滋賀県知事選は三ケ日さん253,728票で自民・公明推薦の小鑓さん240,652票を破って当選した。負けたのは自公だが、では勝ったのはどこだ。そんな県知事選だった。自民党の石破幹事長は「負けたのには負けた理由がある」と反省するが、民主党は勝ったとは言い切れない。
投票前の大方の投票率40%台の予想だったが、60%には及ばなかったものの50%を確保した。県外に住んでいると今回の選挙戦の争点が分からないが、嘉田さんの地盤だから「滋賀の草の根自治」の勝利だったのだろう。
嘉田さんは一時出馬も考えたようだが、勇退を決めた。その代わりに「卒原発」を継承してくれる三ケ日さんを推したという。
一方の小鑓さんは、アベノミクスの立案者らしく、「アベノミクスの成果を地方経済へ」をモットーに戦ったのだろう。
しかし、如何にせん、知名度は低いうえに集団的自衛権行使容認の閣議決定、原発の再稼働など国政での安倍政権の政策にNOを突き付けた格好になった。「訴えが浸透しなかった」と小鑓さんは残念がる。
よく自民党、政権が言うことに「あくまで地方選、国政に影響はない」という。
都知事選でも国政での政策が争点に挙げられた時にも言われたが、今回は何故か、そういう発言は見られなかった。安倍総理、石破幹事長、菅官房長官らは集団的自衛権の閣議決定を敗因に挙げた。
でも、大きな争点は「卒原発」だった。
福井県にある電力事業者との間での安全協定を見直し、滋賀県も立地自治体並みの同意条件を求めると、三ケ日さんは記者会見で述べた。多重防護がない限り再稼働は認めないというのだ。
嘉田さんは「琵琶湖が放射能に汚染されると、湖水を飲料水に使っている関西圏に大変な事態が発生する」と原発に反対した。
最近の選挙は、負けた理由は分かるが、勝った理由が分からないことも多い。
楽天の前監督だった野村さんは、「負けて不思議な負けなし、勝って不思議な勝ちあり」と言うし、江夏さんは「敗因は誰でも分かるが、勝ったときに何故かをしっかり考えるべきだ」といった。勝負の世界に生きる人の貴重な言葉であるが、選挙も言えることだ。
今回は海江田さんも応援に入れないほど「民主隠し」の選挙だった。民主党は、しっかり勝因を検証すべきだ。
これから安倍政権にとっては厳しい県知事選が待っている。普天間移設問題での沖縄県知事選、原発再稼働、復興問題での福島県知事選だ。
重要な憲法解釈見直しを安易に閣議決定するなど危険極まりない政権運営が続く。国政選挙がまだ先であれば民意を反映させるのは、この県知事選だ。
勝った理由が分からないような選挙であっては困るのだ。
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