2015年10月20日火曜日

何故だ! 強気の日銀見通し:一旦弱気になるとアベノミクスとともに安倍政権がぶっ飛ぶか

何故、日銀は経済、金融政策に強気の見通しを繰り返すのか。それには一旦弱気になるとアベノミクスの失敗となり安倍政権がぶっ飛ぶ恐れがあるのだ。期待感だけで市場は従順な姿勢を示してきたが市場の反動は日本経済は勿論のこと世界経済に混乱をもたらす。

機会ある毎の日銀エコノミストと民間エコノミストは経済指標での相反する判断を下し、将来予測に強気と弱気が出てくることに疑問も涌くが、政府と一体になった金融政策では日銀独自の弱気判断は禁物なのだ。

それでも最近の中国経済の減速で新興国の経済にも影響が出、世界経済に暗雲が立ちこめているが日銀と政府のトップ会談がしばらくはなかったことにも驚く。久しぶりに会談した黒田さんの顔色は冴えない。政府から「アベノミクスの勢いにも陰りが出て来たが金融政策に遺漏のないように」とクギを刺されているのではないか。

日銀のコメントは、経済指標が良い時は強調しすぎなほど強調し手前みそのコメントを発するが、経済指標が悪いときは近いうちに改善に向かうと期待感を煽るコメントになる。

従来から日銀黒田総裁は「緩やかな回復」基調を強調するが、最近の日銀のレポートを見てみた。10月19日の「日銀支店長会議での開会挨拶」、同じく「地域経済報告・・さくらレポート」、16日の「全国信用組合大会における挨拶」だ。

各所に見られる表現として「新興国経済の減速の影響が見られるものの緩やかな回復」がある。

支店長会議での総裁開会挨拶で輸出、生産面で新興国経済の減速の影響がみられるものの「緩やかな回復」を続けている。先行きについても「緩やかな回復」を続けていくとみられるという。物価面では、消費者物価の前年比は0%程度となっているが当面は0%程度で推移するとみる。金融システムは安定性を維持し、金融環境は飽和した状態にあると言う。

問題の質的・量的金融緩和は所定の効果を発揮、2%「物価安定目標」実現を目指し必要な時点まで継続するといい、物価目標の実現が難しくなれば追加緩和も辞さない姿勢だ。

しかし、FRBは利上げのタイミングを計っている今、いつまで、どこまで異次元の金融政策を続けるのか。出口戦略より安倍政権を維持することの方が重要のようにも聞こえる。
日銀が強気のコメントを発する背景には、地域から見た景気情勢もあるようだ。7月と比較し景気の改善度合いの判断に変化ないとし、ほとんどが「緩やかに回復している」判断だ。設備投資は緩やかな増加基調、個人消費も雇用、所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移しているとみている(さくらレポート2015.10)。

先行きについて、 輸出は新興国経済の減速した状態から脱して緩やかに回復するとみているし、企業・家計部門で所得から支出への「前向きの循環メカニズム」が働く元で緩やかな回復を続けており、内需は増加基調をたどると考えているようだ。だから国内景気も緩やかな回復を続けていくとみているのだ(全国信用組合大会における挨拶)。

今は新興国の経済の減速の影響が出ているが、それも行く行くは脱し、企業の儲けを家計に再分配する事で消費も改善することを描いているようだ。

物価基調に関しては着実に改善しており、着実に物価安定目標である2%に向け上昇率を高めていくと考えているようだ。そのためには安定的に2%が持続するために必要な時点まで「量的・質的金融緩和」を継続していくという(同上)。

どこを見ても相変わらずの強気のコメントだ。しかし、今の日銀の総裁にあってはそうした強気しか選択肢はないのだ。

19日夜のテレビで海外の専門家がアベノミクスをどう見ているかの調査を報じていた。注意して聞いていなかったので正確度は分からないが、アベノミクスの影響(?)は後退していると見ている。当初は国際会議でもアベノミクスが評価されていた(外交辞令?)と思うが、やっぱり化けの皮が剥がれたのか。


安倍政権を維持するために無理な判断をしているようだが、国民の生活を第一に考えたとき、実体経済を直視した金融政策へ修正する必要があるのではないか。 

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