2009年8月23日日曜日

「模倣」「なだれ現象」で民主党圧勝なるか


社会科学の分野で、人間の行動を予測して社会がどう動くかを研究している報文、書籍が多い。その中で「模倣」、「なだれ現象」は故人の行動を理解するのに理にかなっている戦略なのだそうだ。

 人間という者は、自分のやり方、生き方を自分で決めると考えているが、本当は他人を観察し、「模倣」するものだそうだ。それが集団で生活する場合に、役立ち理にかなっていると言われる。

 そして、何かの出来事に集団がどう反応するか考える場合でも、個人にとって「考えられる利益が損失を上回っているかどうか」つまり、損益のバランスと他人の行動や人数を考慮して行動を決めるらしい。これが往々にして「社会的なだれ現象」を起こすらしい。

 今、投票を目前に日本社会は民主党圧勝へなだれ込もうとしている。

 今回の選挙では、マニフェストが異常なまでにもてはやされている。投票に当たってマニフェストを程度の差はあれ、参考にする人が、およそ70%もいるのだ。

 しかし本当にそうなのかなと疑問に思う。多義にわたる政策に財源を考えると、その実効性に疑問符がつく。民主党の高速道路の(段階的)無料化一つをとってみても、最初に無料化可能の政策を打ち出したコンサルタント会社社長と日本道路公団民営化を推進した委員との見解は全く合わないのだ。お互いに誤解していると主張し合う。

 皆がマニフェストを参考にすると言うし、メデイアもマニフェストの検証に余念がない。ここはやっぱりマニフェストを読んでみた方が無難だと思うようになる。実際に街頭運動をやっている運動員に聞くと、マニフェストをもらいに近寄る人が多いという。

 少しでもマニフェストを見て投票に行こうとする傾向は良いことだ。

 一方、政権交代はどうなのか。自民党の長期政権、構造改革の弊害が顕在化してきた。ここは政権交代して政治のやり方を含めて根本的な見直しが必要だと思うのは当然だ。

 政権交代を誰が何時、言い始めたか覚えていないが、十数年前から政治改革が叫ばれているのだから、その頃だろう。細川政権など非自民の政権が出来、期待も大きかったが、つまらない金の問題で失脚するに至った。政治不信は国民に根深い傷をのこした。

 若者まで燃え上がった小泉構造改革は、国民に痛みだけを押しつける結果になった。今、引き続き構造改革を訴えるのは、自民党のほんの一部担ってしまい、 自民党も行き過ぎた市場原理主義はまちがいだったことを認めて(?)、構造改革からの脱却を目指した政策に転換した。「若者に希望を、高齢者には安心を 責任力ある自民党」を訴えている。

 ここは政権を交代して、新しい社会の構築を目指した方が良いとかんがえるのも当然だ。

 しかし、民主党は政権担当能力では未知数であり、不安もあるが、期待が大きい。マニフェストでも意欲が伝わってくる。

 一方、自民党は「麻生で行く」を狙っているが、麻生さんでは勝てないことが分かっており、心許ない。麻生さんは遊説で群馬に来たが、東毛の館林、伊勢崎だった。前橋、高崎でやるのが普通であるが、お呼びではなかったようだ。自民党県連に聞いてみると、予定はないと言う。

 国民は、未知数でありながら民主党に対して大きな賭けに出たのだ。麻生自民党より、鳩山民主党の方がマシなのだ。新聞報道によると、民主党は300議席に迫る圧勝にむけ雪崩現象を起こしている。

 私も無党派層の一人であるが、選挙には必ず行っている。今回も必ず行くつもりでいる。民主党に圧勝させて良いのか迷っているが、麻生さんに託して良いのかも迷う。自公が過半数とれば、麻生継投なのか。

2009年8月21日金曜日

新型インフルの脅威的蔓延を防止は、親の考え方一つ




新型インフルの猛威が伝えられている。
 4ヶ月ほど前は、死亡率は低く低毒性、湿度に弱いので夏には下火になる、高齢者には抗体があるかも知れない等、一安心出来る状態であったが、何のことはない。状況は一変している。
 特に、糖尿病などの持病のある人は重症化しやすいから特段の注意を喚起されていたが、そんな事はなく、持病のない人でも重症化している。 
 低毒性と言われていたが、10,000人に一人の死亡率だという。

 更にお粗末なことに、ワクチンが間に合わないらしい。6月に新型株を入手し、有精卵で増殖しているが、5300万人分しか用意できず、1400~1700万人分がふそくすると見られている。輸入するにも、「金持ち国だから出来ると批判」されそうで、ままならないらしい。挙げ句は、優先順位を付けるらしい。

以前、テレビで解説していた専門家も体裁が悪い。強毒性にかわる危険もあるので、安心できないと言っていた専門家もいたが、寧ろ少数で、ほとんどの専門家は「低毒性らしい」とコメントしていた。一向に前言を謝罪しないと思っていたが、よく考えると「・・・・らしい」と伝聞コメントであった。

 また、個々人の感染が注目されていたが、今は学校なのでの集団感染が問題になってきた。部活や行事に参加した生徒から感染が広がっている。9月に新学期が始まると、相当の感染拡大が心配される。

 沖縄県は断トツの感染者が出ているが、群馬県でも既にこの1週間で集団感染の疑いが9例、100人に感染の疑いが出てきたと報道されている。

 こういう場合には、感染源を特定することが、今後の防止対策に役立つのであるが、どういう訳か犯人を見つけ出すように誤解されて容易ではないらしい。

 疫学調査は欠かせないと思うし、やってやれないことはない。

 私の娘夫婦の家庭も、娘は教師をやっており、孫は保育園に行っている。9月からの蔓延の恐れは一番危ない家庭である。

 親が学校で風邪にかかると、孫に移ることになる。私のが移ったのだという。孫が風邪にかかると、「保育園で休んでいるお友達がいる?」とか「咳をしているお友達がいる?」と聞くと「○○ちゃん」と答える。「お兄ちゃんが休んでいるもんね」とさかのぼっていくことが出来る。

 保育園でも、「○○組で新型インフルエンザが発生しました」と掲示板に警告が出る。でもその先まではさかのぼれない。子供が感染し、親がウィルスを周辺にまき散らす。そんな構図になっているのかも知れない。

 脅威の蔓延を防止するのは、家庭からだ。

 うがい、手洗い、マスクの着用は当然のこととして、発熱や咳のある人、体調の悪い人は、人混みに出ないことだ。

 子供が咳をしたり、体調を崩していたりしても、共稼ぎで仕事を休む事が出来ず、保育園にやったり、学校に行かす。これが感染を拡大する要因にもなる。部活や学校の行事で参加しなければならないときもそうだ。分かっているんだが・・。

 更に悪いことに、症状が軽くて、何もせず自然に治ったようになる場合もあるらしい。大したことはないだろうと考え、人前に出て感染拡大させる場合も考えられる。
孫で経験したことだが、咳も出ず、体温がチョット高めの時に医者に行った。医者も「風邪だろう。大したことはないが念のためインフルエンザの検査をしてみよう」と検査をしたら、「A型です」と言われた。平熱になって4日間は人前に出ないように」と注意を受けてリレンザをもらった。

 うっかり見逃すところであった。その後、もう一人の孫もかかった。

 判断の難しい時もあるが、新型インフルは重症化すると言うことを考えると、早め早めの処置が大切だ。これが脅威の蔓延を防止する手だ。

 それに、マスクはお互いに適正に使用すべきである。

 感染している人、熱のある人、咳の出る人、感染者に接触した可能性のある人等が、他人に移すのを防止するために、マスクを着用することは効果があるが、健康な人が感染するのを防ぐためにマスクを着用するのは、ムダな事だと思う。

 先の流行時には、電車に乗ると、マスクを着用している人の周りの方が、着用していない人の周りよりも安全と思える光景があったが、既に「社会のなだれ現象」のように、流行している地域では、マスクの姿が目立つが、本来着用すべき人が着用しないので、皆が感染防止のために着用するようになる。

 資源のムダ遣いにもなるし、こんな事でメーカーや薬店が儲かり、GDPが少々上がっても仕方がない。

 厚生労働相の舛添さんは、これに至った原因を「国民の慢心」にもあると言ったそうだが、ある意味では言い当てている。

 新型インフルの蔓延防止には、家庭の知恵が必要なのだ。

2009年8月19日水曜日

これでいいのか選挙戦 政治を低俗化させるな!


これで良いのか選挙戦 政治を低俗化させるな!
 今回の選挙は、自民党が生き残れるか、民主が躍進できるか。二大政党による政権選択の可能な今後の政治体制が作れるかどうかの大切な選挙である。

 そんな中で、小泉チルドレンという言葉が飛び交い、「わたしのいうことを聞いてくれない。人生いろいろ、総裁もいろいろだから仕方ない」と小泉チルドレンで、今回比例区の順位が下位になったために立候補を断念した猪口さんから小泉さんの言葉が紹介された。
 
真面目な国会での年金未加入問題で審議中に、「人生いろいろ、会社いろいろ・・」と論争点をはぐらかし、その言動に総理の言葉の軽さが目立った小泉さんのお得意のフレーズであるが、小泉さんも引退した。80人近いチルドレンのうち、今回65人が小選挙区に立候補し、当選の可能性は5人前後と見られている。

 これといって仕事を果たせなかったチルドレンは、淘汰して欲しいモノだが、今度は民主党で小沢チルドレンが生まれそうなのだ。

 民主党で選挙を牛耳っている小沢さんが、自分の息のかかった者、塾出身者を候補者に仕立てているのだ。民主党が圧勝すれば、民主党内で親小沢におなり、小沢vs反小沢の図式ができあがり、党内抗争、ひいては政治の混乱を巻き起こしかねない。民主党が政権についた場合は、政治空白も心配される。

 民主党内でもそれを危惧する良識派もいるし、有権者にも「自民党の方がまだまし」と見ている者もいるはずだ。

 あれほど批判(?)された小泉手法を、小沢さんはそっくりまねをしていることになる。
刺客、チルドレン、姫の・・・等は、メデイアが作った言葉かも知れないが、1人のカリスマ政治家に踊らされた選挙戦だ。「国民のための政治」に向けた選挙より、「自分の目的達成のため」の選挙になっている。

 更に比例区が設けられたために、選挙もおかしくなってきた。得票数で優劣を決める事もさることながら、順位、惜敗率も加わり、情報を駆使した選挙技術が問われるようになった。比例区に投じた1票が、人気やタレント性しかない意外な人の候補者を上げることになるし、小選挙区で落ちた候補者が再び上がってくる。小選挙区の結果は何だったのかと疑問に思う事もある。こんなんであれば、比例区は「不必要」と書いて無効票にしたい気になる。

 国会議員の何たるかを理解できないままに、多くの議員が国会に登ってきて、教育も行き渡らずむなしい4年間を過ごした小泉チルドレンの二の舞になって欲しくない。
 国会議員は1人、年間約1億円の血税がかかっている。4年間で4億円の高い買い者なのだ。危ない交友関係、金脈、疑惑のある政治資金等に関わる欠陥者出てくる。マニフェストもさることながら、人間性もしっかり見なければならない。

 今回の総選挙で、769億円の税金が使われる。投票・開票作業などの人件費に占める割合が大きいだろうが、候補者数1人あたり6000万円の経費がかかる。

 メデイアも選挙報道をするだろうが、面白おかしく低俗化した報道は辞めて欲しい。私達もメデイアに迷わされず、候補者の甘い話に乗ることなしに、しっかり人物で評価すべきである。

 そして、小選挙区、地方ブロックの比例区で選ぶ国会議員でも「国民全体の代表」である。他の選挙区の人に恥ずかしい人物を選んではいけない。

2009年8月18日火曜日

最優先課題は労働者の生活確保だ


 やっと総選挙の公示になった。

 未だ、マニフェストの検証がされているが、その論点は政策もさることながら、財源に尽きているようだ。その曖昧さを麻生さんは、責任力で民主党を反撃している。しかし、自民党だってこの10年で300兆円の借金を積み上げ、今は確か820兆円位になっている。自民党の責任はどう考えているのか。

 ところで、各党がマニフェストで政策を競い合っているが、概して総花的で優先順位を付けた政策実現が大事だと批判されている。

 麻生さんは、経済成長率もプラスに転じたし、景気回復の実感はまだ湧かないが、自分が日本経済を回復させるので、このまま政権を執らせて欲しいと訴える。

 確かに、職探しをやっている人の話を聞くと、30回面接を受けてもまだ見つからず、以前厳しい状況に変わりはないらしい。

 それなりの職を見つけ、収入を得るだけでなく、景気が回復し、企業も儲け、給料も上がる事が重要であるが、今は低価格競争の真っ最中である。ある家具メーカーは、「更に値下げしました」をキャッチフレーズにしている。その経営者は「儲けようとすると客は来ないが、損しようとすると客が来る」と、今の小売市場を良く言い表している。

 なかなかデフレから脱却出来る状況にない。雇用や家計に大きな足かせになっている。
現状は、残念ながら年収200万円以下の人が1000万人にも達し、生活保護は月13万円であるが、働いても月10万円というおかしい状況になっている。

 「安心、安全」「生活第一」を訴えるのであれば、若年労働者を含めた、「労働者の生活確保」が最優先課題になって当然である。

 民主党は最低賃金で全国平均で1000円を目指すという。今は地域によって異なるが600~700円だろう。

 これは中小企業にとっては問題でもあるらしい。パート従業員の給料上げると、正社員の給料も上げなければならなくなる。もろに人件費にきいてくるのだ。今の状況で実効性のある政策なのか。

大企業はリーマンショック以来、派遣社員や期間従業員の契約解除で、その場をしのいできた。しかし、中小企業の経営者は、最後の最後まで雇用の確保を目指した。従業員の解雇は、即廃業なのだ。 わたしも昨年東京都大田区の中小企業街を見て歩いたことがあるが、「何故大企業は、もっと踏ん張れないのか」と批判する経営者にあった。

 大企業だって勝手なことばかりやっていてはダメだ。人件費を抑えて儲けるだけ儲けてまずくなったら首切りでは企業の社会的責任を果たしたことにならない。企業の収益に貢献した割合だけ、何らかの救済をするべきである。儲け逃げは許されない。

 非正規雇用者税など、税金で何らかのセーフテイーネットの構築が必要になる。

 結婚、子育て、持ち家などの生活環境を確保することは、将来にわたり良質の労働力の再生産、供給に重要である。これが出来なければ、ゆくゆくは企業の存続にも関わってくる。外国人労働者や海外進出ばかりで対応出来るモノではない。

 景気が回復すれば、税金での救済はしなくて済むが、それまでは救済が必要である。若者の生活環境の確保こそ景気回復へと繋がるのだ。

 生活格差も学歴格差と関連している。中学校しか出ていない。高校は中退した人達には、技術取得の道を開く必要があるが、要はそうした人を受け入れる職種、企業があるかと言うことだ。企業にとってみれば、経験のある人材の方が良いに決まっている。

 メデイアで、生活苦を見るたびに、考えさせられることが多い。

 シングルマザー、シングルパパとして奮闘している人達も多いようだ。丁度、子供さんが孫と同じ年代なので、余計にそうなる。シングルマザーには補助金がつくが、シングルパパには補助金がつかないと言うおかしげな事もある。収入面を考えれば男の方が多いのは当然としても、子育てを考えると、通常の仕事には就けないはずだ。おなじような補助が必要だ。

 このような話を聞く度に、おじいちゃん、おばあちゃんはどうしているのかと疑問に思う。理由が離婚か死別か分からないが、家族での助け合いはどうなっているのか。

 最近のアンバランスな問題が頭に残っている。

 宇宙飛行士の確か野口さんが、4ヶ月という長期の宇宙生活から、無事帰還出来たとして、大喜びの映像を見ながら、一方で、緊急時に患者を病院へ運ぶドクター・ヘリの運営がピンチだという。
 
 250回の出動で補助金が出されているが、この出動回数が2~3倍にのぼり、一機あたり年間約1億円の赤字だという。その赤字分はヘリ会社が社会的責任を考え他の収益から補填しているというのだが、全国で18機が稼働しているので年間20億円の赤字だ。

 宇宙開発に何を期待しているのか分からないが、莫大な予算が使われているのだろう。その予算の一部を削れば、貴重な生命を救う事の出来る救急救命事業を継続することが出来るのだ。

 また、この特集を見ていて驚いたことがある。このドクターヘリを飛ばしている企業が作った機構の理事長に国松さんがついていることだ。警察庁長官の時に、マンションを出て直ぐに、オーム真理教の人間に狙撃された人なのだ。その後スイス大使になったと聞いているが、今、機構の理事長になっている。

 高級官僚の天下り、渡り(?)の現実をここでも見ることが出来た。いつまで経っても仕事に有り付ける国家公務員の利得は頭に来る。

 財源がないのであれば、なおさらのこと、優先順位を付けた政策課題に取り組まければならないし、仕組みも見直して欲しい。そこに民主党への期待があるのだろう。

 ノーベル賞受賞のクルーグマン教授も指摘している。

 今、最も弱い人をアメリカや日本でたすけることは、需要を維持するために良いことだ。裕福な人に優遇税制措置をしても経済効果はない。今やるべき事は、失業手当を強化して、出来るだけ弱い人をたすけることだ。個人的な危機を乗り越えさせる事だ。「良き道徳はよき経済学である」(危機突破の経済学 ポール・クルーグマン PHP 2009.6.17)。

2009年8月15日土曜日

今の日本に必要なマニフェストはどんなものか


どういう政策で課題を実現していくか。
 各党といっても政権選択を考えて自民、民主のマニフェスト比較になるが、こっちは自民案、あっちは民主案と大方が迷う。

 国民が一番重要視していると思われる、雇用、子育てをとってみても、職を探している人、お母さん方にとっても、自分の生活環境で選択する政策も変わってくる。
 自民党は景気を良くして今後3年間で約200万人の雇用を確保するという。そして日雇派遣を原則禁止し、定年延長や65歳以上の継続雇用を助成するという。一方民主党は中小企業を支援し、最低賃金を1000円荷揚げ、月額10万円で手当つき職業訓練を計画している。

 これに大して今職を探している人の評価は、職業訓練しても、その受け皿がなければ何にもならないし、最低賃金上げればしごとを見つけるのが益々厳しくなるのではないかと不安を除かせる。30回も面接を受けて見つからない話を聞くと現実はかなり厳しいようだ。

 今の景気も、政府が発表する経済指標では、底打ち、改善の気配がするが、実感とはかけ離れている。「選挙目当ての甘い判断になっているのでは」と疑いも出てくる。

 子育て支援もいろんな意見がある。待機児童が2万人に達したといい、保育園の充実が優先課題だ。申し込みをしても予約が取れない。今育児休暇中であるが、1人の収入でやって行くには厳しい。驚いたことに、まだ生まれていないのに「預けられるか」の問い合わせが増えたという。
 
自民党は3~5歳の幼児教育の無償化を言い、民主党は子供手当月額26000円を支給するという。金額を見て助かりますという声もあるが、手当よりも施設の充実ではないのか。

 かなり前に、東京都の石原知事が、「いい建物を見つけて保育所にしようと考えたが、国の設置基準が厳しく、断念せざるを得なかった」と発言していたことがある。まずやらなければならないことは、古い設置基準を改正することではないのか。これこそ構造改革ではないのか。

 自民、民主の打ち出す政策が、バラマキと批判されているが、政策課題の本質をチョットはずれている感じがする。もっと現場の意見をしっかり聞かなければ、借金を増やすバラマキ予算の域をでない。

 他の課題も同様だ。なかなか優劣の判断が出来ない。

 先日民間のシンクタンクなど9団体が、マニフェストの検証大会を実施した。その結果を新聞で見た。

 自民党は、地方分権、財政、外交・安保で、民主党は社会保障、雇用、政権運営ビジョンでそれぞれ点数を稼いでいる。

 各政策課題での各団体の点数を合計すると、自民党2237点、民主党2307点でかろうじて民主党ががんばっているが、シンクタンクなどの評価はどっちもどっちなのだ。

 「効果のないバラツキ、どんな社会を築こうとしているのか、財源が乏しいので「これとこれをする」と優先順位を付けたら」と評価は厳しい。

 私も、今の日本でどんな政策が必要なのか、詳しい情報を持っていないので分からない。

 そこで、民間シンクタンクは、合同で「今の日本に必要な具体的な政策提言」したらどうか。各党の政策も恐らくシンクタンクや官僚のアドバイスをうけ、それに政治判断を加えて作成したモノだろうが、

 変な政治的配慮のない、官僚の思惑のない「国民のため」の政策提案を期待する。

2009年8月13日木曜日

高速道の渋滞対策:走行車線の方が早い、上り坂では速度を上げろ




今年も帰省の時期がやってきた。ETCの割引が拡大された事もあり、車での帰省が増えるらしい。
 私も、3年前までは、母が実家で一人暮らししていたために、お盆と正月は家族で帰省していたが、母が亡くなってからはその必要もなくなった。私にとって帰省は休暇と言うよりも仕事の一つだった。

 長距離運転は苦にはならなかったし、なによりも車の方が金額的には安い。新幹線で家内と2人で帰省する場合を比較すると、金銭的にはETC割引拡大がないとき、金額では1/2、CO2排出量は逆に7倍になる。地球環境のことを考えるとまずい。

 更に、毎度感じる事は、渋滞で時間がかかることだ。距離にして約670km、時間で約10時間だ。トータで50~70kmの渋滞に出くわす。その場所も決まっている。

 しかし、30kmの渋滞に遭っても、渋滞区間を過ぎると、何が原因だったのか分からない。事故渋滞の時は、事故車が路肩などに止まっているので、これが原因だと分かるが自然渋滞はくせ者だ。

 サグ(たるみ:下り坂上り坂)、トンネルの入り口、先頭に低速車などが原因であることは分かっている。

 どうして自然渋滞が始まるのか? 以前、フジテレビが「高速道での渋滞と回避法」を放映したことがある(2003.10.13)。

 名古屋大情報科学研究科の杉山先生達の研究によると、10分で自然渋滞は発生する。車間距離、速度を一定にして車を走らすが、時間が経つと車間距離の詰まったグループが出来、ブレーキを踏む車が出てくる、そして自然渋滞が始まるのだ。

 サグ(上り坂)がある限り、自然渋滞は決して無くならないと言う。サグがあると上り坂を気づかず減速になり、後続車も次々に減速していく。そして後方では渋滞が始まる。

 回避法は、安全運転では逆説になるが、「上り坂では速度を上げる」ことだ。

 走行車線と追い越し車線のどちらを走るか(勿論、通常は走行車線を走らなければならないが)。
 「どちらの車線を走ると早いか」は、いつも迷う。
走行車線はIC、SAへの出があると進むが、入りがあると遅れる事になる。迷って追い越し車線に移ると、走行車線の方が進む。
 
 しかし、これもプロドライバーの証言や、実験から「渋滞時は、走行車線の方が早い」のだ。

 高速道での渋滞防止は、車間距離、速度を一定に保つことであるが、上り坂にさしかかると速度が落ちてくるので速度を上げるようにする。万一渋滞に出くわしたときは、走行車線を走る方が早い。

 楽しい帰省だし、旅行だ。渋滞にはまってもイライラしないことだ。

2009年8月11日火曜日

意外に被害の少ない駿河湾地震 防災意識の問題か




まず、今回の駿河湾の地震で被害に遭われた方々に、お見舞い申し上げます。
 私の住んでいる群馬県安中市は、地震による揺れが少ないところである。南関東震源域などで発生する震度3程度の地震でも揺れを感じない。テレビのテロップで地震情報が流れて初めて、地震が起こったのかと知るほどである。しかし、11日早朝に発生した駿河湾での地震は、2度揺れを感じた。娘が東京に住んでいるので、心配になったのだろう、家内も飛び起きて、テレビを付けた・。
 しばらくして震源は駿河湾で御前崎北東35km、深さ23km。最大震度6弱、地震の規模はM6.6(後で6.5に修正)だ。
 駿河湾というと、2日前の9日にも関東、東北で震度4を観測する地震が発生したばかりだ。この時は、震源は東海道南方沖で震源の深さは340km、規模はM6.9だ。
 誰だって、東海地震との関連を心配する。

 東海地震は、前回(1854年)発生してからすでに発生間隔(過去4回の発生間隔の107,102,147年)を過ぎている。何時起きても不思議ではない。さらに、この付近は、今後30年以内に震度6弱の地震が起きる確率も高い(26%以上)地域になっている。

 しかし、東海地震の想定規模はM8以上だ。規模が小さすぎる。タイプも逆断層型だが、今回は横揺れだ。

 震度6弱程度の地震にしては、被害の少なさに驚く。大体地震の被害は、最初は少ないが、状況が分かるに従って、だんだん多くなってくるモノであるが、今回は驚くほど少ない。
 2時頃の集計では、負傷者72人(しかし、90人を越えているとも言われている)、住宅被害は674棟、火災4件、停電、断水も発生しているようだ。東海地震は巨大地震、南海、東南海地震が連動すれば超巨大地震になる。その危険が指摘されて、住宅の耐震補強などが進んだのだろう。家具類の転倒による被害も多いが、その転倒防止対策も進んでいるのだろう。

 日本家屋では、屋根瓦の被害はあるものの、古い家屋ではペシャンコになる被害も出てくるのだが、そのような映像は見受けない。瓦も軽く、大広間を少なくして壁にしているのだろうか。

 ブロック塀の倒壊も少ない。鉄筋を入れて補強しているのだろう。

 新潟県中越事件では、新幹線脱線事故も発生していたが、今回は東海道新幹線では、特に異常はなかったようだ。

 しかし、東名高速道では、牧ノ原SA付近で路盤の盛り土部分が約40m程崩れているし、菊川橋では5~10cmの段差が出来た。降雨も影響しての事だろうが、土木工事で盛り土をやった箇所は、要注意箇所だ。

 また、気を付けなければならないのが、水が溜まっている場所だ。ダム周辺の地滑りはよく経験する。今回は駿河城のお堀の石垣が一部、崩れた。関東大地震でも小田原城の石垣が崩れた(お堀のそばかどうかは知らない)。基礎部が水を含んでいると危険だ。

 今回の地震は広い範囲で揺れた。長周期地震動は、日本のどこで地震が発生しようが東京を揺らす。今回も渋谷(?)のマンションで25階で水道管が破裂して、エントランスまで水浸しになった。

 恐らく今後、被害状況が調査され、問題点も出てくるだろう。何故、被害が少なかったのか知りたい。実際の東海地震では、この約150倍の揺れになる。更に悪いことに東海、南海、東南海の3つの地震が同時に発生した歴史もあるらしい。日本の交通の要所でもあり被害は想像に絶するものだろう。

 被害を少なくするのは、人間の知恵なのだが、「まだ大丈夫だろう」という意識が強く、我が家もなかなか進まない。