寺田寅彦随筆集第五巻 「小爆発二件」 |
今日の情報番組も御嶽山噴火、救出状況の報道から始まるが、無事生還出来た人の体験談が多くなった。その中で何か前兆らしい現象がなかったのかと注意して聴いていたら、「噴火前まで頂上を覆っていた雲が消えた」という体験をTBSテレビの情報番組「ひるおび」に出演された山岳カメラマンの津野さんが言及した。
実は、寺田寅彦博士もその随筆集第五巻「小爆発二件」で、同じ現象を目撃者の話として紹介しているのだ。
昭和10年8月軽井沢に滞在していた寺田寅彦博士が4日、17日と続けて浅間山の小爆発を経験し、その時のことを随筆「小爆発二件」に書いた。
それによると、場所によって爆発音や気波に気がつかなかったり、噴煙や岩塊の状況も違って見える。新聞は素人のゴシップをそのまま伝えていつもの新聞の嘘だと言う。
そして、北軽井沢で見た目撃者の話として、「おもしろいことには、噴出の始まった頃は火山の頂を覆っていた雲がまもなく消散して山頂がはっきり見えてきたそうだ」と言い、偶然の一致かもしれないが爆発の影響とも考えられないことはない。今後注意すべき現象の一つだとも言う(寺田寅彦随筆集第五巻「小爆発二件」)。
噴火する前の熱風で雲が消散したのだろうか。前兆現象の一つかもしれない。
又、他の生還者も「強い硫黄臭」を訴えていた。噴火する約30分前頃だ。風向きなどにより違うだろうが遭難回避の一つになるかもしれない。
小規模の噴火とは言え、灰は30~50cmから1mに達しているのだろう。タンカを抱えてヘリまで向かう自衛隊員の足元が危うい。
不思議にヘリが降りても灰を巻き上げない。湿っているためだろうが、これが乾いてくると巻き上げて一段と救出活動が困難になる。
今回の噴火災害で私たちは知らず知らずのうちに危険場所に近づいていたことになる。一つの警告だろう。
噴煙を吐く御嶽山遠望 TBSテレビ「ひるおび」 2014.9.29 |
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