が行き優柔不断な運営をしているが、ここは信用を回復することが最大の課題ではないのか。
そのための改革を急ぐべきだ。今年度内に改革の道筋を示すでは悠長すぎないか。
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