2014年1月26日日曜日

東京都知事選:なぜ、脱原発は勢いをなくしているのか

東京都知事選での候補者の公約がメデイアの情報番組、報道番組で比較表となって出てきだしたが、コメンテーターの発言などからも「脱原発」が一時の勢いをなくしているように思える。

原発といえば、細川、宇都宮陣営が「即時ゼロ」、田母神陣営が「再稼働」、他の陣営ははっきりした態度を示さないが、舛添陣営のように余計なことは言いたくないようだが、聞かれれば「原発に依存しない社会の構築」となるのだろう。

政府は経済再生にも原発の必要性を前提にしており、当然規制委員会の安全審査がパスすれば再稼働になるだろう。

脱原発も安倍vs小泉の構図になることを避けたい政権側は、メデイアに圧力をかけているのではないかと思われる。

メデイアの報道も、エネルギー政策は国の政策、地方行政にはなじまない。原発ゼロへの具体的な工程が見えてこない。電気料金の値上げは経営の足を引っ張るので総合的に判断すべきだなどの意見が多い。

「原発即ゼロへの工程を示せ」といっても政府だってまともなものが示せないのに、候補者個人が示せるはずがない。どうしても理念になってしまうのは当然だ。

そして最近の世論調査を見ると、やって欲しい政策の1位は少子・高齢化対策、2位は雇用、経済対策そして3位に脱原発となる。細川陣営にとってはショックだろう。都政としてもっとやらなければならない政策があるとジャーナリスト、政治評論家は言う。

脱原発のシングルイッシューへの批判とともに公約を二分する動きはなくなったのだ。

テレビの報道番組でも、脱原発をいう人はいなくなった。明らかにコメンテーターを選別しているのようにも思える。

あの舛添さんも街頭演説では「脱原発」に言及していることはないという。様子を見ながら余計なことは言わないということだろうが、自民党と政策協定を結んだのだから、再稼働しか選択肢はないのだ。だから聞かれれば「原発に依存しない社会」というしかないのだ。

菅元総理の過日談で、福島第一原発事故で東京が放射能汚染にさらされる危険に恐れをなしたという。政権を担当していた政治家にとっては当然の恐怖だっただろう。

原発問題は国政で、地方にはなじまない考えは何やら原発から逃げているような感じもする。「地方から国に物申す」のも良いことだというが、都の政策が国に影響を与えたものとして、美濃部さんの時の高齢者の医療無料化(のちに廃止された)、石原さんの時のデイーゼル車の排ガス規制ぐらいではないか。

都民が安倍政権のエネルギー政策に口出しするのも良い機会ではないか。しばらくの間国政選挙がないことは政権にとって緊張感がなくなる。都知事選は新成人が政治に参加するいい機会だ。もちろん候補者には他の政策もしっかりやってもらわなければいけない。




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