ノーベル物理学賞受賞のクルーグマン先生、シムズ先生、エール大名誉教授の浜田先生の経済政策が正しいとは限らない。赤字財政を放置して財政出動を煽るのは今の日本経済には適さないのではないか。
クルーグマン先生はクルーグマン/コラムで今、日本で大事なのは赤字を気にせず財政出動すべきであると説いていた。浜田先生はリフレ派でアベノミクスの指南役だ。異次元の金融緩和で市場にカネを流せば物価上昇に持って行けると説く。脱デフレ戦術である。
ところが昨年、異次元の金融緩和は脱デフレに効果がないことが分かり「考え直す」という。その背後にはシムズ先生の「消費税増税は止めて財政出動すべきである」という説に目から鱗が落ちたと言うのだ。
財政出動を訴える説が多い。財政出動し景気が上向き、需要が増し企業は儲け、家計に再分配出来れば消費も増え、税収も増加し財政赤字も緩和できる。
そんな経済の好循環が実現できれば良いが、今は輸出で景気を良くしているように他国のパイを奪って需要を作っているような好ましくない経済循環なのだ。
必要なのは内需拡大だがそう簡単にはいかない。輸出を増やせば今のトランプ政権のように保護主義が台頭しグローバリゼーションに逆行する動きが出てくる。
経済学者は為政者と違って何でも好きなことを言えるが、政治家は経済運営に責任を持つことになる。
日本で言えば、国と地方の合わせた借金は1050兆円にもなり、対GDPの200%を越えている。2020年にPBの黒字化を掲げているが、今のママでは8兆円不足するらしい。
脱デフレ、2%物価上昇を掲げるがとても達成は難しいという。日銀は先送りの繰り返しだ。そのうちに黒田総裁の任期が来てしまう。安倍政権が日銀総裁を更迭するかどうかは難しい判断になる。
ところが朝日新聞(2017.3.14)波聞風問「シムズ理論「財政も無責任であれ」の危うさ」でインフレ予想を生む手っ取り早い方法があるという。それは消費税を毎年1~2%幅ずつ引き上げれば良いという。異常な金融政策を使ってでもインフレを起こそうとするのが不思議だというのだ。
一方、円安、株高で儲けた金を企業は内部留保に励み今、370兆円か。麻生財務相は「はき出せ」というが、いざという時の運転資金を考えれば大した金額ではないと経済界は反論する。
経済政策は予めテストをして効果を確かめることが出来ないので難しいと経済学者は言うが、ノーベル経済学受賞者の説も鵜呑みには出来ない。
「低金利の状況下では金融政策の効果は薄い」とは経済学で教わる事ではないか。
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