読売新聞 2016.3.3 |
与党の一翼を担う「平和憲法を守る」公明党も「唐突感」を匂わすが、安倍総理は最後のチャンスだと言い出した。公明党と袂を分かつ決心が出来るのか。
まだ、これと言った憲法改正のたたき台は自民党草案ぐらいだろうが、安倍総理は「これに限らない」という。国民が議論を深める必要があるというのだ。
でも、参院選に勝負をかけるとは驚く。
今まで政権、官邸、自民党幹部は負けたときの責任回避のためか「国政に影響はない」と参院選の意義を疑う発言をするのが常道手段だ。
ところが今回は憲法改正の発議が出来る2/3を参院で確保すると言うことは、「国政に影響する」ことではないのか。
しかも、安倍総理の在任中と期限を切った。何もなければ18年の9月の自民党総裁の任期切れだ。それとも延長策でも練っているのか。
憲法改正まではハードルが高い。まず衆参両院の憲法審査会で議論し合意を得なければならないが、各論に至るといろんな考えが出て来て収拾が付かなくなる。
それよりも前にどの条項をターゲットにするかだ。あらゆる面で「国のかたち」を変えることになる。
憲法9条と自衛隊の関係では、国際貢献、国防、安保ではアメリカ寄りが強まるだろうが、恐らく大きな反対運動が起き安倍総理でも収拾できないだろう。岸内閣時の安保闘争は学生、労働者が主体だったが眠っていた目を覚ますことが出来るか。
首相公選制も魅力のある改革だが選挙制度、国会改革も含まれ大きな制度改革を含む。
道州制も行政の無駄を省けるというが官僚はしたたかだ。やってみたら官僚の勢力拡大で無駄の助長になる可能性大だ。
考えてみよう。いずれも「国のかたち」を変えることになるのだ。安倍総理も所信表明で最後の最後に「国のかたち」を勇気を持って議論しようと提案したと思う。
現憲法9条の「陸海空の戦力を持たない」という規定は、終戦直後の幣原総理が「これから日本が国際社会で生きていくには軍備を放棄することしかない」と「国のかたち」を考えGHQに提案したそうだ。
今、国際社会での日本の「国のかたち」を考えたときに「軍備を持つ」ことが必要になったのか。
ところが、別の観点から見ると安倍総理の任期が18年9月まで持つのか。
消費税10%への増税での失政、17年度前半に2%物価安定目標が達成出来なかったときの責任は安倍総理にもある。憲法改正どころではない事態になりかねないのだ。
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