2014年8月9日土曜日

ブラック企業「すき家」の赤字転落:従業員を使い捨てにする企業の結末か

牛丼チェーン「すき家」が従業員の過酷な労働があだになり「人手不足」から経営改善が必要になり赤字転落、一時は脚光を浴びることになったが従業員を使い捨てする企業の結末となった。

「すき家」というと深夜に強盗に入られる事件が続き、どうしたのかと思っていたが深夜の一人勤務と手薄になったときに強盗に入られることになったのだ。深夜に一人勤務とは物騒だ。

そのうちに「すき家」の労働環境の過酷さが浮き彫りになり労働基準監督署からの警告も無視し、アルバイト、パートの非正規従業員の酷使で企業収益を上げていたのだ。先の第三者委員会の調査報告はこれが上場企業のやることかと驚くばかりだった。

しかし、そんな悪行は長続きしない。景気が好転すると「人手不足」をきたしたが「従業員を使い捨て」にする企業に人が集まらなくなった。当然のことで深夜業務、店舗拡大にも支障が出てくるようになり営業の縮小を余儀なくされ今まで通りの拡大経営は出来なくなった。

赤字転落は当然で一気に企業評価が下落した。

余った労働力をサービス産業が吸収する第三次産業の重要性が叫ばれたが、第2次産業である製造業に比べ賃金を含めた労働環境の悪さは問題になっていたが、サービス業は個人経営、小企業が多く改善は難しい状況だった。

最近では長時間労働、従業員の自殺、残業代ゼロなど反社会的企業を「ブラック企業」と言うようになり、当該経営者の「ブラック企業」否定の発言が飛び交った。

そして、8日、どういうわけか知らないが2大新聞が「すき家」を社説で取り上げた。

朝日新聞が「すき家の教訓 使い捨てにはその報い」で、従業員を大切にしない企業には、しっぺ返しがある。経営者は胸に刻んで欲しいと言い、読売新聞が「すき家過重労働 赤字は従業員軽視のツケだ」で取り締まりに当たる労働基準監督官は、労働者1人あたりお0.5人で、多くの主要国を下回っている。政府は違法行為の監視・摘発が十分かどうか、しっかり点検して欲しいという。

ほとんどの大企業も従業員数削減、給料カットで人件費を抑えた経営に走る一方で巨額の内部留保、株主還元を行ってきた。クルーグマン教授も「今の企業収益は、労働者を犠牲に上に成り立っている」と言わしめた程だ。

ところが全ての企業がそうだったわけではない。従業員の首切りもせず、製品の品質特化で収益を上げ経営者と従業員の信頼の上に好経営を続けている企業もあるのだ。

週刊新潮(2014.8.14)の「墓碑銘」で未来工業の山田照男さんが紹介されていた。

電気設備資材メーカーの未来工業は約800人、グループ全体でも1100人の企業だが、就業時間は1日7時間15分、残業禁止、年間休日140日、定年は70歳、育児休暇は3年という先取りしたうらやましいほどの企業風土だ。全員が正社員で連結売り上げは352億円、経常利益は約51億円だ。

80種類以上の製品を持っているが、主力は3種類で他は赤字だという。誰かが言っていたが、赤字製品があるから製品の改良など経営が出来るので赤字は決して悪くないというのだ。

経済学者の森永卓郎さんがコメントしていた。「近年は道具のように人を使うが、人をコスト扱いにして利益を出しても未来はない」、「山田さんの経営は人が生きる上で理にかなっている」といい、「今こそ必要な成長戦略の手本だ」と評価する。

デフレ下で経営が厳しい時も従業員の雇用を守り続けた中小企業の経営者の話はテレビなどで紹介されている。財界のように「おねだりばかりする」ことを批判する経営者もいた。

そして企業の収益を重視した新しい株価指数「JPX日経インデックス400」でも営業利益、時価総額、コーポレートガバナンス、情報公開などを加味した400銘柄を選定し、年に1度入れ替えをすると言う。

今回ブラック企業「すき家」を経営するゼンショ-・ホールデイングも社会問題化と株価の低迷で除外対象になったという。

経営者も襟を正してやっていかなければ市場の評価を得にくくなるのだ。


地政学リスクの中で円、国債が何故、安全資産?:その根底に平和憲法の第9条があるのではないか

欧米で何かあると市場は為替、株価で反応し安全資産として円、国債が買われ株安になる。日本の経済情勢を考えても本当に日本は安全資産なのかと思うのだが、やっぱり平和憲法の第9条があるためではないか。

その憲法第9条も解釈見直しで集団的自衛権行使の容認に向け閣議決定し関連法案の改正、制定が予定されている。

「戦争には無関係」と思われた日本も国際紛争へ一歩踏み込むことになると、何時までも「安全資産」と言ってはいられない。

8日の株価は4番目の大きさである450円安で2ヶ月ぶりに15000円を割り込んだ。イラク、ウクライナの情勢も緊迫感を増し地政学的リスクが高まったことが大きく影響しているらしい。

逆に市場はリスク回避で円や国債の買いに走った。円相場は102円半ばから101円前半に値上がりし、国債の長期金利は0.5%へ下がった。

市場は円、国債を安全資産と考えたのだ。

でも、本当に日本は安全資産なのか。

G20,IMFからは国の借金を減らせと勧告されている。今、1039兆円で来年3月には1143兆円になると予測され、対GDP比は先進国一悪い200%越えだが、逆に資産も持っていると安心する向きもある。

アベノミクスの効果で経済成長しGDPが増えれば対GDP比も改善するがそれも大変なようだ。民間予測のGDP成長率はマイナス7%、経常収支は初めて5075億円の赤字になり、続く消費税増税10%はどうなるか。

安倍政権は海外の企業を誘致しようと法人税下げなど企業活動がしやすいように環境整備に努めているが日本企業の海外進出は進んでいるので輸出はそんなに伸びない。

悲観論ばかり言ってもいられない。希望を持ちたいところだが、日本の安全資産の考え方は、やっぱり平和憲法第9条にあるのではないか。これは世界の誰でもが認めることではなかろうか。

「日本の今の繁栄は第9条の元での平和憲法にある」とよく言われることだし、先日の広島での平和記念式典で広島市長は「日本は69年間戦争をやってこなかったことを重く受け止めるべきである」とのメッセージを世界に発信した。

ところがその平和憲法の根源である「第9条」が安倍総理の集団的樹影権行使の解釈見直しで変質しようとしている。

一政権の閣議決定の効力に疑問も残るが、安倍政権が続く限り効力は続く。今後の関連法案改正、制定が国会審議に上ってくる。その都度、憲法9条違反と聲髙に訴えても閣議決定はしているし、内閣法制局も人事介入で行使容認に傾いている。訴訟に持ち込めば最高裁の判断が出るだろうが、安倍政権は最高裁長官人事にも口出ししている。

国民の民意は、沖縄県知事選、福島県知事選などに続く地方統一選挙で反映させることになるだろうが、姑息にも安倍政権は関連法案の提出を統一地方選の後にしようとし、国民の批判を回避しようとしている。

ところで今、読売新聞が「昭和時代」の特集を組んでおり、9日は「憲法制定(上)」で「米国、日本の試案を拒否」の記事が掲載された。

日本国憲法は「押しつけられた憲法」との批判があり憲法改正を訴える議員、政党が多くなってきたが本当の経緯はこの記事である程度知ることが出来る。

確かにマッカーサーに押しつけられたように見えるが、米・国務省、極東委員会の案では「戦争放棄」は記されておらずマッカーサーGHQの意向が大きく影響したのだ。

当時、日本も明治憲法の改正は前提とせず、解釈、運用や法律の改正で対応できると考えて「憲法改正要綱」を提出したが、GHQは民主主義に反すると拒否し、GHQ自ら草案を作ったのだ。

戦争を経験した人は、この憲法を見て「これで日本は民主主義国家になれる」と涙したものだ。

そういう経緯のある日本国憲法第9条を国民の審判なしで、解釈、運用、法改正で異質なものに替えようとしているのだ。
これで世界の市場が「日本も戦争に巻き込まれる危険がある」と判断したら、日本の円、国債は安全資産と考えるだろうか。


憲法9条があるために日本は安全資産と思われているのではないか。

2014年8月8日金曜日

佐世保・女子高生殺人事件に見る個人情報守秘義務:厳格な使われ方、ルーズな使われ方、そして途中でプッツンした情報

最近厳格に使われ出した個人情報の守秘義務、一方でルーズな使われ方をしている電話番号、メールアドレス、そして生まれてきたが途中で情報がプッツンしている幼児虐待、行くへ不明児童の増加は社会問題化してきた。

今回の佐世保の女子高生殺人事件は、過剰な情報守秘で重大な事件を未然に防止できなかった可能性が出てきた。精神科医は加害者の女子高生の狂気な行動が殺人事件につながると懸念しながら、県のこども・女性・障害者支援センターには女子高生の名前を告げづに相談した結果、支援センターは女子高生の特定や警察、保健所への連絡をしなかった。

そしてこの女子高生が殺人事件を起こした結果、医師の秘密保護の「正当な理由」に該当するかどうか、児童相談所、学校の対応の是非が問われている。

この種の事件が発生すると何時も問題になるのが、個人情報の守秘、生命の安全なのだ。

そして「過剰な秘密保護」を主張して責任逃れしようとする傾向にある。

実際に担当者としては現場での判断が難しい時もあるだろうが、所内での調査は完全にやるべきだ。それが中途半端だからいつも同じことを繰り返し「もう一歩踏み込めば良かった」ということになる。

第三者に安易に情報を漏らしてはいけないが、学校、教育委員会、児童相談所内では落ち度を指摘されることのないようにできる限りのことをやるべきなのだ。これは担当者のセンスの問題だ。

ところが、個人情報がいとも簡単に使われていることもある。電話番号やメールアドレスだ。

今は何をやるにしても書類を作成するのに名前、住所のほかに電話番号は勿論のことメールアドレスまで必須の記入項目になっている。

それが個人のIDとして使用されているのだ。役所でもそうだ。前に国民総背番号制が話題になったことがあるが、個人情報保護で反対意見が多かった。でも背番号のかわりに電話番号が利用されている

ネットでも通販や申込で電話番号、メールアドレスは必須の記入項目だ。

最近、10年ほど前に契約した内容を変更しようとした際に、名前の次に電話番号を打ち込んだが「この電話番号は間違っています。よく確かめて入力してください」というメッセージが出て画面が進まない。もう一度丁寧に確認しながら打ち込むが結果は同じだ。よく考えると、東京に移る前の電話番号かもしれないと思って思い出しながら打ち込むと画面が移動した。

メールアドレスも同じことがあった。

そのためかどうかは知らないが、今電話帳に個人の固定電話番号を載せない人が多くなってきた。

自治会の仕事をしているときに連絡したくても電話番号が分からないのでわざわざ行って話をしなければならないことが頻繁に発生した。

聞くところによると、知らない人が頻繁にかけてくるのでわずらわしくなって載せていないのだという。自治会の班長をお願いするにあたって連絡法を確保しなければならないので、自治会の名簿に電話番号の登録を了解してもらったことがある。

同じことが東京に来てマンションに管理組合での役員と連絡法で問題になった。私の住んでいるマンションは誰が理事であるかは議事録を見ればわかるが、連絡する時の電話番号は個人情報保護のため記載されていないのだ。

地震発生時など緊急事態の場合の理事への連絡をどうすればいいのかということになる。

そして、これはあってはならないことだが、生まれても途中で情報がプッツンし、教育など行政サービスも受けれない事態、更には行くへ不明と言うのだ。

幼児・児童虐待、行くへ不明者の増加は社会問題化してきた。

必要なところに情報がなく、守秘義務を厳格に解するために重大事件を未然に防止できない。

難しいご時世になってきたものだが、要は相手を信じていないことだ。

ベネッセの名簿が情報管理の下請けのエンジニアによって外部の業者に売り渡される事件が発生した。ベネッセの経営にも大きく影響するが、情報管理の在り方が問われている。



STAP細胞論文不正での処分急げ:裁判を恐れず理研は懲戒解雇、早稲田大は学位の取り消しを

STAP細胞不正問題で理研も早稲田大も小保方さんの処分を先送りしそうに思えるが、小保方さんの抱える弁護団を恐れることなく、理研は懲戒解雇、早稲田大は学位取り消しで収拾に向け、一日も早く信用回復の途につくべきではないか。

先送りし、処分が遅れれば遅れるほど組織のガバナンスの欠如で批判を浴びるだけだ。

論文不正のキーパーソンと思われた笹井さんは真実を言うことなく「疲れた」と死を選んだ。笹井さんが今回の不正事件で自分の責任をどう感じているのか分からなかったが、今回の死を機会に理研は公表した。

メデイアの報道によると、3月には副センター長を辞任したい、理研を辞めたいと申し出した。これに対して理研は「検証実験の結果が出るまで待て」と慰留したそうだ。笹井さんにしてみれば処分が宙ぶらりんになり、どうにも身動きできない状況に相当悩んだはずだ。

その間の入院したり、投薬の状況からも容易に推測できる。

笹井さんも自分の責任については覚悟を決めていたようで、メデイアの報道によると、年内に自分の研究室の閉鎖を決めていたようで20~30代の研究員の就職先も探していたようだ。研究室の閉鎖は笹井さんにとっても所属の研究員にとっても死活問題で非常に気の毒だ。

ところで、その検証実験の中間報告を理研は5日に考えていたようだが、笹井さんの死で8月下旬以降にすると発表した。

また理研の体質で大事なことは先送りにするのかと思ったが、今回は事情が事情だけに仕方ない。

いろんな状況を考えてみると、検証実験はうまく行っていないのではないか。

万一、少しでも成功の兆しが見えていれば発表を先延ばしするにしても、「検証実験で少し期待も見えてきたのに、こんな事になって非常に残念」という意味の発表はあっても良さそうなものだ。

そのような配慮がなかったと言うことは実験はうまく行っていないのだ。

もう検証実験は止めたらどうか。

そして小保方さんが自分で実証しようとしている実験も止めるべきではないか。小保方さんが本当のことを説明し可能性があるのなら良いが、ウォーミングアップとか、体調不良だとか、今回の件で精神的に不安定な状態では実験も覚束ないのではないか。

更に、今の小保方さんを信用している研究者はいないだろう。まずは次から次に出てくる疑惑に小保方さんが一つ一つ答えるのが先ではないか。笹井さんもいなくなった今、キーパーソンは小保方さんなのだ。

日本学術会議も声明しているように関係者の処分を急ぐべきだ。

裁判になる事を恐れず、理研は小保方さんの懲戒解雇、早稲田大は学位の取り消しをすべきだ。

判断を誤ると失墜した信用を更に落とすことになる。

生物学の常識を覆すSTAP細胞という偉大な(?)理論も、今はバカンテイ教授の理論で、それを小保方さん、笹井さんが実証しようと実験をやり論文を発表したが疑惑まみれで世界三大不正事件とまで言われてしまった。

今は、「STAP細胞自体の存在に疑問符が付く」のだが、後々に誰かが実証実験に成功すればSTAP細胞が理論としてクローズアップされ教科書にのるだろう。

その時に評価されるのはアイデイアを出したバカンテイ教授で、笹井さんが狙ったノーベル賞もバカンテイ教授になるのではないか。今までの物理学賞受賞例を見ても最初にアイデイアを出した人が受賞しているではないか。

これも新聞報道によるが、理研の関係者も不思議がっているのは何故、笹井さんが共著者に名を連ねたかと言うことらしい。

笹井さんは確か、「バカンテイ教授から強く要望された」と言っていたはずだ。自分の仕事ではないと言っていたSTAP細胞論文に何故名を連ねたか。「うまく行くとノーベル賞ものだ」と考えたことに落とし穴があったことにならないか。
早く関係者を処分し、理研は研究室の閉鎖に伴う若手研究者の再就職と一日も早く信用回復へ力を注ぐべきだ。早稲田大も大学院先進理工学科をどう改革するかだ。調査委員会は小保方さんの学位授与で、「まともな審査だったら学位授与は到底なかったはずだ」と言う意味の報告をしている。学位を審査するにまともなゼミ、学科なのかと言うことになる。

理研の体質である(?)大事な判断を先送りすることが、今回の笹井さんの死を招いたことにもなる。


理研は野依理事長が率先して辞任すべきだ。「自分の責任は理研の改革」なんて誰も期待していない。日本の科学者の総意を生かすためにも日本学術会議主導での理研の改革をやるべきだ。

2014年8月7日木曜日

集団的自衛権行使・閣議決定撤回要求:やっと憲法学者が立ち上がったか

従来の政府見解を越えて安倍総理の拘る集団的自衛権行使の憲法解釈見直しが閣議決定されたが、5日やっと憲法研究者ら160名が撤回を求める声明を発表した。今まで知識人を初め反対する集会、声明が発表されていたが我が国の憲法学者はどう考えていたのか不思議だった。

声明によると、「集団的自衛権の行使」という60年以上にわたって積み重ねられてきた政府解釈を国会での審議にもかけず、また国民的議論にも付せずに一内閣の判断で覆してしまう暴挙であり、断じて許容出来ない(集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し、その撤回を求める憲法研究者の声明より)。

そして、新解釈では、どのような「他国に対する武力攻撃」の場合に、いかなる方法で「これを排除し」、それをどのような意味で、「我が国の存立を全う」することになるのか、またその際の我が国の実力行使がどの程度であれば「必要最小限度」となるのか、全く分からないと、従来の政府答弁から完全に矛盾しているという(同上)。

更には自衛隊による武器使用、他国軍隊の武力行使への自衛隊の支援なども画策されている。

これらのことを考えると、「戦争をしない。軍隊を持たない」と定め、徹底した平和外交の推進を政府に求めている憲法9条の根本的変質に他ならないとして、閣議決定に対して断固として抗議すると共に、速やかな撤回を強くもとめるというのだ。

確かに日本近辺での中国、韓国の動き、朝鮮半島問題など不穏な動き、原油確保のためにシーレーンなど従来の見解では平和維持で国際貢献することも不便を感じている面もあるだろうが、閣議決定で平和憲法の重要な根源である憲法第9条の解釈を変更することは暴挙だ。

安倍総理は、「大切な国民の命、平和な暮らしを守るため」と強調するが、一定の条件を満たせば自国ではなく、他国を防衛するために武力を行使することが出来ることに少し違和感がある。

この問題こそ「万機公論に決すべし」であるが、安倍総理が言う「丁寧な説明」にもかかわらず自民党・地方議員にも支持者を説得しにくいという。

先日の広島での平和記念式典で広島市長は「69年間戦争をしなかった事実を重く受け止める必要がある」と言い、平和憲法の維持を訴えた。戦争を経験した者は「閣議決定をたがが外された」と思い「戦争への危険」を口にし出した。

自民党も古賀さんら長老が反安倍の姿勢を鮮明にし、派閥の長に圧力をかけているが動きが鈍い。現役派閥の長は閣内に取り込まれて反安倍で動けないのだ。

490人を超える圧倒的多数の議席を背景にした安倍総理は、本来なら憲法改正の手続きを経る必要がある憲法解釈見直しを閣議決定という安易な手段に出た。

当然、「閣議決定の効力」が問題になる。

日本は立憲国家だ。国会で審議せず、国民に広く議論の機会を与えずに一内閣で決めてどうなるのか。

閣議決定とは、官僚が政策案、法律案を作り事務次官会議に図り全次官一致で閣議に提案され、国会審議を経て政策、法律が制定されていく。

第1次安倍内閣の時、安倍総理が事務次官会議で諮られなかった事案を閣議で取り上げて一悶着したことがある。別に事務次官会議を重視するわけではないが、今回の集団的自衛権行使案件はどういう過程を踏んだのか。

それはどうでも良いとして、閣議決定しても関連する法案を国会で審議しなければならず、当然に憲法の理念に合っているかどうかの判断が要求される。

内閣法制局長官を集団的自衛権行使容認派に更迭したのだから問題ないだろうか。それとも内閣法制局は行政の一機関で総理が最高責任者と言うことか。

声明は更に言う。7月1日の閣議決定で終わったのではない。今後提案されてくるであろう関連法の改正や新法の制定の動きに対して、今回の閣議決定を断固として認めない立場から、これらを厳しく検討し、時宣に応じて見解を表明するという(同上)。

憲法学者としてしっかり監視して欲しいが、今回の160人の中にどうして東大や京大の先生がいないのか。御用学者は不要なのか。憲法研究者と名乗っているが憲法学者と違うのか。

何故かチョット不安になる。


2014年8月6日水曜日

安倍内閣改造劇:政策推進のためか、封じ込めか、遺恨の報復か

安倍総理が内閣改造を決めた途端にメデイアは大臣待望組、留任、候補者の名前を流すが、政策推進のための実力者もいれば、力を付けてポスト安倍の候補にならぬよう封じ込めもあれば、過去の遺恨の報復を臭わす事例もある。

難題山積の政権にあって、こんなことで良いのかと思うが、今のメデイアの政治部記者の書くことはこの程度なのだ。

msn(2014.8.3)でジャーナリストの伊豆村さんが、今の政治部記者はスキャンダル、失言、裏話、噂話で記事を書く政界記者だと揶揄する。

それを考えると、こんなニュースも当然なのだ。真面目な政治の話だけでは飽きるが、スキャンダル、裏話、噂話は大好きなのだ。だからといって、真面目な政治の話、政策を推進するための人選から外れては困るのだ。

今回の改造の噂話も、政策推進のためにその道の実力者を当てることだが、改造の背後には安倍政権の長期安泰を目論むドロドロした人間模様が浮かんでは消える。

各メデイアの政治欄を見ると、政治部記者と言うよりも政界記者を彷彿させる記事がウェートを占める。

一番の注目は、安倍vs石破さんだろう。

安倍さんは、石破さんがポスト安倍で力を付けるのを嫌う。安全保障に強いことから防衛相兼安保法制担当にして閣内に封じ込めようとする。また7年前の第1次安倍政権の時は「安倍おろし」を企んだ過去もあるらしい。どうしても安保法制担当相にして封じ込めたいようだ。

一方で、石破さんはポスト安倍の有力候補となるためにも幹事長に留任したいらしい。願いがかなえられなければ無役も仕方ないと思っている。派閥を持たない石破さんが入閣すると石破グループ約30人は崩壊する危険もあるというのだ。石破さんが政権を取って大臣の座を得るために群がっている連中なのだ。

自民党には60人以上の大臣待望組がいるという。3年半の野党生活で貯まったというのだ。
でも順送りのガス抜きでも困る。

専門知識もなく、国会での答弁もままならぬ法務大臣がいたが、官僚の差し出すペーパーの棒読み、官僚による頻繁な耳打ちを自分ではどう思っているのか。選挙区の支持者に恥ずかしくないのかと言いたい。

政治資金提供の多い団体からの推薦議員を登用する場合もある。特に多額の資金を必要とした選挙の後の組閣では目立つ。

挙党態勢と言いながら派閥の長を重要閣僚で優遇することが多いが、総理の座を脅かす芽を封じる囲い込みだ。

又、今政策に力を入れているのが女性の登用だ。女性の管理職を30%にするというので、率先して閣僚、自民党役員人事に反映させたいようだ。そのためには6人の枠を確保する必要がある。女性には妬みが大きいから総理もやりにくいだろう。

更に、集団的自衛権行使の問題で自民党の長老が口出ししてきた。古賀さんは岸田派に反安倍でハッパをかけている。

アベノミクス推進の閣僚は留任が噂されているが、次のステップアップを狙って重要閣僚、党三役を狙っている人もいる。

親安倍派は支持率が下がっても長期政権を目指し、反安倍派は支持率低下を機に勢力挽回を試み大臣の座を要求している。

安倍さんは人事掌握がうまいという。でも政策を強引に進めるために取った日銀総裁の更迭、NHK会長人事に口出しするためのNHK経営委員の人選、憲法解釈見直しのための内閣府逢瀬医局長官の更迭などで危険な総理の芽が出て来た。

閣僚人選は安倍総理の専権事項だ。安倍さんがどういう人事をするかでその背後にある
政策推進の本気度、ドロドロした人間関係、ポスト安倍を予測することが出来るのだ。

解散・総選挙の動きも出て来た。福島県知事選、沖縄県知事選、来年春の統一地方選も絡めて安倍総理の人事に注目だ。


笹井副センター長の死(2):それでもSTAP細胞を信じるのか

笹井さんは、それでもSTAP細胞の存在を信じるのか。「STAP細胞は必ず再現してください」と言い残して死を選んだが、その前に今回の論文疑惑にしっかり答えるべきではなかったか。責任の重さを追求され、疲れ果てての行為だったのだろう。ノーベル賞に近い男と言われた人材を失った損失は計り知れない。

あの華々しいSTAP細胞論文発表記者会見とは打って変わってのネット上で広がった疑惑には驚いた。世界的な科学誌Natureに掲載された論文でこんな事があっていいのかと疑問が高まったものだ。

理研内や外部の研究者等の検証で「ES細胞ではないか」「ES細胞とTS細胞の存在」「緑に光る現象は細胞が死ぬときの現象ではないか」などの疑惑と共に、第三者による再現実験は一度も成功していないことから「STAP細胞の存在」に大きな疑問が出て来た。

理研は意地になってSTAP細胞の検証実験を始めた。その中間報告が間近に迫っている。

そして、STAP細胞の不正の深層を解明したのがNHKスペシャル番組だった。

番組の中で論文を検証した研究者は「こんな事があり得るのか」、「もっと調査していればこんな事にならなかった」、「もしこの事実を共著者が知っていたらこの論文のストーリーはなりたたない」など辛辣なコメントが続いた。

しかし、一方で内容は別として論文の体裁をこれほどまで整えたのは「さすが笹井さん」と絶賛されていたのも事実だ。笹井さんの存在があったからこそNature誌に掲載されたのは事実かも知れない。

4月の弁明記者会見では、STAP細胞は私の研究ではない。若山さんの研究室での仕事、自分は一時のアドバイサーだったと言ったことに責任逃れではないかと批判が集中した。

私も疑問に思ったことは、画像に多くの疑惑が出て来ているが、笹井さんは本当にその画像、その出所について小保方さんを追求していなかったのか。自分も共著者として名を連ねるのであれば、そこのところもしっかり検討しなければならない責任はあったはずだ。

更に、小保方さんはこれらの画像について笹井さんにどう説明していたかだ。特に説明していなかったとすれば、「うっかり(?)」とはいえ笹井さんを騙したことになる。
その点を笹井さんは言い逃れとも思えるが「直属の部下ではなかった」ので実験ノートなどを見せろとは言えなかったという。笹井さんともあろう世界的な研究者がハーバード大の看板にひれ伏していたのか。

笹井さんの今までの実績を汚すような事態がSTAP細胞の研究をひっさげて登場した小保方さんと知り合ったことから始まった。

こう言う論文不正行為をどう防止するか。NHKスペシャル番組でも言及していた。

常に不正防止を考えていなければ防止は出来ないという一方で、組織がプレッシャーをかけるようなことがあれば防止は出来ない。組織の風土の問題だという。

背景に理研の思惑があり、それがプレッシャーとなって不正行為が起きたと考えると、その背景にはSTAP細胞の特許の問題があるし、理研と文部科学省が進めていた特定国家研究開発法人での認定の問題だ。そのためにNature誌への掲載が急がれたのだ。

今回のSTAP細胞論文不正事件は小保方さん、笹井さんの責任も大きいが理研という組織の問題でもある。

成果主義、任期制の研究者などブラック企業まがいの理研の風土を替え、日本の科学界の失墜した信用を回復させるためにも理研の改革が急がれる。理研が身勝手な改革を進めるのではなく、日本学術会議主導の改革をすべきではないか。

今は笹井さんのご冥福を祈るばかりだ。