賛成より反対が多かった「安倍晋三元首相の国葬」も4300人が武道館に集まり、場外の献花所にも多くの国民が集まったが、会場周辺では相変わらずの反対運動が展開されたようだ。
8年という長期政権にありがちな功罪入り乱れての安倍政権の業績も、今回の旧統一教会とのズブズブな関係が明らかになるにしたがって反対が増えたのは当然だ。選挙を差配し政策にも食い込んでいたのだから最後まで民主政治の根幹を揺るがしたことになる。
しかし、こういった「国葬」を海外の識者はどう見ているのか興味があったが、朝日新聞(2022.9.27)のマサチューセッツ工科大のリチャード・サムエルズ教授のインタビュー記事が一番説得力がある。
○今回の国葬が賛成、反対で揺れているが国葬はほとんどの国で争うべき問題ではないという。だから国を二分する議論に面食らっているというのだ。
○本来の国葬の在り方を示す海外要人の葬式としてはジョン・F・ケネデイ、エリザベス女王の2件があるという。
ケネデイは大東露湯戦で史上まれな接戦となり米国を分断、人々を分裂させたが、暗殺事件と国葬で驚くほど米国は一つになったし、エリザベス女王は普段はバラバラな英国を一つにした。しかし、独立運動を抱えているので今後どうなるか。
○何故日本は二分する事態になったか。それには法的根拠がなく政治的に決定されたことだという。岸田総理は自民党の「別なグループ」である安倍派を味方につけるために国葬を実施推進したというのだ。野党も国民の不満が高いとみて世論の支持を取り付けて統制を立て直そうとした。
全くよく見ていると思う。弱小派閥の領袖が政権を担う時、まず考えるのが「どうすれば政権を維持できるか」だ。安倍派を取り込むために麻生さんや菅さんの意見に耳江尾傾けたのだろう。
しかし、弔問外交とうたっていたが、内容は海外要人の不参加で期待通りにはいかなかった。国会でどう審議されるか。今後のかじ取りに注目だ。
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