国家基本問題研究所の原発問題 意見広告 2014.1.29 讀賣新聞 |
29日の国家基本問題研究所の意見広告は「具体的代替案を出さずに脱原発」と言うな?。脱原発の是非を争点化するのに、候補者に具体的な代替案がなければ無責任というのだ。小泉・細川連合が「脱原発」を掲げて都知事選に参入したことで一時活気付いたが、シングルイッシューは適さないという議論が持ち上がり下火の傾向を呈してきた。
ところが29日の各新聞紙上で国家基本問題研究所の「あなたは原発問題だけで都知事を選びますか」の意見広告が出た。
読んでみると、「候補者に代替策があるのでしょうか。具体策も示さずに、原発ゼロの旗を掲げるのは無責任です。エネルギーの安定供給確保の為に、原発を基幹産業として再生、発展させることが必要です」という。
安倍政権の原発再稼働を応援する内容で脱原発を封じる口実ではないのか。
確かに、都政は13兆円もの財政規模を誇り、政治課題は山積し、「脱原発」を唯一の争点として賛否を問うのは無理があるとも思う。
でも、候補者に代替案の提言がないのに「原発ゼロ」を訴えるのは無責任とは、チョット言い過ぎではないか。
政府のエネルギー政策だって信頼性に問題があるのに、候補者一個人が具体策など出来るはずがない。必然的に理念になってしまう。
逆に、国家基本問題研究所は、原発再稼働に向けて安全をどうやって確保するというのか。活断層が近辺にある原発でどうやって安全を確保するのか。
そして柏崎刈羽原発再稼働を申請する東電に、新潟県知事が福島第一原発の事故原因とその対策が未だ不明確として再稼働を拒否している。これが立地県や近隣自治体の共通した考えであるが、こういったことにどう答えるのか。
小泉内閣の時、郵政民営化の是非を問いたいと小泉さんは衆議院を解散に打って出た。一方、野党の民主党は「他にもっとやるべき事がある」と真正面から対抗したが、小泉戦法に負けた。
東京都知事選も政治課題は山積するが、候補者の公約を読んでも「誰にしようか」とはなかなか決めにくい。当然のことながら棄権、投票率の低下につながる。
でも、原発の是非も問うのであれば、投票に行こうかということにもなるだろう。
政策の是非を決めるのは有権者だ。政策も多様化している現在、一財団法人の意見広告とは言え、頭から「脱原発」を否定するのは避けた方が良いのではないか。
兎に角、何としても投票所に行って有権者一人一人が意思表示することが大切なのではないか。
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