讀賣新聞 2017.3.25 |
日銀の総裁任期も関連してか、メデイアや専門家は日銀の物価目標2%を遠い目標、達成不可能な目標とみている。2%の物価上昇は私たちにとって本当に幸せな経済社会になるのか。
2013年、「2年、2%」の異次元の金融政策を掲げて登場した黒田総裁だが、2014年4月に物価上昇1.5%に達したが、消費税増税で0%近辺、16年2月にはマイナス0.5%、今年1月にやっと0.1%の散々たる結果だ。
この間金融政策も変わったがそれぞれマイナス効果を伴っている。
80兆円の国債購入を続けるが、市場では国債が不足し問題が生じている。マイナス金利を導入したが地方の金融機関の収益を圧迫しだしたし、量から長期金利に転換したが国債購入が膨らむと危惧されている。
うまく行かない金融政策に海外のノーベル物理学賞受賞の経済学者が「ここは消費税増税を止め財政出動だ」と政策提言するが、日本は先進国一の借金大国で、地方、国合わせての債務は1050兆円で、今も増加の一方だ。
債権も約600兆円持っているから心配ないという学者もいるが本当のところ日本経済はどうなのか、しっかり議論し統一した見解が必要ではないか。
そして、本当に物価上昇2%が必要なのか。2%になれば私たちの生活は良くなるのか。
消費が伸びれば需給バランスから物価は上がる。企業家は消費が伸びることを実感出来れば投資をする。企業が儲かれば税収が増えるし、家計への再分配も可能になり経済の好循環が期待出来る。
しかし、消費は伸びないらしい。2回目の官製賃上げも額が減っているという。
国内需要がパッとしないので必然的に海外市場に行くがトランプ大統領は批判する。それが経済の不透明さになり経済界は慎重にならざるを得ない。
国内需要、国民の幸せを考えての「適正な物価目標」は何%なのか。0.5%と言ったところではないのか。日銀の仕事は「物価の安定」だ。2%が良いとは思えない。
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