読売新聞 2014.9.6 |
安倍総理は最終決定権者だから「7~9月期のGDP成長率を見て」と慎重な発言に徹する。万一、間違った判断をして日本経済が混乱すれば、アベノミクスは元も子もない。支持率は下がり総理の座を退く結果にもなるから当然だろう。
メデイアは今回の改造内閣での主要閣僚の留任、自民党幹事長人事を見て、消費税10%への布石とみている。
しかし、消費税8%への移行で天候や災害の影響も否定できないが日本経済の個人消費は落ち込んでいる。日銀、政府は「反動も想定内」、「緩やかな回復基調」と強気の発言を繰り返すが、政策的発言のようにも思える。
何しろ4~6月期の成長率がマイナス6.8%だったことをどう読むかがポイントになるのだ。
選択肢は2つある。
10%へはすでに3党合意で決まっており、もし止めるとなると財政再建への政府の方針が揺らいでいると思われ、国際社会で日本がどう見られるか。市場が失望し日本売りにでも走ればその影響は計り知れない。ここは粛々と増税に向け進むべきだという説。
財務省の意向を受けて麻生財務大臣、甘利経済再生相、日銀の黒田総裁、谷垣幹事長等が積極的に増税発言をしている。谷垣さんは先の記者会見で「決まっていることとは言え、経済情勢を見極める必要はある」という意味の発言をしていた。
消費税10%への増税時、影響を最小限に抑えるために「手当が必要」とか、「日銀は更なる金融緩和をするのではないか」という人は、今に時点では危ないと思っているのではないか。
消費税10%への増税時、影響を最小限に抑えるために「手当が必要」とか、「日銀は更なる金融緩和をするのではないか」という人は、今に時点では危ないと思っているのではないか。
一方、今の経済状況を考えると、10%へは待った方が良いのではないかと言う説だ。今の経済は10%へ増税する状況になっていない。8%での影響も不確実なのだ。
経済ブレーンの浜田、本田さんは先送り説だ。浜田さんは8%の時も先送りか段階的増税を唱えていた。安倍さんはもっと多くの人の意見を聞こうと言って公聴会のようなものを開催した結果、8割が消費税8%に賛成で決断した。
経済財政諮問会議の民間委員も「消費税増税でも経済は成長する」と安倍さんをヨイショしているようだが、今度専門委員会、政策コメンテーター委員会を設置した。「万機公論に決すべし」というのだろう。
そして、8%の影響が明確にならぬままに、10%への決断が迫っている。
安倍さんは、「やったときの影響」、「やらなかったときの影響」をしっかり検討し、国民に説明すべきである。
そして、政府関係者、閣僚、政治家、日銀関係者は職をかけて責任のある発言をすべきである。
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