2015年1月19日月曜日

岡田・新民主党に何を期待するか、否期待出来るか

岡田・新民主党に何を期待するか、否、期待出来るか。大方の予想通り「若さ、世代交代」を主張する細野さんより「安定性、自主再建」を主張する岡田さんが選ばれた。「誰がなっても同じこと」と諦める意見も多かったが民主党は野党第一党として「一強自民」と対峙出来る政党に再建できるかどうかは民主政治の根幹にかかわる重大事項なのだ。

一番気になることは決選投票に長妻さんを担いだ労組系、リベラル系議員の多くが岡田さん支持に回ったことだ。そのグループから政策、人事に関して強い希望が出されたと新聞は伝えた。それが今後の党運営に悪影響を及ぼすことも考えられる。気にくわなければ分裂の危機の可能性もあるのだ。

民主党政権時、国民に見せつけたあの醜いゴタゴタだけは止めてほしいものだ。

党内で熟考し最終的にはリーダーが決める政党文化を築くことが出来るか、国民の信を取り戻すには、これが一番のポイントになる。

でも、保守系、リベラル系をかかえる民主党内にあっては政策も180度異なる。これを良い意味で「多様性」と言っているが党運営には支障を来す要因の一つだ。

その「多様性」を今回の代表選では原点回帰=中道路線として右の自民党との対立軸にするというのだ。中道=中途半端では国民の信は取り戻せない。それだけ自民党政権時のゴタゴタはイメージが悪いのだ。

「若さ」「世代交代」という無党派層の「風頼み」はサポーターなどの加わる第一回の投票ではそれなりの意味があり細野さん優位であったが、決選投票で細野さんが敗れたことで「風頼み」から脱却出来たのは良いことではないか。

岡田さんが選挙戦で主張したことを新聞から拾ってみた。

次の衆院選で政権を奪還するという。民主党単独では無理だろうから野党共闘になるだろうが、「原理原則主義者」と揶揄されている堅物で共闘できるのか。岡田さん自身「自分が変わらなければならない」と言っていたが、以前民主党代表選で不利だった小沢さんが同じことを言って挽回したこともある。

民主党は党自体が変わる前に、所属国会議員自身が変わらなければならないのではないか。
自主再建を目指し、野党再編での分裂は認めないと言う。細野さんは維新の党との再編を目指していたようだが、新聞報道によると民主党参院側から野党再編を批判され選挙戦では封印する羽目になった。しかし、自主再建を重視する岡田さんは討論で細野さんの野党再編策を持ち出し窮地に追い込んでいた。

自主再建と言うことは政策で中道路線を行くことか。今の安倍総理はあらゆる政策で強硬路線だ。YESでもないNOでもないでは判断のしようがないと言うことにならないか。

憲法改正は安倍政権では応じないと言うので読売新聞は社説で反論していた。憲法解釈の閣議決定は立憲主義にも反し好ましいことではない。リベラル系を抱えては憲法改正反対だろうが、きちんとした立ち位置を示すことが必要だろう。

経済政策では対立軸を示すという。格差、不平等是正、人への投資などでアベノミクスに対峙する政策を打ち出すべきだろうが、成長戦略はどの政権でも出てくる政策は同じだ。
問題はどこまでやる気があるかだ。マニフェストの見直しも必要だ。

2030年までの原発ゼロ、70年の歩みの中での日本の将来像も示すべきだろう。

岡田さんは自民党で派閥を嫌って離党した保守系と思うが、リベラル、労組系と主要政策、人事でどう調整していくのか。

「曖昧さ」が残れば、国会審議、党首討論、野党共闘に支障を来すばかりでなく、安倍総理は「曖昧さ」「民主党のダメさ」を突っ込んでくるだろう。対案を示し安倍総理に負けない議論を尽くすには相当の努力が必要になる。


2015年1月18日日曜日

民主党・岡田新代表、「この厳しい道を一緒に乗り越えていこう」と

岡田さんを新代表に選んで立て直しを図る民主党
18日の民主党・臨時党大会で岡田さんが新代表に選ばれ、「この苦しい道を一緒に乗り越えていこう」と団結を訴えた。何やら自民党が下野した時、新総裁に選ばれた谷垣さんが「皆でやろうぜ」と訴えたことと相通じるではないか。自民党はその後、離党者が相次ぐなど生き残りをかけたゴタゴタが続いた。

岡田さんは野党再編派、リベラル派を抱えてどういう党運営をするのか。相変わらずのお家騒動の続きではメデイアに笑われるだけだ。

代表選前の下馬評では岡田さんと細野さんの一騎打ちだったが予想通りの展開になった。

1回目の投票結果では岡田さんは党員/サポーター/地方議員票199票、国会議員票95票の合計294票、細野さんは順に202票、96票、合計298票、長妻さんは94票、74票、合計168票だ。岡田さんと細野さんでは差は無い。

決選投票で岡田さん133票、細野さん120票で新代表に岡田さんが決まった。

当初は自主再建の岡田さん、野党再編を目指す細野さんの一騎打ちと思っていたが、選挙戦直前に細野さんが野党再編を封印したが、争点は野党再編vs世代交代の構図だ。

リベラルの票を抱えて戦った長妻さんの国会議員票74票は決選投票で岡田さんに48票、細野さんに24票と分かれ世代交代より安定性を選んだか。

それにしても大事なところで政策の一致を見ない保守系、リベラル系を抱え岡田さんはどう政策でバランスを取っていくのか。党内をまとめられなければ他党との共闘は覚束ない。

また、岡田さんは国会審議で安倍総理と堂々と議論したいと言っていたが、安倍総理だからそこのところを突いて来るのではないか。

また、連合など労組に頼る状況が続くが、だからといって政策が左右されることがあっては国民の信頼は取り戻せない。

民主党政権時、最初の総理を鳩山さんではなく、岡田さんだったらその後の様子も変わってきたのではないかと残念に思っていたが、民主党再建に向け頑張って欲しい。

嫌われる緊縮財政?:でも財政出動で成長路線にのり税収増になるか

嫌われる緊縮財政、でも財政出動しても経済が成長路線に転換し税収増につながるのか。新聞報道によると、ギリシャの総選挙で緊縮財政に反対する最大野党が優勢だという。国民は緊縮財政に嫌気をさしているようで2009年のギリシャ危機が再燃し欧州の政治、経済に再び混乱が起き世界経済に波及する様相を呈してきた。我が国もアベノミクスで経済成長を目指すが欧州経済の混乱は日本経済にも円高、株安で大きく影響するのではないか。

ギリシャの総選挙で最大野党の「急進左派連合」は緊縮財政の破棄や債務償還期限の延長、経済成長に向けまずは財政出動を増やすべきだ」と訴えている(読売新聞2015.1.17)。

ギリシャは、あの頃公共サービスを削ったために街中にゴミが回収されず散らかっている映像を見たことがある。今、緊縮財政で失業率は上がり、GDPも70%まで落ちた。現政権は「実現不可能な約束を信じてはいけない」と応戦するが金融支援の期限も近づきデフォルトの危険も出て来た(同上)。

自国の経済のことを考えず、国民の信を得るために闇雲に赤字財政を築いていった結果がこの始末だ。借金の帳消しは難しいだろうし償還期限の先送りは何ら本質的な解決にはならない。

特に欧州はユーロ圏という政治は後回しで経済を統合する荒技に出て、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペイン、フランスの債務国、財政緊縮緩和vsドイツの債権国、財政規律維持の構図を持っている。ドイツ国民は他国の負債を負いたくないのだ。

考えられる対策はギリシャがユーロ圏から離脱することだが、それではユーロの信用を落とすことになり不可能のようだ。ユーロ圏構想の時の無理が出ている。

一方、金融支援をしているIMFも結局はどうして良いのか分からないのだ。昨年11月に緊縮財政の押しつけは失敗だったと発表した。

2008年に金融緩和、積極財政を主張し2年後の2010年には緊縮財政へ方針転換した。これには多くの経済学者から批判される結果になった。そして2014年に財政緊縮化を緩め金融緩和を提言した。

IMFなどからの金融支援を受けた国でもアイルランド、スペインは脱却したがギリシャは産業にも乏しく財政再建は道半ばと言うことになる。イタリアは予算案で緊縮財政を打ち出したが反緊縮デモが発生し、政権は雇用対策、景気回復策を重視せざるを得なくなった。

世界的には緊縮財政より財政出動、成長戦略が主流になってきたが、先のIMFは日本だけは緊縮財政、増税の必要性を訴えている。

安倍総理は財政健全化へ対GDP比を下げる目標を掲げると発表した(読売新聞2014.12.23)。

でもこの日本の借金1000兆円超、対GDP比230%には異論も有り、600兆円の資産もあるから正味の借金は400兆円ぐらいで米国の円換算1467兆円、対GDP比110%に比べても低いというのだ。IMFには財務省からの出向者も多く、そういった人たちが財務省の意向を反映する発言をしているのだ。

ところで日本は経済再生に財政再建、成長戦略の両輪を掲げ、2020年度にはPB黒字化を目指すと国際舞台でも宣言している。

増える一方の社会保障費削減では高齢者に負担増を強い、各種改革で歳入増、日銀の国債購入、そして予定されている消費税10%への増税などが対策に上げられているが、法人税の引き下げに対して企業への課税強化、富裕層への増税、国の事業の無駄の排除、規制改革、公務員改革を急ぐ必要があるのではないか。

恐らく安倍総理は公共事業、規制改革などで成長路線に持って行き、税収増による財政再建に力を入れようとしているのだろうが、成長戦略は生半可、「民間企業は踊らず」では片手落ちだ。ただ円安のメリットとして海外生産の一部を国内の生産設備に移す動きが出て来た。これには中国での生産というリスクを考えてのことだろうが、どこまで伸びるのか。

財政再建、PB黒字化は5年後の喫緊の政治課題だ。達成出来なければ国際的信用の問題にもなる。今のところ税収増は消費税10%への増税だが、増税は政府の予想に反して景気への影響が大きすぎる。家計への収入増がどの程度進むかによっては緊縮財政になり国民の不満が募る結果にもなりかねない。


あらゆる面でギリシャなど欧州の政治、経済を慎重に見ていく必要がある。円為替、株価はアベノミクスより欧米の政治、経済に動かされるのだ。欧米で何かあると円、日本国債が安全資産とみられて買われる。でも反対に日本売りもあるのだ。

2015年1月16日金曜日

日銀・財政ファイナンスの是非:際限なき国債買い入れは制御不能のインフレへ?

政治からの独立性が要求される
日本銀行本店
日銀・黒田総裁は否定するが日銀の今の大量の国債買い入れは、財政ファイナンスの様相を呈し、このまま際限なく国債の買い入れを続けることは制御不可能なインフレへの可能性が出てくる。日銀は国債市場を良く点検し、対話しながら市場の安定を図るというがタイミングを間違えば一気に日本売りだ。

昨年11月の衆院財務金融委員会で財政ファイナンスの疑いを質問した野党議員に、黒田総裁は大量の国債購入はあくまで金融政策上、2%物価目標実現のための手段で財政ファイナンスではないという。

だから消費税増税などで景気が遅滞し2%物価目標達成が危ぶまれている今、日銀は更なる追加緩和をするのではないかと市場は予測している。FRBの出口戦略で量的緩和が終了し金融政策の正常化に向け利上げのタイミングが課題となっている今も、黒田総裁は「出口戦略は時期尚早」を繰り返す。

新聞報道では2015年度も国債発行額は139兆円になり、日銀の国債保有は増加、国債利子は納付金として政府に納められその額は2000億円増だという(読売新聞2015.1.15)。

成長戦略より金融政策に頼り切り
の首相官邸
見方を変えれば、政府が発行する国債を日銀が直接引き受ける貨幣化する財政ファイナンスも良さそうに思えるが、政府の赤字を日銀は穴埋めしているとみられれば話は別なのだ。日銀の金融政策決定会合でも民間出身委員が財政ファイナンスと見られる危険性を指摘していた。

国と地方の借金の合計が1000兆円を超え、対GDP比で230%は先進国で一番悪いのだ。これと相まって市場が日本財政をどう判断するかで一気に日本売りに出るだろうし、今は停滞気味の物価で更に追加緩和をすすめればインフレは制御が出来ない状態になるかもしれない。

又、大量の国債を保有する日銀にとっては、国債の下落は日銀の経営にも影響する。経済財政諮問会議で民間委員が日銀の経営も注視した方が良いと発言していた。日銀は資本金1億円の会社だが政府と一体だから潰れることはないと言われているし、何やら特別な会計処理をやっているらしい。

ところで本当に日銀の異次元の量的緩和で円安になり日本経済が息を吹き返しているのか。
政権交代が見えてきた当時、野党だった自民党は「市場に出回る円の量が少ないから円高であって、マネタリーベースを増加すれば円安になる」と白川日銀、民主党政権を揺さぶった。選挙戦に入ると自民党候補者は皆同じことを有権者に訴えていた。

しかし後になって疑問を呈する経済学者、エコノミストが出て来た。市場にジャブジャブ円を流しているから円安になっているという主張に異論を呈しているのだ。アベノミクスの成果ではないというのだ。

白川総裁の時と、黒田総裁の金融政策を比較してみた。

白川総裁は消費者物価上昇率を当面1%とし、それが見通せるまで強力な金融緩和を実施した。言い方を変えれば物価上昇2%以下とし当面1%を目指し、その後は更に上を考えると言うことだったと思う。 長期国債の買い入れも年約50兆円という大きい額だ。これと金利ゼロを継続していた。

欧米がリーマンショック後に急激な量的緩和を実施したのとは違って、白川・日銀はずっと前から量的緩和を実施、だから対GDP比も200%を越える事態になっていた。

ところが、政府や国会の圧力で慎重(?)だった白川総裁が退き、2%物価目標、2年で2倍の量的緩和を訴えて登場した黒田総裁に市場は大きな「期待」感で円安に動いた。
 
でも円安に動いたのは為替介入があったのではないかとみられているのだ。

為替介入は共同介入以外は、おおっぴらにやれるものではないが、極秘にはやっているようだ。民主党政権時でも週刊誌の「介入をやったのではないか」という経済記事を見たことがある。

2011年8~11月は14兆円の介入をしたが円は動かず、2012年末~2013年春にかけては80円から99円へ大きく円安になった。海外もゼロ金利で円キャリーはなく、複雑な為替介入をしたのではないかとみられているのだ(伊東光晴 「アベノミクス批判」)。

アベノミクスで円安になったのではないのだ。

円安になって輸出産業を中心に企業経営は好転、景気は上向いてきたように見えるが実感はまだら、おまけに消費税8%への増税等で個人消費は伸びず、更に10%への増税で景気に影響するとみた日銀は更なる追加緩和を決めた(後で政府は先送りした)。
黒田総裁は、量的緩和は2%物価目標達成のための手段だという。国会審議で「いつまで続けるのか。2%が見えてきた時か」と野党から質問を受けたとき、「安定的に2%が確保できたとき」と答弁していたが2%を超えるまでやるらしい。

マネタリーベースは2014年度末で270兆円、10月31日の決定会合では年間60~70兆円から更に80兆円の追加緩和を決めた。そんなにジャンジャン円を流してどうなるのか。

日本の財政をどう考えれば良いのか。財政が信用されなくなれば物価の安定も金融の安定も損なうことになる。その時が日本売りの始まりだ。国債が下落すれば日銀を始め金融機関は大きな損失を被る。

更に日銀が国債を買う財政ファイナンスに移れば日銀も制御出来ないインフレに突入することになる。また日銀はいつかは「出口戦略」を取らなければならないときが来るが、その時は国債の下落は免れない。  

ついに日銀の異次元の量的緩和、追加緩和の「副作用」が現れるのだ。「どういう形でか」は分からないが。

日銀の仕事は金融政策で物価を安定させ、国民の生活を守ることだ。ゼロ金利だから金利の上げ下げで物価を調整する手はないが量的緩和は非伝統的手法だ。一日も早く出口戦略を練って正常な金融政策を目指すべきだと思う。FRBに遅れずにやった方が遅れて単独でやるよりも悪影響は少ないのではないか。

2015年1月13日火曜日

円安、原油安:日本経済での好循環か悪循環かはバランス次第か

円の動き
テレビ朝日Jチャンネル
20145.12.28
今の円安、原油安は消費者にとっても企業にとってもプラスになる反面、マイナスになる要因もあり好循環か悪循環かはそのバランスにある。市場がどういう情報で動いているかを冷静に判断する必要があるのだ。

円高の時は生産設備を海外に移し、国内の空洞化、失業者数の増加と社会に暗いニュースとなり、物価は安くデフレから脱却出来ず日本経済には暗雲となった。各政権は脱デフレを目指すが未だ達成出来ず、民主党政権時菅財務相(当時)が「為替の適正レートは」と問われ「90円台半ば」と答えたことがある。

その時、金融の責任者がそんな事をいうべきではないと顰蹙を買っていたのを覚えているが財務省などの本音だったのだ。今も十分通用する水準ではないか。

そして安倍政権の金融政策、日銀の異次元の金融緩和で円安基調に変わり、110円を超え、今1ドル120円台になったこともある。

円安になればなるで、又動きも違ってくるのだ。それに原油安が影響し分かりにくくなってきた。

原油価格の動き
テレビ朝日スクランブル
2015.1.6
原油安は家計の負担を和らげ消費にプラスに働くかもしれない。電気代などが下がり企業もプラスに働き企業活動も活発になると見え経済に好循環と思える。

しかし、今は原油安の上に消費税増税による個人消費の冷え込みで物価は下がり生産活動も落ち込む。

それに米国経済の堅調が続くも、ギリシャの財政危機、欧州経済のデフレ傾向で量的緩和の動きも出て来た。欧州は緊縮財政に嫌気がさし政情不安も出ている。

円安のメリットとして家電、自動車産業の国内回帰の傾向も見られるが今後どうなるかは読みにくい。

政府は2015年度の経済成長を原油下落で家計負担が和らぎ個人消費も回復するとみて1.5%にする政府方針を決めた。GDPも504兆円になるという。2014年度は消費税引き上げによる個人消費減速で0.5%減とみている。

ユーロ圏の物価も目標2%が5年ぶりに0.2%下落、デフレ懸念からECBは量的金融緩和へ踏み込むのではないかとみられているが、ギリシャの政治、財政危機が再燃し、欧州に波及する危険もある。

今世界経済を引っ張っているのは米国経済の堅調さだが、オバマ大統領は日本やドイツに期待を寄せるが、日本経済の先行きには不安を隠さない。世界は日本がスタグフレーションに落ち込むのを心配しているようだ。

今、円は118円で円高に動いている。欧米で何かが起きると円が安全資産と見なされるが、決して日本経済が強いわけではない。

国と地方の借金が1000兆円を超え、対GDP比230%に市場は注目しているが、安倍総理は日本経済再生と財政再建を両立すると主張する。

全てバランスの問題だ。


2015年1月12日月曜日

リニア新幹線工事:長野県・大鹿村も沿線住民の生活を脅かす公共事業になるのか

リニア工事 もっと対話を
朝日新聞2015.1.11 再見細見 地域から
5兆円を超し、10年の難工事が予想されるリニア新幹線工事が始まろうとしているが工事につきまとう建設残土処理、騒音、振動、微気圧波、低周波音などが自然環境を満喫している長野県・大鹿村も沿線住民の生活を脅かす公共事業になるのか。

私自身はリニア新幹線に乗ることはないだろうが、この新幹線の難工事に注目していたところ、朝日新聞(2015.1.12)の「再見細見 リニア工事「もっと対話を」」で沿線住民の苦悩を垣間見ることが出来た。トンネルで地下を通過する自治体はメリットが分からないままに不安ばかりが募るのだ。

環境影響評価準備書
大工事の環境影響評価は重要であるが、実際には工事をやってみなければ分からない問題も多く、従来の評価法では不十分な分野もあるだろうが、騒音、振動、低周波音、微気圧波、地下水それに排出する大量の建設残土の運搬、処理は住民の生活を脅かす。それも工事期間だけでも10年という長期にわたる。

そんな中で長野県大鹿村の住民の声が気になった。

大鹿村は長野県内の工事で排出する建設残土950万m3のうち298万m3が村内から排出される。環境影響評価準備書についての「長野県知事意見」では、工事では山岳非常口が11カ所設けられが、工事終了後に避難口の用途には使用されないために数の削減と原状回復が要求されている。

「リニア工事の課題」によると、300万m3の建設残土を処理するのに1日最高で1700台の大型ダンプが村内を走り回るらしい。24時間工事だと1分に1台、8時間工事だと1分に3~4台になる。もしかすると数台が連なって走るかもしれない

村内の小渋線(松川インター大鹿線)に集中するらしいが未改良区間もあるし、すれ違いでの交通渋滞、通行の危険は村民の生活や観光客に支障を来すために道路改良が必要だという。そして300万m3と言う大量の残土をどう処理するかだ。残土処理場を確保するにも急峻で沢が多く地滑りの危険もあり村外への持ち出ししかないという。

確かに建設残土の運搬、置き場には問題がありそうだ。

私も20年ほど前の春、高遠で桜を見て大鹿村にある中央構造線博物館を見学したことがある。高遠から258号で分杭峠を越えて大鹿に向かうのだが山道は山の斜面では石がごろごろ転がり路面まで散らかっていた。中央構造線に沿っているので地盤は脆い。峠から見渡すと両側に急峻な山が迫り断層帯であることが分かる。分杭峠はパワースポットにもなっていた。

大鹿村に向かって下りると舗装道路に出て民家が見えてきた。驚いたことに川向こうでは山崩れが放置されていた。所々でそういう光景が見えたが川をせき止めていないので対応が遅れているのだろう。

道路状況も良くは覚えていないが、舗装されている場所でも狭かったように思う。平地が少ないのだ。
中央構造線
博物館の庭を通って向こうの峰へ伸びている
2005.4.16撮影 

表示案内に従って博物館へ脇道に入った。

中央構造線博物館の庭には、構造線の位置が表示され北方の峰に向け走っているようだ。グランド際の山の斜面は大きく地滑り、崩壊していた。当時はそのままにして惨事の大きさを残していると説明してあったが今はどうなっているか。

このようにこの辺は落石、崩壊、深層崩壊など地形、地質上のリスクが大きく今回の工事にかかわる小渋川橋梁、変電施設、非常口、工事用道路などの地上構造物は出来るだけ避ける必要があると指摘している(長野県知事意見より)。

博物館には断層面の大きな標本があったと記憶している。学術員の人に「ここは地震はないのですか」と聞くと「この辺はありません」と説明された。

でも中央構造線断層帯だから「ないはずはない」と思って調べたら、西の方では地震が発生しているが、この辺だと1983年(昭和58年)3月16日に震源を静岡県西部とするM5.9の記録がある。

大鹿村は、天竜川を挟んで西に中央自動車道、東に諏訪大社―高遠―大鹿を経て知多半島へ向かう中央構造線が走り、大鹿で東から西にリニア新幹線が横切る格好になっている。

恐らくこの辺の地下も脆いだろうし、旧小日影鉱山もあり鉱脈と同じ方向に走っているので重金属汚染も心配されているのだ。 

また、このようなトンネル工事では必ず地下水や水資源への影響が心配される。長野県知事の意見書には、JR東海の回答書で「全体として影響は小さい」との表現が多いが個別の地下水、水源によって影響は異なるので「その表現は適切ではない」と見直しを要求している。

長野県内で最初にトンネル工事に着手するのが大鹿村といわれている。

それだけに工事になればどんな状況になるのか分からない。当然住民の不安は高まる。朝日新聞記事によると、村長は「県道の改良を要求する」というが何やら今までの公共工事に見られる首長の発言だ。

大鹿村は地下をリニア新幹線が通るだけで直接のメリットは期待出来ない一方で、自然破壊の危険が大きい。新聞報道によると、喫茶店をやめて村を去る夫婦の話や小さな部落で2世帯が村を離れていったという。

工事後の大鹿村を見てみたいが、どうなることか。


2015年1月10日土曜日

岡田、細野、長妻さんの民主党代表選:改革政党として国民の信を取り戻せるのは誰か

岡田さん、細野さん、長妻さんが民主党代表選に立候補、改革政党として国民の信を取り戻せるのは誰か。こう言うことが無いと民主党が紙面を賑わすことはないだろうと思う民主党代表選が進んでいるが、誰もが望んでいる改革政党として国民の信を取り戻すことが出来るのか。

ここは一致団結する時であると思うのだが保守で多様な価値観を大事に自主再建を目指す岡田さん、自民党に変わるには民主党が自ら変わらなければならないと訴え、野党再編を引っ込めた細野さん、そしてリベラルを代表して2大政党の最後のチャンスと訴える長妻さんの3人がそれぞれのグループを代表し立候補した。

いつもの民主党だ。何かあると「自分たちのグループからも代表を」ということになる。「まとまりのなさ」、「主導権争い」は民主党のお家芸だ。例外は政権を追われた後の代表選で誰も立候補せず、海江田さんが男気を出して立候補した時位だ。

今回の代表選は民主党が信頼を取り戻すことが出来るかどうかの瀬戸際の選挙になる。

党内立て直しで岡田さんは改革政党としての原点に帰ろうと財政改革、政治改革、地方分権改革を掲げる。国会審議でも具体案を出して正面から安倍総理と議論しようともいう。

公開討論会でフリップに岡田さんが「オール民主党」と書いたが、自民党が野党に落ちたときに谷垣総裁(当時)が「皆でやろうぜ」を合い言葉にしたことと相通じるものがないか。谷垣さんは離党者が出るなど苦い思いをしたはずだ。

代表選後、場合によっては同じようなことが起きるかもしれない。

一方、細野さんは以前野党再編を訴えていたが、今回は間際になって取り下げ、自民党に変わる政党、格差、社会保障、教育の充実を最重要課題に挙げている。国民の不安を払拭するには「民主党自身が変わらなければならない」と訴える。

何やら以前、小沢さんが民主党代表選に出たとき、「私自身が変わらなければならない」と宣言し、不利だった下馬評をひっくり返すことに成功したことによく似ている。

又、リベラルグループに押された長妻さんは2大政党に向け最後のチャンス、格差は限界まで拡大し適切な分配の必要を説き、具体的な社会像を示すという。どういう内容のものか期待したい。

野党再編は後回しにして党を立て直し2大政党の一翼を担えるように国民の信任を得ることが3人の共通テーマだ。

その他の政策となると三者三様の考えが出てくる。それを主張し合っては今までのように民主党の信を取り戻すことは出来ない。メデイアはこの点を指摘している。

3者のグループの政策をバランスよくまとめ上げることが、新代表の仕事だろう。みっともないゴタゴタは見せて欲しくない。

下野すると政権復帰への立て直しは大変だ。自民党だって野党に落ちたときは離党者が出るなど当時の谷垣総裁は相当苦労されたようだ。メデイアだって厳しいニュースを流していた。

私も民主党のゴタゴタ、野党再編を考えると民主党は分裂した方がわかりやすいと思っているが、連合など支持母体としての労組の票は大きい。でもそれがために政策が分かりにくくなっては元も子もない。