朝日新聞 2022.9.3 |
ニュースは25年ぶりの円安140円と言う。GDPは世界第3位、自民党政権は600兆円を目指すが実態は550兆円程度、経済指標でも気がつけば韓国、アルゼンチン、トルコ以下の内容のものがある。
「20年、30年の失われた日本」と言うが、何をしていたのか。以前から外需頼みの経済成長を批判され、内需拡大に向け時の政権は前川レポート、21世紀版前川レポートを世に問うが、ことごとく失敗した。専門家に言わせれば、企業の儲けを国民に分配するシステムができていなかったことだという。
所謂、「分配」に問題があったのだが、今回岸田総理も「分配」を指摘していたが、途中でトーンダウンし、「成長の果実を分配に」と成長優先に切り替えた。
長く円高に悩んだ日本経済もアベノミクスで円安を進め、輸出産業に恩恵となり日本経済再生に成功したかに見えたが、目指す物価上昇2%も未達(?)で海外の縮小、利上げを他所に異次元の量的緩和継続だ。
経済指標も良くない。GDPは世界第3位だが1人あたりのGDPは世界20位、賃金上昇も長く横ばいで伸びず、韓国にも遅れを取っている。
実質実効為替レートもこの20年間で円は46%下落し、デフォルトの危険のあるアルゼンチン、トルコを上回る下落だという。
こんな状況下で、G7で日本はどう評価されているのか。岸田総理出身の広島で開催するというが、日本はどんな役割を果たせるのか。
賃金の上昇もままならない。2%の上昇も物価高に追いついていない。他国は時間給1500円だが日本は1000円前後だ。驚いたことに中国が賃金の安い日本に生産拠点を移そうとしているらしい。為替から考えると工場建設もメリットがあるらしい。
25年前にも円安があった。140円から147円まで進んだという。
この特はバブルの崩壊で証券会社や銀行が破綻した。何時も経済危機になるとその要因は金融機関の不祥事だ。金融機関は儲けのために何でもやらかし、その失敗を国民に課する。
しかし、今回は日米の金利差だ。岸田総理はロシアのウクライナ侵攻による農産物、エネルギーの高騰を挙げて他人のせいにしているが、今回は日本が何をすべきかが問われている。
日本が異次元の金融緩和策をとったとき、海外の中央銀行も同じ政策を取ったが、海外では想定どおりインフレになり、今度はインフレを抑えるために緩和縮小、利上げに踏み切った。
特に米国は、9%を超えるインフレで国民生活を守るために利上げに踏み切ったが、インフレが改善できないためにさらに利上げを継続するというのだ。
金利差が広がれば円売り、ドル買いだ。日本が出来ることは金利差を縮小するために「利上げ」しかないが、利上げが日本経済にどう影響するか。恐らく景気の下押しだろうと見て、日銀は景気を支えるために異次元の金融緩和を継続するという。
しかし、黒田総裁の任期もやってくる。アベノミクスの推奨者の安倍さんもいなくなった。日銀政策委員の交代ではリフレ派以外の経済人が送り込まれている。
同じような状況は民主党政権末期の日銀・白川総裁に似ている。安倍政権はリフレ派委員を日銀に送り込んだ。それを見て、白川さんは任期を残し退陣した。
黒田さんも同じ環境におかれている。次の日銀総裁は誰か。それによって岸田政権の金融政策が分かってくる。その時経済界はどう動くか。賢い経済界だ。もう織り込み済みかもしれない。
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