誰が言ったか知らないが、日銀が繰り出す追加緩和を黑田バズーカというらしいが、本当に効き目があるのか、ただの空砲だったのか。4発目が何時出るか市場は注目しているが、今回の日銀・政策決定会合では回避された。
日銀の景気の見方は「緩やかな回復」に新しい表現として「基調として」が加えられマイナス金利も思ったような効果は出ていないようだ。2%物価安定目標も「このところ弱含み」と下方修正されたという。
そして、15日の決定会合では「マイナス金利0.1%」は7vs2,80兆円の緩和は継続8vs1で決まった。審議委員に新しい動きが出て来た。2人の任期満了に伴いリフレ派と思われる委員が加わるようだ。これで黑田体制が強化されることになる。
反対意見が減ることは、政権寄りのYESマンで日銀の政策が牛耳られることになり日銀の独立性が蝕まれる。
全体的な雰囲気は「マイナス金利政策」導入後の効果を見定めたいらしいが、新聞報道などによると、円高、株安に動いた。銀行貸出残高は逆に減り、現金預金が増えた。テレビの情報番組では「金庫の売り上げ」が上がっているという。
金利も下がって、経営者にとっては借りやすい環境下にあるが受注が増えそうにないのでカネは要らないという。日銀の政策と実体経済がミスマッチか。
株安、円高が続けばデフレマインドになる。政府、日銀が要求する賃上げもマイナス金利政策で銀行は先送り、あのトヨタも昨年の実績4000円、今年の要求3000円に対して1500円で妥結するらしい。昼のニュースではベア回答も芳しくない。先行き見通しが立たないことが大きいのだ。
日銀の黑田総裁の発言は、一般常識とはかけ離れている。新聞によると黒田総裁は、「世界経済は危機ではない」、「中国経済は急激に悪化しているわけではない」、「個人消費は堅調」「人民元は先安感で投機的人民元売りで実体経済を繁栄していない」と中国経済に擁護的発言をしている。
市場に流れている疑問に答えている。
マイナス金利政策の効果が逆に円高、株安になっているのではないかと言う疑問に、黒田総裁はアベノミクスや量的・質的金融緩和による効果より、投資家のリスク回避姿勢が過度に広がり、その力が強いためだと言う。
しかし、G20での 財政出動、構造改革等が打ち出され市場は落ち着きを取り戻していると見ている。
金融緩和を2年以上続けているが物価は上昇しない。「もう限界ではないか」との疑問に、限界と言う声を完全に払しょくできたと言う。マイナス金利を導入し様々な金利を低下させる効果をねらったが、効果が鮮明になり始めたという。
融資金利、住宅ローン金利が下がり、もう少し時間をかけてみれば成果が分かるという考えだ。でも住宅ローンも切り替えが盛況なだけで新規購入は芳しくないのだ。
2%物価安定目標に対しては、「弱含み」の傾向だが、万一の時は追加緩和も辞さない姿勢に変わりはないようだ
17年度前半に達成の見込みがなければ、もう先延ばしはできない。少々は数字をごまかすだろうが、未達成なら黒田総裁は辞職すべきだ。
IMFもマイナス金利、量的緩和も非伝統的金融政策だが財政出動、構造改革を合わせれば効果も出るのではないかと提唱する。米国FOMCも追加利上げを先送りするらしい。
ケインズは、その著書で「各国がほぼ同時に減税、財政出動する必要がある」と書いていた。1930年代初めだ。
黒田総裁のバズーカ砲だけでは脱デフレ、2%物価安定目標は達成しにくい。
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