2014年9月25日木曜日

消費税10%への先送り:法に則り増税を粛々と進めるのなら附則第18条も法律ではないか

「消費税10%へは法律で自明のこと、粛々と進めるべきだ」と10%先送り論を牽制する発言が財務相、日銀、自民党関係者などから聴かれるが、10%に上げることによって利権を維持したい人たちの発言で附則第18条では景気条項があり経済状況も考慮し中止することも法に則っているのだ。

4月の消費税8%増税に続き来年10月の10%増税に向け、安倍総理の決断が迫っている。4~6月期のGDP成長率の悪さが、いろんな憶測を呼んでいる。

先の8%の時は、確か公聴会(?)を開いて「万機公論」の姿勢を見せ、8割の人が賛成したことで比較的容易に決断できたが、案の定景気後退の場面に遭い復調が遅れている。落ち込みは想定内、V字回復を主張していたエコノミストも顔色は悪い。

そして今度は景気が落ち込んでいる状況下での10%への増税の決断だ。実施は1年後だから状況も変わってくると思うだろうが、市場、消費者心理の反応は早い。

今度も広く意見を聞くために経済財政諮問会議に「政策コメンテーター委員会」を設置し賛否を聴くようだ。「消費税増税でも成長は続く」という経済財政諮問会議の下部機関だから「10%へはGO」のはずだ。

財務相は「補正予算を組む」というし、日銀総裁は「何でもやる」となりふり構わない姿勢を示す。

でもそこまでやらなければならないと言うことは、今更なる増税のタイミングではないと言うことではないのか。

朝日新聞(2014.9.23)の「経済気象台」では、「本当に怖いのは2回目」と2度目の増税で日本経済が重篤にならないことを望むと慎重な政治決断を要求している。

G20では、麻生財務相が「安倍政権のアベノミクスの効果」をPRしたというが、海外の経済誌は「10%への増税に延期論」を主張している。

読売新聞(2014.9.25)によると、安倍総理は同行記者団に「GDP速報値が出る前に有識者に足元の経済がどうか意見を聞く場を設ける」と語った。

79月期のGDP速報値が出る前に聴くと言うことはどういうわけか。速報値を見なければ経済状況が分からないのではないか。GDPの改善には期待出来ないからその前にやるというのか。

OECDの事務次長は「足元の景気問題とは切り離し、消費税10%へ予定通り引き上げるべきだ」という(読売新聞 2014.9.23)。財務省あたりから出向している事務次長だから財務省の意向をくんでの発言だろう。

また、3党合意の時の公明党・山口代表も「もし上げないと「アベノミクスがうまく行っていなかった」と烙印を押され政治全体に好ましくないから「予定通り10%に上げるべきだ」と発言した」という(読売新聞 2014.9.24)。

でも、アベノミクスがうまく行っていないことはすでに分かってきたのではないのか。

消費税増税の如何によってはアベノミクス破綻、安倍政権崩壊の原動力にもなる。節目節目でしっかり国民に説明すべきだ。



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