テレビ朝日 スクランブル 「南海トラフでひずみ」 2017.3.7 |
南海トラフ巨大地震は、貯まっている「ひずみ」から何時起きても不思議ではないと研究者達は言うが、他の研究から少し先になると言う学者もいる。海上保安庁は南海トラフ巨大地震の想定震源域に蓄積した「ひずみ」の観測結果を発表した。
陸側プレートに置かれた観測局 |
テレビ朝日(2017.3.7)「南海トラフでひずみ 海保の独自調査」によると、南海トラフの15箇所に観測機器を設置し海底の動きを直接観測、1年間の地殻変動を周辺のひずみの分布図として公表した。ひずみの蓄積は年に3,4,5cmで色分け、日向灘沖で2cm、高知県沖で最大の5.5cmを観測全体で一様ではなく場所によって動きが違うことが分かった。
年間5cm動く場所の方がプレート境界が固着しているために地震が起きやすいが、南海トラフは何時大きな地震が起きても不思議ではない状況だという。
場所としては日向灘、高知県沖、三重県沖、静岡県沖、愛知県沖に5cmの歪みの蓄積が見える。
産経新聞 2016.5.24 |
このデータは産経新聞(2016.5.24)「南海トラフ海底観測「東海」南西側 歪み蓄積」でも記事が掲載され地震想定見直しの必要性を訴えている。
朝日新聞(2015.10.4)科学の扉「南海トラフの地殻変動」でも海上保安庁が提供した資料で地殻変動の観測法が説明されている。陸側プレートに海底局を設置し、測量船でGPS測定をするらしい。
ところが別の研究で南海トラフ巨大地震の発生時期を推定している研究者がいる。
南海トラフ地震の起きる順番は東南海地震→東海地震→南海地震とみられ過去の経験則から2030年代に起きるとみている。京大の鎌田先生は、高知県室戸岬の北西にある室戸港の地震前後の地盤の隆起現象のデータから次に起きる南海地震は2035年頃と予測している(サンデー毎日2012.9.23)。
18年後だ。
一方、東大・地震研の瀬野先生は、今まで発生した南海トラフ地震12個の震源断層面の滑り領域を定義し、各地震の短周期地震波を出す滑り領域の違いを震度分布を推察し宝永型地震、安政型地震に2分類、安政型地震の間隔は平均約400年、宝永型地震の間隔は約350年であることが分かった。
そこで次に起きる地震は順番では安政型地震であり将来の東海地震が起きるのは200年以上先と予測した(以上、朝日新聞2013.7.18、詳細は「地震 第64巻 第2号 2012.1日本地震学会 「総合報告 南海トラフ巨大地震 瀬野」」。
東海地震、東南海地震、南海地震は単独ではなく3連動すると考えられてきた。そして更に日向灘地震などが加わり4連動も考えられ断層の長さは670km、最大でM8.8と結論づけられている。
「ひずみ」のたまりから何時起きても不思議でないと言われているが、この巨大地震が発生する前には内陸型の地震が頻発するらしい。
周辺の地震の発生に注目だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿