2014年9月17日水曜日

株価は安倍政権の評価基準に適さない

安倍総理は政権の政策の評価基準に株価をあげているが、東京市場も海外投資家の割合が70%となると、安倍政権の政策での値動きより欧州経済、特に米国経済情勢で大きく動くのだ。だから株価を安倍政権の評価基準にすることは適さないのではないか。

15000円台から余り動かない株価の操作に年金基金を投入するというのだから安倍政権は狂っている。株価が下がれば投資するのだろうが、またまた海外ファンドの餌食になって終わるのではないか。

確かに安倍総理の政策、アベノミクスで株価は動いた。当初、安倍総理は自民党総裁の時に民主党政権を批判して、インフレターゲット、強力な金融政策を訴えた「口約束」だけの「期待感」から市場は円高→円安、株安→株高へと転換し、安倍総裁は評価を上げ衆院選で政権を奪い返した。

その後、円は80円ぐらいから107円台、株価も10000円を突破し、今は15000円台になったが何故か、足踏み状態だ。

その間、円安が輸入品の値上がりになり、肉類、ワイン類、コーヒーなど食品、エネルギーは生活に値上がりの影響が出て来ている。

専門家をはじめ多くの国民は「経済の悪循環」と感じるが、2%物価目標を目指す政府、日銀は「今の物価上昇は単に円安のためではなく、「量的・質的金融緩和の影響だ」と主張する。今の物価高は経済の悪循環ではなく、好循環なのだと言いたげだ。

消費税増税10%も絡んで2%物価目標を目指し、日銀はなりふり構わず「何でもやる」と言うのだ。

FRBは、量的緩和を今秋には終了し、金融正常化に向けた利上げの話も出て来ている。そうなると円安、ドル高が進むだろう。円安は益々生活に影響を及ぼすことになる。

一方で、日銀は量的緩和を継続中で円安、株高がもっと進んでも良さそうだが値動きは小さい。

更に、アベノミクス第2の矢、第3の矢は国内は勿論のこと、海外では更に評判が悪い。

第2の矢の財政再建は、歳出を減らす努力よりも消費税増税しか手がない。寧ろ国土強靱化に向けて公共投資を増やすようで予算要求枠は101兆円を越えて、過去最高の借金頼りだ。

消費税8%でも景気の停滞が見えるのに、10%への増税では何が起きるか分からない。日本経済は予断を許さぬ事態になるのだ。

ところが、10%増税派は増税しなかった場合のリスクが大きすぎると、粛々と法に則り増税をはかるべきだと主張している。

第3の矢の成長戦略に至っては、失望を買い続けている。評判が悪かったので「見直し成長戦略」を出したが、これも評判が悪い。

規制緩和、構造改革、岩盤規制へ風穴をというが、族議員、既得権益者の抵抗は大きく、「規制緩和」の言葉は残しているが、内容は大きく後退している。

とても評価出来るものではないらしい。

海外投資家が70%をしめるようになると、海外の情勢、特にアメリカの経済情勢によるNY市場の株価の影響は大きい。それに利益確保の売りが加わり株価は動く。地政学上のリスクで日本が買われることもあるがそれは瞬間だ。

安倍政権の今後の政策課題は、株価を下げること以外になさそうだ。そして海外ファンドの課題は何時、日本売りにかかるかということになる。

安倍政権は130兆円を抱える年金基金で株価を支える姑息な手に出るだろう。今までは禁じ手と言われていた手法で、株投資の割合を増やすというのだ。

だから株価は政権の評価基準にはならない。

色々問題はあるだろうが内閣支持率の世論調査しかない。


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