2014年1月21日火曜日

脱原発、辺野古移転に見る国政とのかい離、その民意は

脱原発、普天間飛行場の辺野古移設は、国政の重要な政策であるが、その民意は何処にあるのか。迫ってくる東京都知事選は小泉、細川連合が加わったために「脱原発」が争点になってきた。一方辺野古移設への賛否を問う名護市市長選は移設反対派の稲嶺さんが当選し、国政と真正面から激突することになり、政府の強気の発言とは裏腹に、国政とのかい離、工事の行くへが懸念され始めた。

名護市市長選の結果を新聞で見てみた。

投票率は約77%で結構いい。35523人が投票し、反対派の稲嶺さんが19839票(得票率55.8%)、推進派の末松さんが15684票(44.2%)で一騎打ちの結果反対派が勝利した。多数決からすると50%を超えているのだから反対派が勝ったということになるが、推進派も44%を超えていることを考えるとその考えを無視することはできない。

市民の直接生活にかかわる政策であるために、微妙な判定だったと思う。

最近の政府の政策課題、地方選挙を見ていると、「民意はどこにあるのか」と考えさせられることが多い。地方では住民投票により直接民意を問う動きも出ている。

有権者の付託を得て出てきた議員の判断に住民が異を唱えていることにもなりかねない。間接民主主義の危機でもある。

自民党の石破幹事長も心配しているように、自民党政権への危機でもあるのだ。

どうして国政と地方政治では民意がかけ離れているのか。

直接被害をこうむったり、生活を脅かされている人々の意見が少数意見で、多数決では反映されにくい。

少数意見とはいえ、反対運動はメデイアの格好の映像による報道対象になり国民の目にさらす機会が多いので多数意見かと思うがそうではなさそうだ。

国会などの国政段階では高度の政治判断が働き、現場の民意とかい離してくる。

その過程で数々の懐柔策も検討、実施される。

辺野古移設問題では、仲井真知事の要求する振興予算などがことごとく認められ、5年での負担軽減も約束され仲井真知事の移設承認になったが、反対する人は「政府の言うことに騙されるな」という。意外にこれがあっているのだ。仲井真知事は県議会で苦しい言い訳をしていたのはつい最近のことだ。

またその間で、自民党執行部は移設に反対していた県選出の国会議員を懐柔し、移設賛成への方針転換を強要し外堀を埋めにかかった。次の国政選挙では格好の攻撃材料になるだろう。

国政段階になってくると、地元の民意もどこへ行ったか分からなくなる。選出している国会議員も政府や執行部の方針で変質してくるのだ。

一方、脱原発はどうなるか。都知事選で公約の一つになるなら、「地方から国を変える」という絶好の政策課題になるのだ。

これについても国政の課題は地方政治には似合わないという意見が政権、政権寄りのメデイアから聞こえてくるが、東京都は電力の大量消費地でもある。原発を含めエネルギー政策は国を問わず、地方でも重要な課題だ。

ところがこれにも利害関係が絡まってくる。福島第一原発近辺に自治体は別として、原発立地自治体は財政面で再稼働賛成だろう。ところが放射能汚染拡大で被害をこうむっている人たち、避難を余儀なくされている人たちは当然反対だ。

だから遠く離れ、被害を直接こうむっていない東京でどう判断するかは重要なテーマなのだ。いつでも再稼働できる原発もあるというが、代替エネルギーの将来像もはっきりしなければ都民の判断も苦しいはずだ。

それには、まず原発に依存しないエネルギー政策、原発に依存しない自治体財政をどうするのか。説明責任が政府にはある。

また、国民投票法により原発の是非を国民に直接問うことも考えたらどうか。

地方都市では、道路の拡張計画、廃棄物処理政策について、市民、区民に直接問うことを試みている自治体もある。しかし、低投票率では民意を図ったとは言えないので、投票率50%以上を要求している。市長選などで30%台の自治体だから当然にハードルは高い。

間接民主主義が成就しないまま、民意を図りかねない政治が安倍政権下で続くのだ。







0 件のコメント: