2021年10月4日月曜日

気候変動、生物多様性を考えると「旱魃」「洪水」どちらがマシか

 

新聞報道によるとブラジルのパンタナルは水不足の「旱魃」で生態系に大きな打撃となっている一方、日本、中国、欧州では洪水被害で人的被害が甚大で気候変動、地球温暖化、CO2排出が要因になっている。それとともに新興国の経済成長に伴う農業振興が頭に浮かぶが対策は難しい。 

2050年までにCO2排出実質ゼロを目指すが目標の気温上昇抑制はすでに2030年で困難なのだ。 

金融機関も生物多様性、絶滅危機を回避するために経済成長のために農業振興を回避する政策に出た。 

人間が今の生活様式を維持するには地球が1.7倍必要だという(エコロジカルフットプリント)。2030年には2倍とも言われている。

ブラジルのアマゾン地域はCO2吸収に大きな役目を果たす広い森林、湿地帯があり、3500種の植物、1000種の動物の宝庫と言われているが、それが経済発展のために森林が伐採され、農地になりサトウキビ、大豆の生産がされた結果、2019年には3年連続の水不足、山火事が多発し深さ6mの井戸も枯れたと言う。 

川の流れも変わり、川幅もせまくなり熱帯サバンナは農地となり大豆畑。大豆は日本にも輸出されていると言うのだ。新興国は耕地開発で飢えを救おうとしているが農業vs生物多様性の問題が出ている。多くの生物、植物が絶滅危機にあるのだ。 

経済学者も黙って入られない。「生物多様性の経済学(ダスクブタ・レビュー)」が2021年6月にG7で採用された。自然も私たち人間の外側にあるのではなく、経済の一部に取り込むのだと言う。 

環境破壊を伴う経済成長評価のGDPは間違った指標で疑問を投げかける。1992~2014年の間に人口資本価値は2倍、人的資本も13%増だが自然資本は40%減というのだ。自然に価値がないと考えられた結果だ。 

生物多様性の絶滅危機に当たり金融機関も投資の考え方を変更してきた。新興国の経済成長のための農地開発にもブレーキがかかれば先進国から新興国への経済支援策も見直しが必要だ。何時も地球温暖化対策で問題になるのは経済支援策だ。新興国は先進国から支援金をほしがる。世界第1位のCO2排出国の中国が削減率になると「発展途上の大国」説を打ち不利益を避けようとする。トランプ前大統領は不公平や削減、経済支援に不満を示したほどだ。 

「旱魃」、「洪水」どちらがマシかと言われれば、水無しのほうが危ない。動植物は勿論、人間も住めなくなる。 

6600万年前、隕石の衝突による気候変動で繁栄した恐竜たちが絶滅した。「第5の絶滅期」と言う。そして大量の生物が消えていく現代を「第6の

絶滅期」と言われている。

北大の小林先生は、人間の存在は恐竜にとっての隕石に相当する。「ヒト」と言う生物の一種、人間もいつかは絶滅する。生物多様性の恵みは私たちの生活には不可欠という(朝日新聞GLOBE 10/3 「恐竜に学べ」2021.10.3)。

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