2016年3月24日木曜日

アベノミクスは破綻、日本が世界に提言する政策があるのか

海外での公式の場では儀礼上評価されていたアベノミクスも破綻は明らかで、伊勢志摩サミットで日本が世界に発信できる経済政策などないのではないか。

異次元の金融緩和策で市場にジャブジャブカネを流せば、円安、株高に進むはずだったが今、世界経済を混乱させている金融市場は「市場の見えざる手」よりも新興国や中国の経済減速、やっと見直しが始まった原油安の要因が大きく、金融政策では打開できない状況だ。

更に何かやろうとすると新興国対先進国の利害が絡んで調整どころの話ではない。

先の上海で開催されたG20でも余力のある国は財政出動、構造改革が求められたが、日本は国と地方の借金が1031兆円に達し対GDP比200%を超える先進国一悪い財政状況だ。

クルーグマン教授などは、この2~3年は債務を気にせず財政出動すべきだと言うが、益々悪化する状況では政治家は躊躇する。

中国の構造改革の必要性が叫ばれて、G20後の記者会見で麻生財務相は「中国は厳しいだろう」と感想を述べていたが,日本だって構造改革が叫ばれているが一向に進展していない。

既得権益者、官僚、政治家の利権争いで票田とも絡んで政治が動かない。規制改革だって安倍総理は「ドリルの刃となって岩盤規制に穴を開ける」と威勢の良いことを言ったが、時間が経つに従って聞こえなくなった。

アベノミクスの3本の矢は1本目の矢で円安、株高へ動いたために、効果があったように見えたのは当初だけで、今は海外の経済状況で乱高下だ。

2%物価安定目標達成に向け日銀、政府共に四苦八苦している。

3度の先送りで「その場しのぎ」をしたが、4度目はないだろう。先日あわてて安倍総理と黑田総裁が5ヶ月ぶりに会談したが2%物価安定目標の達成が出来なければ、批判が高まりお互いに辞任という線も出てくることを確認し合ったのか。

会談後黒田総裁は「躊躇なく追加緩和を」と繰り返すばかりだが、顔色は冴えない。

経済成長も「2%成長」どころか、アベノミクス3年で年平均0.6%だ。安倍総理が主張するようにGDPは増加、有効求人倍数は改善、円安、株高には動いたが、個人消費は減少、財布のひもは固いままだ。

企業の儲けを家計へ再分配しようと「賃上げ」を経済界に要求するも昨年通りには行かず、安倍総理もがっかりしていた。

アベノミクスもトリクルダウンを期待していたが、著名な経済学者が「トリクルダウンなんて見たことがない」と否定する通りになった。

アベノミクスは破綻だ。輸出が伸びたと言うが量ではなく、円換算での結果なのだと聞くとがっかりする。

そんな中でのサミットで安倍総理は何を訴えるのか。


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