2014年9月9日火曜日

「石破の乱」で、石破さんは総裁・総理の芽をつぶしたのか

石破前幹事長は、総理の専権事項である人事に関して「幹事長こだわり発言」で次期総裁・総理の芽をつぶしたのか、潰されたのか。今回の内閣改造、党人事は自民党のあくなき権力闘争を目の当たりに示した。

安倍総理、その側近と石破さんの情報戦はすさまじいものがあった。幹事長を諦め、安倍総理がごり押しする「地方創生担当相」で入閣した石破さんは情報番組で「次の総裁選には立候補しない」という意味の発言をしていた。

石破さんを総理に担いで「政権を握る」ことを企て石破グループは幹事長にこだわるか、無役になって自由に活動し次期総裁を目指すかの選択に迫られていたが、ほとんどのメデイアは入閣ならグループ解散の憂き目になると報じていたが、その通りになった。

安倍総理との会談前は、赤ら顔で対抗意識十分であった石破さんも、会談後何か吹っ切れたような顔になり「入閣」発言をした。

その変化の原因は何だったのか。メデイアのニュースを見てくると側近連中に「次ははあなたしかいないではないか」「総理がこけたら拾うにはあなたしかいない。ここは我慢」と説得されたという記事が目についた。

石破さんはその発言に態度を軟化させたのだろうが、政治での約束事を鵜呑みにする人は誰もいない。裏切り行為は例があるのだ。石破さんが信じたとは思えない。

会談前に石破さんが田原総一郎さんと対談した記事を週刊朝日で見た。そこには「石破の乱」「極悪非道」と言われていると石破さんが言及していたが、先の自民党総裁選での石原(当時)さんを思い出したのではないか。

当時、総裁の谷垣さんが総裁選に立候補する動きを見せていたが、幹事長の石原さんも立候補を狙い、「谷垣さんのために働いているわけではない」などの暴言を吐いていた。しかし、石原さんの行動を「平成の明智光秀」と揶揄され、自からの失言のあって総裁選に惨敗し、安倍総理に閑職の環境相に取り込まれ、今回の改造人事では石原派は完全に無視された。

石原さんにもう芽はないのだ。

石破さんも、この二の舞になるのを避けたかったのだろう。安倍さんの軍門に下った。

でも、安倍総理が「地方創生」「安保関連法制」を最重要課題としているという「地方再生相」に取り込まれることになったのだから、石原さんとは少し違う。

「アベノミクスを津々浦々まで」という訴えに乗れるのだから捨てたものではないが、場合によっては、「石破さん再登場」のチャンスはある。

ここは「だんまりが得策」とみたのだろうが、安倍政権の薄氷を踏む政権運営が続くのだ。

朝日新聞、毎日新聞の世論調査の結果、内閣支持率が45%とはいえ、読売新聞などでは64%と支持率をアップさせた。

でも、朝日新聞の世論調査を見ていると、内閣支持の有無の理由は「政策」の是々非々であり、「首相が安倍さんだから」はかなり低い率だ。

だから、一歩政策を間違うと一気に支持を失うことになりかねない。その一つが「アベノミクスの成果」だ。

大企業、富裕層を除いて多くの国民は「アベノミクスの効果」の恩恵にあずかっていないと判断している。消費税増税8%、円安による物価高で賃上げがあっても家計はマイナス成長なのだ。

しかも経済は更に悪くなりそうだ。4~6月期のGDP成長率が改定され、マイナス6.8%からマイナス7.1%になり、東日本大震災の後のマイナス6.9%よりも悪くなった。要因に企業の設備投資が悪かったようだ。

当初、東日本大震災後よりは「まだ良い」という意味でのマイナス6.8%だったが、うまく行かないものだ。

10月以降には消費税10%への判断が迫っている。8%でも経済が沈滞したのに10%ではどうなるか分からない。万一延期と言うことになると、国際社会で財政再建をかかげる以上、市場がどう動くか。

もう一つ、安倍総理の政治信条も問題になる。

バングラでッシュでの記者会見では非常任理事国入り問題で、「国連の改革にリーダーシップを発揮したい」とか、ZAKZAK(2014.9.5)とのインタビューで「日本が再び世界の中心に」という意味の発言をしていた。

いつぞやの世界大戦前の為政者の考えと似ていないだろうか。

危うい安倍総理にとって対抗できる政治家が必要だが、石破さんが脱落するとなると他に誰がいるか。

リベラルの谷垣さんか。自民党総裁になったが総理を経験していないのは議員を辞めた河野洋平さんと谷垣さんだ。同情論を買って出てこれるか。

兎に角、自民党は安倍さんの対抗馬を育てなければ自民党政権は危うくなる。












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