進まぬ政治がかかわる疑惑解明：調査？報告書？「やっているのかいないのか」

 「政治とカネ」の問題はなかなか手が付かなく疑惑解明が進んでいない。調査したのか、報告書はあるのか、本当にやっていないのか、さらに古くは「３点セット」があるのか。

岸田政権で中心人物になった甘利さんの計１５０万円にわたる口利賄賂事件で調査したのか、報告書を公開せよと野党の追及が激しくなっている。当時、地検も捜査に乗り出し不起訴処分になった件だ。大臣室での堂々の現金授受は驚いたものだ。

しかし甘利さん側は調査する、報告すると言いながら未だ調査報告書を公開していない。おそらく「やっていないのだ」。もしやっていても不利な内容で公開できないのだ。そんなことぐらいわかっているのに野党は追及する。

岸田政権には「スネに傷」のある人材が多いという。おそらく「政治家本人の説明責任」で逃げるつもりだ。

安倍さんには森友事件、「桜を見る会」などの疑惑があるが、秘書が責任を追及されるも議員本人は不起訴だ。だから疑惑の多い安倍さんも「元気いっぱい」なのだろうが、内心は気が気ではないのだ。だから東京高検の検事長の黒川さんのような 事案も出てくる。

森友事件では再調査の必要なしと財務大臣自ら幕引きだ。亡くなった赤木さんの妻から再調査の要請が出ているが無視らしい。

岸田総理の地元からの要請もある河井事件での１．５億円の政治資金の出所調査もすでにお報告済扱いらしい。地元の自民党県連は選挙を控え苦戦が予想されるのではっきりしろと言うことだ。岸田総理は「板挟み」の状況か。

東京オリンピック招致運動のためのアドバイザーへの支払いも 「黒いかね」になっている。長野冬季オリンピックでも問題になったがウヤムヤだ。

古くは政治家のカネの動きで「３点セット」が問題になっている。契約書、カネの受け取り、領収書の３点を公開しろと言う内容だった。あのクリーンと見られていた宮澤喜一さんだ。結局、公開できず総理を辞任した。細川さんも東京佐川急便とのカネの貸し借りで要求されたはずだ。公開できず総理を辞任したはずだ。

カネの問題ばかりではない。

疑惑解明に国会への参考人招致の問題も政権与党の反対で不可能になる。人事異動で「すでに立場が変わっている」とか「民間人だから」と政権揖近い人間は自民党が反対するが、そうでない場合は証人喚問を認めている。

結局、与野党の力関係で処理されている。

最終的には選挙で疑惑の議員を落選させることだ。有権者の責任だ。それができなければ政治改革などできない。言うだけ徒労だ。