今回の総選挙は「未来志向」で人気挽回を目指す岸田・自民に対し野党は「政権交代の道筋をつける選挙」と言うことか。何時も選挙になるとゴタゴタの絶えない野党連合の動きだが、今回はちょっと違うようだ。
自民党・岸田総理の意外な不人気に野党は共闘体制を強めている。メデイアの報道も今までと違って好意的(?)か。
我々国民も「空気で動かず」しっかり政策を比較すべきだ。そして注意すべきは、たとえ自民党が下野したとしても自民党は「政権の座」に対する執着がある。自民党のしたたかな「政略」に気をつけなければならない。
岸田政権の「新しい資本主義」とは何か。新聞では有識者を集めた会議を設置すると言う。「成長と分配」が主要なテーマだろう。立憲民主も「再分配」を強く主張している。岸田さんと枝野さんのどっちが早く言い出したのか分からないが大きな違いはプロセスだ。
総裁選では張り切っていたが、国会審議ではトーンダウンした。岸田さんは成長してから分配と言う。しかし野党はとりあえず分配だと言う。中間層を分厚くするために給付金の交付、消費税を5%に、法人税などの見直しを掲げる。
一つの手段である金融所得課税も市場への影響を考えて岸田総理は先送りか。消費税減税などはやらないだろう。社会保障制度維持のためには確かな財源だ。
野党が言う給付金一人10万円は生活困窮者には助かるだろうが、前回は多くの人が貯蓄に回したという。
財政健全化の財務省の矢野次官は「バラマキ予算」に警告する。確かに財政出動するが景気は好転、好循環が期待でき税収が増えれば問題はないが、経済の好循環は期待できそうに無い。
アベノミクスで一時的な株高、円安で日本経済も息を吹き返したようだが、掲げる物価目標2%はいまだ未達、黒田・日銀は2%達成まで異次元の量的緩和を継続すると言う。借金の積み上で1066兆円、GDPの2倍を超える。
赤字財政も日本は特別だ。各国はGDPの3%以内を目標にしているが日本ははるかに越えている。
PB黒字化も先延ばし先延ばしで2025年と言うが無理だ。どの政権が責任を持つのか。
財源の根拠が無い限り昔の民主党政権のような公約違反になりかねない。
アベノミクスをどう検証するか、「新しい資本主義」会議の重要なテーマではないか。でもYESSMANの集まりならスルーするか。
選挙となる候補者選びと議席の確保だ。
自民党の公認争いも無く順調に進んでいるようだし、野党共闘も共産党の協力もあり順調なようだ。自民党は233議席の確保、現在276議席だから40議席減を覚悟か。麻生副総裁が「気をつけよう夜道と3回生」と言ったという。安倍前総理の強引な政局運営で多数の議員を自民党は獲得したが、今は危ないらしい。週刊誌は大物議員も落選の危機だと言う。前回の選挙で数千から数万票の差しかない議員が多い。
野党はとりあえず150議席を目指し次の選挙で政権奪取と言う。枝野さんは220選挙区で自公と一騎打ちと言う。野党共闘のポイントは共産との協力だ。共産党は共闘のために候補者の調整を行っていると言うし、連立ではなく閣外協力と言う。
気になるのは政党支持率だ。自民党44%と圧倒的に強い。一方野党は数%だ。19日から31日までにどうもっていけるかだ。
今回の選挙で自民党が下野することは無いだろうが、自民党はしたたかだ。常に「政権の座」に執着した「政略」に野党は注意が必要だ。
新聞報道で引退する伊吹さんが紹介している。民主党政権下の2012年、社会保障と税の一体改革で伊吹さんは野党の筆頭理事を務めていたとき、民主党は消費税増税を主張した時のことだ。自民党執行部は内閣不信任案の提出を考えたが伊吹さんは増税賛成で党内を説得したと言う。増税が決まれば小沢さんが反対し離党し民主党は分裂すると伊吹さんは読んだのだ。実際に分裂が早まった。伊吹さんは政策を論じつつ、「政略」を考えることが重要と言う。自民党のしたたかさを見せた。民主党政権はそこが読めなかった。
もっと面白い話がある。1993年、細川さんが非自民、非共産の8党連立政権を樹立した。社会党が連立を離脱したために野中、亀井、与謝野さんらが自社さ連立政権を樹立するウルトラCに出たのだ。自民党と社会党が手を結ぶことなど考えられなかったのだ。しかし、自民党は「政権の座」奪取のために禁じ手を出してきたのだ。
小沢さんが絡んでくると政権もうまく行かない。気に食わなければ自民党だって離党し新しい党を結党したが、今はその威勢は無い。今回の野党共闘でも小沢アレルギーが強い。
先の民主党政権は自民党にお灸を据える意味が大きかった。今回は安倍、菅政権への負のレガシーをどうするかなのだろう。自民党政権の暴挙をどう制御するか。議席数の拮抗しかない。
関連記事
2021.9.17掲載
今日の新聞を読んで(496):「自民党は変わるか」と問われれば「NO」だyamotojapan.blogspot.com/2021/09/blog-post_67.html
0 件のコメント:
コメントを投稿