読売新聞 2021.10.20より |
そうだったのか、ここ30年、賃金は伸びていないという。私が現役の時、一時3万円の賃上げがあったが、その後は実感がないのは確かだ。春闘、賃上げになると経営者は「雇用を守る」、「将来に見通しがたたない」と言い訳をする。ところが経営不振になると解雇し景気調整弁にする。
株主総会の前になると企業業績を主張するが、今後の見通しと言うことになると「見通しが立たない」という。経営者としての質が問われないのか。
専門家はいつも「生産性の向上」が必要と言う。生産技術の向上と売れる商品の開発と言うが、生産施設は安い賃金を求めて海外に出ている。それでは雇用など守れない。国内生産は品質の高い製品と言うが、海外の企業も必至だ。そううまくはいかない。
今はデジタル化が叫ばれているが対応できる中小企業はどのくらいあるか。中小企業の存在は大きい。
民主党政権以前から長く円高に苦しめられていたという。「民主党政権以来の苦難」と岸田総理は言うが、アベノミクス以来、70円台から100円台に円安が進んだ。輸出産業を中心に企業経営が改善、日本経済も息を吹き返したかに見えたが、今、110円台の円安局面だ。
いいことがあるかと思ったがそうはならない。輸入品の価格が高騰、一般生活にも影響が出ているし、ガソリンなどの値上げはWパンチとなる。動き始めた岸田政権にとっても好ましくない状況だ。
岸田総理は総裁選から「令和の所得倍増」と言い、「成長と分配」を公約に掲げたと思ったら、最近はトーンダウンだ。分配の前に成長が重要との位置づけだ。そのために数十兆円の財政出動するというが、財政出動で景気が良くなり再分配が進み経済の好循環に至った事例がない。皆が期待した金融所得課税強化も見送るらしい。
経済界も「成長し分配」の岸田政権を支持する。大企業は富裕層への課税強化など税制見直しには反対の姿勢だ。
一方、今回の選挙で野党は財政出動で生活支援などへの「分配」を掲げ、成長を目指すというのだ。1億総中流社会(立憲民主)、未来応援で1人10万円給付(公明)、「分配の原資は税金」(日本維新)、積極財政で給料を上げる(国民民主)と公約を掲げる。
さて、国民はどっちを選択するか。自民、公明vs野党共闘だ。
経済界だって時の政権に寄り添わなければやっていけない。今は自民党政権寄りだが、民主党政権時は民主党寄りだった。だから政権交代は経済界にとっても変革の時なのだ。
だから賃上げ、国民生活の改善には政権交代が手っ取り早い。今、その時なのだ。
新聞を見て驚いた。日本の平均給与は424万円、米国は763万円で340万円の差、韓国にも抜かれて38万円の差だという。この現実をどう見るか。若者は安定志向で自民寄りだが、今回は真剣に考えるときではないか。
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今日の新聞を読んで(163):若者よ 新聞を読もう、そして自民党支持を見直そう yamotojapan.blogspot.com/2018/06/blog-post_29.html
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